前田知洋

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前田 知洋(まえだ ともひろ、1965年11月10日 - )は、東京都品川区生まれのプロマジシャン東京電機大学工学部電気通信工学科(現情報通信工学科)卒。日本奇術協会クロースアップ委員長。

人物・経歴

ステージとは違い観客の近くで観せるクロースアップ・マジックの第一人者。また、パーラー・マジック(サロン・マジック)もこなす。 それまで日本に本格的なクロースアップマジック専門の奇術師がいなかった為「日本で最初のクロースアップ・プロマジシャン」と呼ばれることもある。 オリジナリティのある演出は日本のみならず、海外からの評価も非常に高く、『アンビシャスカード』[1]を好んで演じる。 スタイリッシュな演技と安定したテクニックで演じられるマジックは、前田知洋自身の個性と相まって非常に知的で上品な楽しさと言う印象を与える。 国内外での受賞歴は多い。

小中学生時代:東京都品川区大井2丁目在住。品川区立山中小学校品川区立伊藤中学校に通っていた。

1988年、大学卒業後に留学していたアメリカのロサンゼルスでアカデミィ・オブ・マジカルアーツのオーディションに合格。世界的に有名なマジック専門会員制クラブ「マジックキャッスル MAGIC CASTLE」に日本人最年少で出演。 帰国後は、当時東洋最大規模を誇ったレストラン「タイクーン」にて2000万円の専属マジシャン契約を結ぶ。 その後「マジック界のオリンピック」とも言われる、FISM1994年横浜大会ゲストや1997年ドレスデン大会へ出演。また、1990年には優れたマジシャンへ贈られる厚川昌男賞泡坂妻夫)を受賞している。

2002年には国内のマジック愛好家の投票で「その年最も活躍したマジシャン」に贈られる第一回マジシャン・オブ・ザ・イヤー(ジャパン・カップ)を受賞した。 翌2003年はアメリカの歴史あるマジック専門雑誌『GENII』の表紙や特集を組まれるなど、世界的な知名度は高い。 2005年には、再びジャパン・カップのベスト・クロースアップ・マジシャン賞を受賞した。

近年はTVへの出演が多くなり、2004年には『スーパーテレビ特別版』『ザ!世界仰天ニュース』(ともに日本テレビ)などへ出演し高視聴率をマーク。2003年から2004年の「マジックブーム」に火をつけた人物の一人。

また、アメリカ留学前にナポレオンズのアシスタントをしていたこともある。

2004年に、世界最大のアメリカトランプメーカーU.Sプレイング・カード社に依頼して、専用のトランプ「Tomohiro Maeda MODEL TALLY-HO GOLD FRAME」を製造する。既存のデザイン変更が行われている。

基本的に初めてマジックを見せる相手には、新しいトランプを使う[2]。理由は、トランプを並べた際に順番がキレイに揃っているため、イカサマでは無い(仕掛けのあるカードを使っていない)ことを相手に証明できるからである。

マジック専門書への寄稿や挿絵の担当、翻訳も多い。

2006年11月25日に、CASIOとのコラボレーションで誕生したマジックのできる腕時計マジックウォッチ(カーラーはゴールドとシルバーの二色)が発売となる。時計に内蔵されたマジックの数は5種類となっている。

2007年8月~9月に宝塚歌劇団月組で上演されたミュージカル『マジシャンの憂鬱』で、マジック指導をつとめた。

著書

  • 『超あやしいマジック入門』(ポプラ社)2001年11月
  • 『へなちょこマジック大作戦』(ポプラ社)2004年12月
  • 『知的な距離感』(かんき出版)2007年8月
  • 『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)2007年11月10日

関連項目

参考文献

  • 『超あやしいマジック入門』(ポプラ社)
  • 『へなちょこマジック大作戦』(ポプラ社)
  • 『クラシック・マジック事典2』松田道弘著(東京堂出版)
  • 『Five Times Five』Kaufman and Greenberg(全文英語)
  • 『New Magic of Japan』Kaufman and Greenberg(全文英語)

脚注

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外部リンク

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  • 指を鳴らすと、デックの中程に入れた客のカードがデックの一番上に上がってくるマジック。詳細はカードマジックを参照。
  • 「対談 マジシャン登場」『ザ・マジック Vol.64』 東京堂出版、2005年、5頁。