中国農業銀行

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中国農業銀行(中国农业银行)

中国農業銀行(ちゅうごくのうぎょうぎんこう、テンプレート:En)は、中華人民共和国の四大商業銀行の1つである。

概要

北京に総行(本店)を置き、全国31の省、自治区、直轄市と新疆生産建設兵団に一級分行(支店)を置く他、大連深圳青島寧波アモイに直属分行を置き、下級支店網は全国の農村をカバーする。さらに香港シンガポールにも分行を設置し、ロンドン東京ニューヨークに代表処を置く。また長春天津武漢に養成学校を開設する。

2002年末の総資産は2.97兆人民元、貸付残高19.1兆元、預金残高24.8兆元、税引き後利益28.9億元で、米『フォーチュン』誌の世界トップ企業500に入る。ただ不良債権は相当膨らんでいると見られ、また農村などの田舎地域が営業主体なので海外での株式上場のメドはたっていない。

2008年10月21日、温家宝主催による国務院常務会議において中国4大国有商用銀行のうち唯一株式会社化されていなかった、当行の株式会社化に向けた改革実施案を概ねで決定した。「三農問題」の解決に向けた弾みとなることが期待された。

2010年、農業銀の顧客数は3億2000万人で、国内に2万3624店舗を展開している。2009年の新規融資は過去最高の1兆元と、ニュージーランドの国内総生産(GDP)を超える規模だった。しかし昨年末時点の不良債権率は全体で2.91%と、中国の大手銀行で最高。不動産会社向け融資の延滞率は3.47%だった。[1] 2010年7月、15日に上海株式市場(A株)、16日に香港株式市場(H株)に上場し、両市場で193億米ドル(約1兆7000億円)、オーバーアロットメント(追加募集)が行われた場合は220億米ドルを超える資金調達、世界最大規模のIPOとなる。[2]新規株式公開(IPO)価格はH株の3.2香港ドルの予定。

沿革

農業銀行の前身である農業共同銀行は1951年に、中国農民銀行及び共同銀行の合併により誕生した。しかし翌1952年には中国人民銀行と合併し、いったんは消滅したが、1955年には中国農業銀行として再び独立した。1950年代、中国農業銀行は、当時社会主義体制下で唯一の銀行(国家銀行)とされた中国人民銀行の子会社として地方金融、農業に対する開発、投資、融資を担当していた。 1960年代に入り、中国農業銀行は国務院の監督の下に入り、従前からの業務に加え、政府の農業支援予算を取り扱うなど、農業関係信用事業全般を担った。 1979年には特殊銀行から、商業銀行へ組織形態を変更し、さらに株式会社として改組され四大国有商銀の一つに名を連ねた。 中国では1990年代に国営金融機関の改革が始まったが、農業銀行も1994年には農業政策関係の部門を中国農業発展銀行に分離した。さらに1998年には中国政府より資本注入を受け、新旧分離方式により簿価で3458億元の不良債権を農業銀行のバランスシートより分離した。分離された不良債権は中国長城資産管理公司に引き渡された。

索引

  1. 中国農業銀行:新規公開1.7兆円、過去最大も-関係者と届出書
  2. 中国農業銀行のIPO、220億米ドルを超え世界最大規模に=関係筋

外部リンク

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