ヤマハ・FJR1300

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FJR1300(エフジェイアールせんさんびゃく)とは、2001年ヤマハ発動機が欧州、米国向けに販売を開始した大型自動二輪車である。

概要

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表 FJという名称が用いられているように、用途やマーケットによる分類としては同社の大型自動二輪車であるFJ1100、FJ1200の後継機にあたるが、車体やエンジンは全面に渡って新たに設計されている。

タンデムライドで10日間、3000kmを快適に走行できる、という欧州のツーリングライダーがオートバイに要求するひとつの基準を満たすためにツーリングを、そしてタンデムした上でワインディングロードを最高に楽しめるツアラーとして開発が行われた[1]。従来のFJをそのように全面新設計した結果、ドイツMOTORRAD誌においては2001年ベストツーリングモーターサイクル賞を受賞するといった好評を得て、欧州での年間8万台程度の市場で6400台に上る販売台数を達成した[1]

エンジン

FJで用いられてきた空冷エンジンと決別し、水冷エンジンとして全面新設計が行われた。ヤマハ・YZF-R1などのスーパースポーツ車両で培われたメッキシリンダーや軽量ピストン技術に2軸バランサーを組み合わせ、低振動でありながら滑らかに回るエンジンとして設計された[2]。燃料供給にはインジェクションを採用し、三元触媒などを搭載することによってヨーロッパの環境基準EU-2を達成している[2]

車体構成

アルミダイキャストフレームを採用し、利点である設計自由度の高さを生かしエンジン冷却のための導入路となる機能を盛り込んだヘッド部からピボットセクションまでがS字に接合される形状に設計された[2]。サスペンションにはフロントにφ48mmの大径テレスコピック式正立フォークを採用し、リアにはタンデムや積載時の即座の調整に対応できる、手元で調整が可能なリモコン式アジャスタブル[モノショックが採用された[2]

また、欧州で人気の高いツアラーであるBMWテンプレート:仮リンクなどと同様に電動で角度調整可能なウィンドスクリーン、専用設計のパニアケースを標準装備している。

歴史

FJR1300は、開発者が「10年単位で熟成し育てていきたい」と話している通り、高い頻度で各部への改良が行われている。


2001年仕様

以下のカラーバリエーションで発売された[3]

2002年仕様

2002年仕様では、フロントフェンダーおよびアンダーカウルの形状変更、速度計デザイン変更をはじめ、主に防水対策を中心とした改良が行われ、カラーバリエーションが以下のように改められた[3]

2003年仕様

2003年よりABSを搭載したFJR1300Aがラインナップに加わり、通常仕様と併売が行われるようになった[2]。販売価格は1,430,000円(税込)[2]。共通の変更点としては本年度仕様よりキー連動タイプの盗難防止イモビライザーが搭載されるようになった点や、カウルインナーパネル左側へ施錠にソレノイドを利用し、シリンダーにキーを挿入したニュートラルの場合に開閉が可能になる小物入れを追加、フロントウィンカーがビルトインタイプに変更、フロントディスクのφ320mm化、ウィンドスクリーンのサイズ拡大等が挙げられる[2]

また、カラーバリエーションが以下のように改められた[2]

2005年仕様

カラーバリエーションが以下のように改められた[4]

2006年仕様

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表 2006年モデルチェンジが行われ、ABSを装備したFJR1300Aが通常仕様になり、それと同時に発進時やギアチェンジにクラッチ操作が不要になる電子制御式クラッチYCC-Sを搭載したFJR1300ASが併売されるようになった[5]。この機構を搭載することによってクラッチレバーが撤去され、エンジン回転数やスロットル開度に応じた最適なクラッチ操作が自動で行なわれ、ギアチェンジの際には従来のシフトペダル、あるいは左スイッチボックスに設置されたハンドシフトスイッチでの操作が可能になった[5]

車体構成に対する改良点としてはラジエーター形状が変更され、従来のフラットタイプからラウンドタイプにファンを2基設置したものへ変更され、停車時や渋滞走行での排熱性能が高められた[5]。これに付随してカウル形状も再検討され、排熱された温風による影響を受けにくくするためにエアインレット形状が改められた他、走行時のウインドプロテクションを高めるため電動可変式スクリーンの可動幅を80mmから130mmへと拡大、膝や腹部への走行風巻き込みを防止するために可動式ミドルカウルが新たに搭載された[5]。また、可変式ライディングポジション機構としてハンドル位置、シート高を搭乗者に応じて変更することが可能になり[注釈 1]、この他メーターパネルの改善や12V電源ソケットの搭載、グリップヒーターなど[注釈 2]、さまざまな方向から快適性の向上に対する改良が行われた[5]

車体の一新にあわせてカラーバリエーションは以下のように改められた[6]

2007年仕様

カラーバリエーションが以下のように改められた[7]

2008年仕様

2008年仕様よりパニアケースがオプションとなり、車両価格がFJR1300Aで1,501,500円(税込)、FJR1300ASで1,659,000円(税込)へと引き下げられた[8]。ABSは熟成を重ね、従来の2モードから3モードの油圧制御となりきめ細かい調整が可能になり、ウィンドウシールドの支持方式の改良と表面コーティングの強化がなされたほか、カラーバリエーションが以下のように改められた[8]

2009年仕様

カラーバリエーションが以下のように改められた[9]

2011年仕様

カラーバリエーションが以下のように改められた[10]

2013年仕様

カラーバリエーションが以下のように改められた[11]

2014年仕様

以前から日本国内では並行輸入による車両が販売されたいたが、2013年の法改正により騒音対策において欧州仕様との共通化が可能になったことから、2013年12月10日より A/AS とも日本国内仕様が正式発売される[12]。車体色はA/ASそれぞれベリーダークオレンジメタリック1とイエローイッシュグレーメタリック5の2色展開。最大出力と最大トルクは日本国外仕様と同じカタログ数値。両モデルともクルーズコントロールを装着し、電動調整サスペンションはASのみ搭載するのも日本国外仕様と同じ。

警察車両

欧州各国では用途と設計との親和性の高さから、警察車両などに採用されている事例が多い。2014年より、日本の警察でも導入されている。 テンプレート:-

参考画像

脚注

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注釈

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出典

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister テンプレート:Sister

テンプレート:Motorcycle-stub テンプレート:Notice

テンプレート:ヤマハのオートバイの車種
  1. 1.0 1.1 テンプレート:PDFlink
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 テンプレート:Cite web
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite web
  4. テンプレート:Cite web
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「2006mc」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  6. テンプレート:Cite web
  7. テンプレート:Cite web
  8. 8.0 8.1 テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. テンプレート:Cite web
  11. テンプレート:Cite web
  12. テンプレート:Cite web


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