コペンハーゲン

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テンプレート:世界の市 コペンハーゲンテンプレート:Lang-da テンプレート:IPA-daテンプレート:Lang-en [ˌkoupənˈheigən] / [ˌkoupənˈhɑːgən]テンプレート:Lang-de [ko(ː)pənˈhaːgən])は、デンマーク首都北ヨーロッパを代表する世界都市である。市名はデンマーク語の"Kjøbmandehavn"(商人たちの)に由来する。「北欧パリ」と比喩される。

日本語では「コペンハーゲン」と呼ばれることが多いが、これはドイツ語名をカタカナ表記したものであり、デンマーク語では「ケブンハウン」に近い。

概説

シェラン島の東の海岸にあり、デンマーク東部(北緯55度43分、東経12度34分)に位置する。デンマーク最大の都市で、コペンハーゲン(ケブンハウン)自治市の人口は52万人。コペンハーゲン(ケブンハウン)県の人口は112万人。また、シェラン島東部とエーレスンド海峡を挟んだ対岸のスウェーデン南部スコーネ県マルメ市、ルンド市などを含めた都市圏人口は190万人に達する。北ヨーロッパ最大級の都市圏である。

2014年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス人材文化政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界第43位の都市と評価された[1]

歴史

コペンハーゲンの周辺地域は、古代ローマ時代にはハフニア (Hafnia) という名で伝わっていたが、シェラン島が辺境の島ということもあって、さほど重要視されてはいなかった。都市としてのコペンハーゲンの起源は、1000年ころスヴェン1世とその息子クヌート大王によって発見されたのが最初である。

その後しばらくは、コペンハーゲンは一介の漁港として発展。12世紀半ばにアブサロン司教の所有になって重要性が高まると、アブサロン司教は1167年にコペンハーゲンの要塞化をおこなった。良質の港湾はコペンハーゲンを商業の重要な中心に成長させた。ドイツ人に存在を知られると、ハンザ同盟の度重なる攻撃を受けた。1254年にはヤーコプ・エルランドセン司教から都市の特許を受けている。

1658年から1659年にはカール10世指揮下のスウェーデン軍に包囲され、激しく抵抗した(北方戦争)。この戦役は「氷上侵攻」としても知られている。1801年にはデンマーク艦隊とパーカー提督指揮下の英国艦隊の間に、コペンハーゲン湾内で戦闘が起こった(コペンハーゲンの海戦)。この戦いではイギリス艦隊副司令官のホレーショ・ネルソン提督が活躍し、デンマーク艦隊は撃破された。この戦闘においてネルソンがパーカー提督の戦闘停止命令を無視し、見えない方の片目に望遠鏡を当ててとぼけたという逸話が有名である。

1807年、デンマークがナポレオンに服属しないよう、英国遠征軍がコペンハーゲンを砲撃した。この当時のコペンハーゲンの防御線はすでに時代遅れになっており、イギリス軍の大砲の射程距離の長さの前に無力だったため、市街は甚大な被害を受け、多くの市民が犠牲となった。1850年代までに、市街の城壁は新しい住宅を建てるために開放された。この劇的な空間の拡大は、城壁が時代遅れの防衛システムになっていたという理由だけでなく、旧市街の衛生状態の悪さを改善するためにも長く待たれていたものだった。

第二次世界大戦の間のコペンハーゲンは、デンマークの他の地域と同様、1940年4月9日からドイツ軍に占領された1943年までを「モデル被占領国」、それ以後から1945年5月4日までを「抵抗の時代」と呼んでいる。1943年8月、デンマーク政府と占領軍との協力体制が崩壊したとき、ドイツ軍に利用されないように、何隻かの船がデンマーク軍によってコペンハーゲン湾に沈められた。

気候

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経済

同国の経済の中心であり、世界的な海運会社A.P. モラー・マースクの本社などが置かれている。

文化

ストロイエ (Strøget) はコペンハーゲン中心地の歩行者天国で、1961年に発足した。コペンハーゲンの広大な歩行者道路網はこの四十年で建築家兼大学教授であるヤン・ゲールの手によって発達した。

コペンハーゲン・ジャズ・フェスティバルは長年続いてきた重要なジャズ・シーンの結果として生まれた有名な年中行事の一つである。1960年代はじめにコペンハーゲンにアメリカのジャズ・ミュージシャンたち、ベン・ウェブスタータッド・ジョーンズリチャード・ブーンアーニー・ウィルキンスケニー・ドリューエド・シグペンボブ・ロックウェル、ロック・ギタリストのリンク・レイたちが訪れたときに、このシーンは顕著な発展をみせた。

男女同権性差における対等性 (Sexual Equality) はデンマークでは高い優先順位が与えられている。女性はコペンハーゲンではほとんど、あるいはまったく差別に遭遇しないだろうし、セクシャルハラスメントも他の西洋諸国の首都に比べればまれである。

コペンハーゲンはゲイおよびレズビアン旅行者にとって人気のある目的地になっている。活発な同性愛者のコミュニティが存在し、夜間の娯楽の選択肢もたくさんある。主要な一年のうちでのゲイ及びレズビアンのお祭りはコペンハーゲン・プライド(かつてのマーメイド・プライド・パレード)である。これは大規模な告解火曜日のような浮かれ騒ぎで、毎年八月はじめのある土曜日に行われる。 デンマーク人は非常に、さまざまな種類の「新しい」ライフスタイルに対して寛容であり、同性愛者たちはほかのすべての人と同じように自由に自己を表現できる。デンマーク最大の同性愛者のクラブはパン・クラブ・コペンハーゲンである。

コペンハーゲンは昼夜パーティが行われているような不夜城都市であり、無料で娯楽を求めるならストロイエを、とくにコンゲンス・ニュー広場からホイブロ広場までの間を散歩しさえすれば、特に午後から夕方にかけては、音楽家、マジシャン、ジャグラーなどの大道芸人たちによって、さながらサーカスのようになる。

文化施設

学術、教育

市庁舎

20世紀初頭に完成した市庁舎は、高さ106mの塔を持ち、300年で0.4秒の誤差しか生じないという精密な天文時計がある。

スポーツ

コペンハーゲンは多種多様なスポーツチームを有している。デンマークの2つの強豪サッカークラブ、ブレンビーIF (Brøndby IF) とFCコペンハーゲン (FC København) はコペンハーゲンを本拠にしている。 近年ではブロンビーが1985年以来、デンマーク・スーペルリーガ(デンマーク・リーグ)に10度優勝、デンマーク・カップでは5度の優勝を成し遂げ、デンマーク史上もっと成功したクラブとなった。FCコペンハーゲンは過去20年での獲得タイトルはリーグ4回、カップ3回である。FCコペンハーゲンのホームグラウンドはデンマークのナショナル・スタジアムであるパルケン・スタディオン

デンマーク・サッカーの二番目の水準のリーグ(デンマーク1stディヴィジョン)に参加している注目すべきコペンハーゲンのクラブとしては、FCアカデミスク (AB)、ヘレルップIK (HIK)、ボルドクルベン・フレム、ブロンショー、スクヨルドが挙げられる。

コペンハーゲンは3つのアイスホッケーチーム、レドフレ・ミヒティ・ブルズ (Rødovre Mighty Bulls)、ヘルレフ・ホルネッツ (Herlev Hornets) そしてノルトスイェラント・コブラズ (Nordsjælland Cobras) を有している。

男女両方のハンドボールチームがあり、両チームとも上級リーグでプレーしている。

コペンハーゲンを本拠とする「デンマーク・オーストラリアン・フットボール・リーグ」は英語圏以外では最大のオージーフットボール・リーグである。

コペンハーゲンはまた、たくさんのデンマーク式の40オーバー・ルールのクリケット・クラブのホームでもある。デンマークは1966年以来国際クリケット評議会の準会員だったが、このスポーツは学校ではそれほど教えられてはこなかった。デンマーク・クリケット代表チームは、選手や、設備、メディアの注目、そして観客といった面でよりひろく知られたスポーツであるサッカーと苦しい戦いをしてきた。

また、夏季オリンピック2016年リオデジャネイロ大会の開催地決定はコペンハーゲンで行われた。

交通

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コペンハーゲンの交通網

空港

鉄道

  • コペンハーゲン市内主要駅
  • Inter City Lyn(インター・シティー・リュン)- インターシティより停車駅の少ない特急
    • Inter City(インターシティー)- 特急
  • S-Tog(エス・トー)- DSBのコペンハーゲン近郊電車。クロスシートの専用車両で運行され、基本的にシェラン島内を走る。デンマーク国内の鉄道は自転車用切符を別途購入するとドア近くのスペースに自転車を持ち込める。これは近郊電車のS-Togでも例外ではない。
    • DSB First(DSBファースト)- コペンハーゲン中央駅を中心に、コペンハーゲン北部のヘルシンオア (Helsingor) と、スウェーデンのヘルシンボリ (Helsingborg) を接続するU字環状線に与えられている路線愛称。マルメ中央、ルンド、コペンハーゲン空港駅などの各駅を接続する。

地下鉄

  • コペンハーゲン地下鉄 (Metro Copenhagen) 2003年中心部を経由する一部区間が開業した。コペンハーゲン市初の地下交通網。北欧で4番目の地下鉄。2007年にはS-TogやDSB Firstとの接続駅であるNørreportとKøbenhavns Lufthavn Kastrup(コペンハーゲン空港駅)とを直結するM2路線が開業した。

バス

  • 市バス(市内縦横に路線がある。コペンハーゲン市民にとって最も重要な交通手段)、Zoneごとの料金設定で、有効Zoneで1時間以内であればバス、S-Tog、DSB、メトロに何度でも乗車可能である。

自転車

デンマークでは真面目に考えられている交通手段でありコペンハーゲンでも例外ではない(あるいはコペンハーゲン市民にとって最も重要な交通手段は自転車かもしれない)。大きな通りには歩道と車道の間に自転車専用レーンがある。自動車と同じく右側通行であり逆走はできない。また、青信号の際に、時速20km/hで走行すると、決して赤信号にかからないよう、信号機も工夫されている。これにより、自転車での通勤・通学時間が大きく短縮され、自転車ユーザーに歓迎されている。

  • City-bike - 市内に散在するレンタル自転車で夏季のみに登場する。専用スタンドに鍵で接続されており、20DKKコインを差し込むと鍵を外すことができる。別の場所のスタンドで再び鍵を差し込むと20DKKコインが取り出せるので、きちんと戻せば利用は無料である。利用できるエリアが決まっており、それ以外のエリアまで持ち出すと罰金が科せられる場合があるので、City-bikeを列車に持ち込むのは止めたほうがよい。

船舶

  • 北欧各首都、主要都市を結ぶラインは毎日運行されている。また、バルト海クルーズなどのクルーズ船も出航している。

名所、旧跡

近郊

姉妹都市

出身の有名人

出典

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関連項目

外部リンク

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公式
観光

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  1. 2014 Global Cities Index and Emerging Cities Outlook(2014年4月公表)