メガロドン

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メガロドンは、約1,800万年前から約150万年前[1]新生代第三紀中新世半ばから鮮新世)にかけての、海が比較的暖かった時代に生息していたサメである。

現生のホホジロザメと近縁という考えから、カルカロドン(=ホホジロザメ属の)・メガロドンCarcharodon megalodon)という学名が主流であったが、近年では、完全には置き換わっていないものの、カルカロクレス・メガロドンCarcharocles megalodon)の方が、学術レベルにおいては広く受け入れられている[2]

本種が後者のカルカロクレスであるとする学説では、その系統はホホジロザメの属するネズミザメ科ではなく、(ネズミザメ目には含まれるが)メガロドンを最後に絶滅した otodus という古代ザメの系統に属するとする。シノニム(異名)には他に、 Procarcharodon megalodonCasier, 1960)もある。

サメは軟骨魚類であり、化石には通常は歯しか残らない。本項目の内容は、本種がホホジロザメ属という説を前提に、「ホホジロザメのX倍の歯を持つから体のサイズもX倍」という推定で行われたものが多い。

特徴

全長は最大個体の推定値で約13メートル[3][4](しばしば取り上げられるものとして約20メートル[5]と幅が広い)。いずれにしても、現生のホホジロザメ(最大個体の推定値約6.0メートル)よりはるかに大きく、現世魚類では最も大きいジンベエザメ(最大個体で約13.7メートル)とほぼ同大である。なお、一時主張された40メートル説などはすべての歯が最大化石で構成されているとして復元したもので、現在では否定されている。

ファイル:Megalodon scale1.png
Carcharodon megalodonメガロドン 19m:灰~ 15m:赤紫)、Rhincodon typusジンベエザメ 11m:紫)、Carcharodon carchariusホホジロザメ 6m:緑)、Homo sapiens(人:青)。メガロドンの値を大きくとり、ジンベエザメの値を小さくとっている。

学名と分類

メガロドン(megalodon) という名は、テンプレート:Lang-grc (megalos) 「大きい」 + ὀδούς (odous; 語幹: odont-) 「歯」の合成語である。 古生物は一般に、学名の「属名」部分で呼ばれる事が多いが、メガロドンの場合は「種小名」であって属名ではない。

正式にはメガロドンこと カルカロクレス・メガロドンCarcharocles megalodon)という。なお、カルカロドン・メガロドンCarcharodon megalodon)の方は、本種を現生のホホジロザメ(Carcharodon carcharias)の同属とする説に基づく学名である。前者のカルカロクレス・メガロドンに対応する標準和名は特に合意されていないため、どちらにせよ和名ではムカシオオホホジロザメ(昔大頬白鮫)という。

出現

ファイル:VMNH megalodon.jpg
巨大な牙で二頭のクジラを捕食するメガロドンの想像図

新生代第三紀始新世(約5,500万-約3,800万年前)に登場したクジラの仲間は、中新世(約2,300万-約500万年前)にはさまざまな種類に進化し生息数も増加した。現在のハクジラヒゲクジラの仲間のほとんどは中新世末期に登場している。中新世から鮮新世にかけての脊椎動物が豊富にいたと思われる海域の地層からは、メガロドンとクジラの化石が大量に見つかっており、大型のクジラの背骨やヒレの骨格の化石にはノコギリ状の縁が特徴的なメガロドンの歯による噛みあとが見られる。

ファイル:Megalodon tooth with great white sharks teeth-3-2.jpg
メガロドンの歯(左)とホホジロザメの歯(右の2つ)


絶滅

メガロドンは鮮新世(約600万-約200万年前)中期に絶滅したと考えられている。これは、大陸棚の海水温低下と、クジラが寒冷な海域に逃げ込んだことによって、その生態的地位が存在しえなくなったためとされる。変温動物であるサメは恒温動物であるクジラのようには低温の環境に適応できない。

ただし『アニマルプラネット[6]などで放映された異説に

  • メガロドンが属するとされるネズミザメ科は一般に奇網と呼ばれる体温維持システムを備えている。
  • ある程度寒冷化が進んだ後の高緯度地方からも本種の歯牙化石が発見されている。

ゆえに寒冷化が主因という見方はおかしく

  • 同じくクジラを捕食するシャチがクジラ類から出現するのとほぼ同時に本種が絶滅している。
  • サメ類は浮袋を備えないため巨大化するほど遅くなる傾向がある。奇網がなかったのならウバザメジンベエザメより著しく素早く機敏であったと考える合理的根拠は無い。奇網があったにせよ速度などではホホジロザメ[7]より劣るはずである。
  • しばしば現生ナガスクジラと同大の鯨類を捕食していたように語られるが、外洋に適応したばかりの4m程度の原始的なクジラ類ケトテリウムなどが主食だったはずであり、彼らも現生のクジラ類に淘汰されメガロドンにやや遅れて絶滅している。

つまりメガロドンにとって餌も対抗種も急激に強力になり、進化について行けず淘汰されたという異説もある。

ファイル:Teeth of Megalodon.jpg
メガロドンの顎歯の復元模型(京急油壺マリンパークに展示)

生存説

海中の大型捕食動物は、陸上よりも気候の変化等に影響されにくいと考えられており、1918年オーストラリアの巨大ザメ目撃談や1954年に船に突き刺さった“ホホジロザメの物と同様の形状を持つ巨大なサメの歯(長さ10センチメートル)”などから、今でも未確認動物学者などが生存説を主張している。約6,000年前のものと思われる歯の化石も発見したと主張されているが、学問的には捏造とされている。またその個体数を維持するための獲物として不可欠であろう小型の鯨類がほぼ存在しないため、生存していたとしても生息数は非常に少ないとみられる。

一部で「メガロドンの映像」として知られる映像は深海潜水艇ノティール(フランス)によって駿河湾の水深1,315メートルで撮影された約7メートルのオンデンザメのものである。

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日本とのかかわり

日本においてメガロドンの歯の化石は長らく「天狗の爪」とされていた。

完全に近いと思われるメガロドンの歯が1989年、埼玉県で出土している。サメの歯の化石は一本一本バラバラに発見されることが多いが、この化石には1個体の上下の歯が73本含まれていた。埼玉県自然史博物館(平成18年4月から埼玉県立自然の博物館)では、このセットを用いたメガロドンの顎の復元が展示されている。この復元はカルカロドン(ホホジロザメ属)説に基づき復元され、全長12メートルの個体であったと考えられている[8]


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関連項目

注釈

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外部リンク

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  1. 生息年代については諸説あり、2800万年-150万年前とされることもある(英語版Wilipediaより)。
  2. http://www.fossilguy.com/topics/megshark/megshark.htm
  3. Helfman, Gene; Collette, Bruce; Facey, Douglas (1997). The diversity of fishes. Wiley Blackwell. ISBN 978-0-8654-2256-8.
  4. Randall, John (July 1973). "Size of the Great White Shark (Carcharodon)". Science Magazine: 169–170.
  5. Klimley, Peter; Ainley, David (1996). Great White Sharks: The Biology of Carcharodon carcharias. Academic Press. ISBN 0124150314.
    (20メートル説は、「この位の大きさの歯があるかもしれない。それ位の歯が存在したとすれば、全長はこれぐらいになるだろう」という想像によるもの。インターネット上でよく取り上げられる15~16メートル説も、発見された最大化石からの同著の推定が根拠である。だが同著自体が、ホホジロザメの成長カーブをそのまま適用してこれらのサイズを算出する手法を、空想的で恐らくやり過ぎと書いている。そもそもメガロドンは同著の主題ではない)
  6. http://animal.discovery.com/
  7. イメージと異なり、人間に比べれば圧倒的であるものの魚類の中で遊泳能力が高いとはいえない
  8. http://www.kumagaya.or.jp/~sizensi/exhibit/shark/sharktop.html