ミーティア (ガンダムシリーズ)

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ミーティアは、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などに登場する架空の兵器

本項目では、『ガンダムSEED MSV』で設定された派生型ヴェルヌ35A/MPFM 多目的飛行モジュールの解説も記述する。


ミーティア

テンプレート:機動兵器 M.E.T.E.O.R (Mobilesuit Embedded Tactical EnfORcer=モビルスーツ埋め込み式戦術強襲機[1])は、母艦であるエターナルによって運用される核エンジン搭載型MS用の巨大補助兵装。

設計はヴェルヌ局とウエルズ局の合同で行われた。初期構想におけるミーティアは現行MSの稼働時間・飛行性能・機動力・火力を向上させるザフト版ストライカーパックと言える装備であったが、Nジャマーキャンセラー搭載型MSへの採用が決定したことにより、その無制限の大電力を活用した破壊力と機動力に主眼を置く武装プラットフォームとなった。その結果、ミーティアはMSに戦艦並みの推力と火力を付加する装備に至り、大口径ビーム砲、大量のミサイル、長大な艦船破壊用ビームソードなどを備え、ジンハイマニューバで使われたエンジンのデータが基になっている推進器の高推力を使用して戦域の各所へと高速移動する事で、ミーティアを装備したMSは単機で戦況を一変させる戦略兵器となる。また、MS用携行兵装の収納スペースも設けられており、ミーティアをパージした際でも、それらの兵装を射出する事で通常の戦闘へ速やかに移行する事が出来る。

搭載火器やFCSを含め、全ての管制・エネルギー源は接続された対象物側に依存しているが、エターナルからMSの間を行き来するなどの短時間であれば内蔵電力にて可動する。通常はエターナルの機首両脇にあるガントリーに「ハングモード」として接続され[2]、艦側の動力部を介した艦砲として運用されている。

一方、汎用性を追求したことで正反対のアプローチとなった民生・軍事両用の核エネルギー動力版バリエーション機も開発され、ウェポンアームが共用パーツとして増産されている。また、ミーティア自体を核動力へマイナーチェンジさせた物も登場した。

ミーティアとは「流星、隕石」の意で、T.M.Revolutionによる挿入歌「Meteor -ミーティア-」を語源とする。

武装

93.7cm高エネルギー収束火線砲
両側面に備えるビーム砲。主に連射力で威力を発揮する。
60cmエリナケウス 対艦ミサイル発射管
93.7cm火線砲と併設される22連装×2基と、テールスタビライザー上部に備える3連装×3基からなる対艦ミサイル。フリーダムジャスティスのマルチロックオンシステムと合わせ、広範囲の敵やミサイルを一度に撃墜する事が可能。エリナケウスとはラテン語で「ハリネズミ」の意。
ウェポンアーム
ミーティア本基とフレームで繋がりMS側で操る武装モジュールで、派生機のミーティア改にも採用されているものである。
60cmエリナケウス 対艦ミサイル発射管
アームの根本付近に12連装×2基で備える同名ミサイル。
120cm高エネルギー収束火線砲
アーム先端中央に備える大口径ビーム砲。主武装の1つであり、対艦、対MSに高い攻撃力を発揮する。
MA-X200 ビームソード
アーム先端の上下に分かれた発生器から出力される大型の固定式エネルギー斬撃兵器。伸ばした中程で融合した刀身は全長300メートルを超す宇宙戦艦を一撃で切断する威力を持つ。 キラとアスランが行ったミーティアの動作テストでは出力を最大にしたビームソードが廃棄コロニーを1つ破壊してしまうという事故が起こっている。
耐熱シェル
『SEED MSV』に登場。派生機のミーティア改を纏った量産型MSを大気圏突入時の摩擦熱から守るために用いられるものだが、何故か大河原邦男のイラストでは問題なく単機で突入を果たせるフリーダムとのセットで描かれていた。
なお、連載誌のホビージャパン編集部では「ミーティア改が保持しているのは最初からウェポンアームで、カバーのようにシェルを被せている構造」と解釈しているが、森田繁の解説では明記されておらず、アームそのものの換装パーツなのか否かも正しい意味では不明。

対応機

劇中での活躍

機動戦士ガンダムSEED
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦において、キラ・ヤマトフリーダムがナンバー01のミーティア、アスラン・ザラジャスティスがナンバー02のミーティアとドッキングし、プラントに飛来する無数の核ミサイルへの迎撃を行い破壊する。キラとアスランの連携により、カラミティを撃破した。一斉射撃で多数のMSを戦闘不能にし、ビームソードでアガメムノン級の艦体を両断し、撃沈した。基本は対艦対拠点(要塞・基地)用の兵器であるが対MSに用いることも多かった。フリーダムの物はプロヴィデンスとの戦闘で破壊されたが、ジャスティスの物は終戦まで戦闘可能状態を保っていた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
メサイア攻防戦において、キラ・ヤマトのストライクフリーダムがナンバー07のミーティア、アスラン・ザラのインフィニットジャスティスがナンバー08のミーティアとドッキングし、月軌道にあるレクイエムの一次中継ステーション「ステーション・ワン」に押し寄せるザフト艦隊と交戦した。デスティニーレジェンドとの戦闘では、ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス共にミーティアを切り離して戦闘を行った。その後、キラ・ヤマトがメサイアに向かう際に再びストライクフリーダムとドッキングを行い使用された。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY
ユニウス条約の業務でジャンク屋がザフトから回収していた物を核エンジン搭載型に改造したミーティア。叢雲劾ブルーフレーム セカンドL(ナンバー05)とイライジャ・キールイライジャ専用ザクファントム(ナンバー06)に貸し出され、ジェネシスαでのジャンク組合本部防衛戦において使用した。

ヴェルヌ35A/MPFM 多目的飛行モジュール

「ミーティア改」の名で広く知られる Multi Purpose Flight Module=多目的飛行モジュール。ミーティアとは逆に、搭載したNジャマーキャンセラーによる核エネルギーを動力とし、在来のバッテリー動力機でも運用できるよう開発されたものである。

ジョイント部がMSに限らない世界的な共通規格に統一されているため様々なものとドッキングが可能であり、耐熱カプセル(大型でないスペースシャトル)と結合した「人員・物資輸送用タイプ」、火砲や爆弾を有する軍用機と結合した「飛行機動砲台ないし戦略重爆撃機タイプ」といった運用例もある。

本器はZGMF-600 ゲイツなどの台頭で旧式機へと引き下げられたザフト第1世代MSの延命プログラムの一種としてジンシグーなどのアップグレード兵装にも使われ、供給される大電力を糧に、MS側に様々な携行兵装としてのビーム兵器を持たせての火力の向上や、後付けのPS装甲化を施したマイナーチェンジ機に対する半永久機関の役割などに機能し、旧式機を同時代の最新鋭機に匹敵するポテンシャルまで引き上げる事に成功した。

また、MS側の腕で操作する開閉式の耐熱シェルを備えさせた状態は「惑星強襲機型」と呼ばれ、GAT-XシリーズZGMF-Xシリーズなどの高性能機でしか成し得なかったMS単独での大気圏再突入を実現可能とした。また、親機ミーティアと同一のウェポンアームを接続させることで、基本的には非武装ユニットである本器を、同様の戦術強襲機として用いることも出来る。

本器の登場で、ともすれば無用の長物となってしまう旧世代機の再利用などに関して低くないプレイバリューを証明したと評価されたが、ほどなくして施行されたユニウス条約によって解体対象とされたため、実働はゲイツのロールアウト以降からユニウス条約締結前後までという非常に短い期間で終わった。

一方、後年の『DESTINY ASTRAY』には、本器とシェル付きアームにロケット弾ポッドや多数の砲口などを加えた「ジャンク屋改造バージョン」が登場している[3]

劇中での活躍
アニメ本編では未登場。外伝シリーズではユニウス条約調印式典にかかわるエピソードなどに登場し、ジャンク屋組合にて解体待ちだった本器を持ち出したジャン・キャリー駆るM1アストレイM1Aアストレイにて使用され、ノーマル型と改造型の2種類が使い分けられた。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目


テンプレート:コズミック・イラ


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  1. 「SEED MSV 『Vol.16 ヴェルヌ35A/MPFM 多目的飛行モジュール』」。
  2. 『機動戦士ガンダムSEED MODELS VOL.2』 ホビージャパン、147頁。
  3. ときた洸一 『DESTINY ASTRAY』 第4巻、110 - 111頁。