ホンダ・ラグレイト

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ラグレイト(Lagreat)は、本田技研工業がかつて生産、販売していた上級ミニバンである。

北米ではオデッセイ(2代目)として販売され、現在もモデルチェンジを重ね生産・販売されている。なお、本項では北米仕様オデッセイについても記述する。

ラグレイト/2代目北米仕様オデッセイ RL1型(1999-2005年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 このモデルは、ホンダ・カナダで北米市場向けに生産され、現地ではオデッセイの名前で市販されているものを、クリエイティブ・ムーバーフラッグシップとして[1]日本に輸入・販売されたものである。

初代オデッセイは北米にも輸出されたが、現地では「サイズが小さい」、「エンジンが非力」という評価を受け、日本国内ほどのヒットにはならなかった[1]。そのため、2代目オデッセイからは北米向けモデルを現地生産とし、日本国内向けのオデッセイに比べ、ボディとエンジンの排気量が拡大された。

北米市場のミニバンとしてはミドルサイズではあるが、日本国内では大柄の部類に入る。このため、アメリカでは初代とは異なり大成功を収めたが、日本では全長5mを超える大きさや3.0L超の自動車税が災いし、売れ行きは低迷した。なお、一部では日本国内向け唯一のフルサイズミニバンとして、大柄な車体を生かしたスタイリングや、ゆったりとした室内空間に魅せられた固定ファンが存在する。

エンジンはJ35A型 3.5L V型6気筒 SOHC VTECを搭載し、駆動形式はFFのみであった。

このモデル以降、いすゞ・オアシスとしてのOEM供給は行われていない。


3代目北米仕様オデッセイ RL3型(2005-2010年 )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2005年にモデルチェンジを実施した。グレードは「LX」、「EX」、「EX-L」、「Touring」の4つが設定された。

ボディサイズは全幅が38mm大きくなり、重量も増加したが、全長と室内空間は先代とほとんど変わらない。ボディ設計には2005年シビックから用いているACE(Advanced Compatibility Engineering)ボディデザインを取り入れ、サイドカーテンエアバッグやスタビリティコントロールを全モデルに搭載している。後部ドアウィンドウはサンシェードが内蔵されている。3列目のマジックシートは6対4に分割するデザインに変更され収納しやすくなった。その他デュアルグローブボックスや、先代ではスペアタイヤが入っていたスペースを利用した床下の回転収納が採用された。シフトレバーの配置はコラムシフトからインパネシフトに変更された。

エンジンは255hpに向上し(SAEの新ガイドラインにより2006年モデルでは244hp SAE net)、「EX-L」と「Touring」のエンジンにはVCMが採用された。2005年モデルのEPA燃費評価は、VCM採用車が20/28mpg(City/Highway)で、VCM非搭載の「LX」、「EX」は18/26mpgである。EPAの2007年新基準では、VCM搭載車が17/24mpg、VCM非搭載車は16/23mpgとなっている。

i-VES(iN-Vehicle Entertaintment System)に変わってDVDベースの「リアエンターテイメントシステム」となった。「Touring」にはパワーテールゲートやがミシュランランフラットPAXタイヤが装備されており、パンクしても125mile(201km)を走行できる。しかし、PAXタイヤの扱いには特別な設備や訓練が必要であり、入手性や価格、耐久性の問題もあり、2008年モデルではオプション設定に変更となった。

「EX」以上には「Plus-One」と呼ばれる補助席が2列目に用意されており、取り外しができる。

2008年フェイスリフトが行われ、全モデルアクティブヘッドレスト昼間点灯、デジタルオーディオプレーヤーポートが装備された。フロントグリルはアコードに似たデザインとなり、テールランプも変更された。これまではカーナビゲーション搭載車のみだったリアビューカメラが、ナビゲーション非搭載の「EX-L」にも用意され、インナーリアビューミラー内にモニターが内蔵された。「Touring」ではBluetoothがフルサポートされた。

2008年、2009年と2年連続でアメリカでのベストセラーミニバンとなっている。アメリカのコンシューマー・レポート誌でも、アメリカで販売されるミニバンの中で最もFun-to-driveな車であるとされた。

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4代目北米仕様オデッセイ RL5型(2010年- )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2010年2月シカゴオートショーにおいて次期オデッセイコンセプトを発表し、2010年秋より2011年モデルとして発売された[2]。生産はアメリカアラバマ工場(HMA)で行われる。

オデッセイとしては初めて、一からすべてアメリカで開発を行なったことから、開発チームでは「アメリカンオデッセイ」と呼んでいる。 オデッセイのコアバリューを守りつつ、新たに室内の快適性と機能性、直感的使いやすさ、スタイリッシュで際立った外観の3つのテーマを追求したという。

ボディサイズはホイールベースこそ変わらないものの、全長5,154mm、全幅2,012mmとさらに大きくなった。スポーティーな外観とされ、全高が低くなったことでCd値も5.5%低減した。室内も広くなっており、1列目ではショルダールームが25mm増えている。

混雑した大規模駐車場にあって、100m離れていても他のミニバンやSUVと見分けが付くようなエクステリアデザインを目指し、稲妻をモチーフにしたベルトラインが採用された。

エンジンは先代に引き続きVCM仕様の3.5L J35A型を採用している。トランスミッションは上位の「ツーリング」モデルでは、北米のホンダブランドで販売される車種としては初の6速ATが採用された。

ホイールサイズは先代より1インチ拡大され17インチ、上位モデルでは18インチとなり、ディスクブレーキも前後大径化された。可変容量パワーステアリング ポンプがホンダV6モデルとしては初採用された。

1列目から2列目のウォークスルー機能は、実際の使用率は非常に低いとの調査から、「EX」以上でセンタコンソールは折りたたみ式から取り外し式に変更された。これにより中央スペースに10ft2x4スタッドも容易に積むことが可能となった。2列目シートは左右のシートがそれぞれ約38mm移動する「ワイドモード」を始めとする「3モード」デザインとなった。(「LX」以外) 3列目ではスペアタイヤをフロントシート下部に移したことにより横幅が広がり、足元スペースも25mm増加した。シートはこれまでストラップとハンドルによる折りたたみだったものを、ストラップ一つでより簡単に折り畳めるようになった。パワースライドドア搭載モデルでは、開閉機構の改善により開口寸法が拡大し、乗り降りが容易になった。

「EX-L」以上には、ダッシュボード下部にエアコン冷風を利用した20ozペットボトル4本を収納できる「クールボックス」がある。上位モデルにはその他FM traffic、12スピーカーオーディオや、HDMI端子付16.2インチリアエンターテイメントシステムなどが新たに用意された。

2012年11月30日に韓国市場での発売を開始した。

2014年モデルではモデル中盤のリフレッシュが行われた。全グレードに6速ATが標準搭載となり、燃費が向上した。 安全性についても次世代の衝突安全ボディ構造ACEを採用し、IIHSの安全性評価において、ミニバン初のTOP SAFETY PICK+を得た。

外観では黒で装飾した新デザインのヘッドライドやグリルを採用し、アルミニウムフードも新デザインとなった。リアもLEDテールライトがパイプ状に光る新デザインとなっている。サイドミラーはボディ同色となるほか、ドライバー側のミラーサイズを19%拡大し、視認性を向上させた。

インテリアもデザインのリファインが行われ、計器類のイルミネーションや照明も変更された。次世代のブルートゥース機能やPandraインターフェイスを標準搭載する。 「EX」以上ではLaneWatchブラインドスポットディスプレイ、「EX-L」以上では車線逸脱警報(LDW)、前方衝突警報(FCW)が追加される。

最上位ツーリングエリートモデルでは「HondaVAC」車載掃除機が搭載され、さらにオプションのアタッチメントとして車内で散髪が可能な「HondaHAIR」が用意される。

車名の由来

  • LAGREAT 「LA」は驚きや強調を意味し、「GREAT」は一流のもの、すばらしさを意味する。

脚注

  1. 三栄書房刊スタイルRV Vol.18 ホンダオデッセイ&ラグレイトNo.2
  2. Honda Announces Pricing for All-New 2011 Odyssey

関連項目

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外部リンク

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