ホット・スペース

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infoboxホット・スペース』(Hot Space)は、イギリスロックバンドクイーンオリジナルアルバム

解説

アルバム『ザ・ゲーム』とシングル曲「地獄へ道づれ」はアメリカでの大成功をもたらしたこともあり、クイーンは、フレディ・マーキュリージョン・ディーコンを中心に「クイーン流ブラックミュージック」をより推し進めた。マイケル・ジャクソンスリラーよりも半年ほど早く発売されたこのアルバムは、当時のクイーン・ファンからの反発があり、『ザ・ゲーム』のセールスを上回ることはなかった。

『ザ・ゲーム』でシンセサイザーを実質的に初めて導入したクイーンは、映画サウンドトラック・アルバムである『フラッシュ・ゴードン』での大々的なシンセサイザー解禁を経て、このアルバムからの第1弾シングルとして、「シンセサイザー・ベース」をフィーチャーした「ボディ・ランゲージ」を選んだ。MTVではこの曲のビデオは猥褻な内容であるとされ放送禁止になり、チャートでも振るわなかった。「ステイング・パワー」では、それまでの彼らのサウンドでは考えられなかった、生のブラスセクションも導入された。ブライアン・メイギターは本人作以外では鳴りを潜めた。

「コーリング・オール・ガールズ」はアメリカのみでシングルカットされた。ロジャー・テイラーが作曲した曲がシングルのA面になったのはこの曲が初である。

発売当初の日本版ライナーノーツシンセサイザー奏者難波弘之が執筆し、「ファンの間では賛否両論になるだろう」と記している。

また『ザ・ゲーム』のあとにリリースされた『グレイテスト・ヒッツ』に収録されていたデヴィッド・ボウイとの共作曲「アンダー・プレッシャー」がこのアルバムにも収録されている。

1980年に射殺されたジョン・レノンに捧げた、フレディ作の「ライフ・イズ・リアル」、ブライアン作の銃社会への警鐘をうたった「プット・アウト・ザ・ファイア」、スペイン語歌詞が登場する「ラス・パラブラス・デ・アモール」など従来のクイーン・サウンドに近い楽曲もあるが、そのセールスの結果から失敗作とされる評価と時代的な背景を含めての純粋な内容への再評価とに分かれている。

「ステイング・パワー」は日本だけでA面としてシングル・カットされた。雑誌「ミュージックライフ」の読者アンケートによってこの曲をシングルにすることが決まった経緯がある。

発売日

チャート

収録曲

Side A

  1. ステイング・パワー - Staying Power (Mercury) 4:10 *
  2. ダンサー - Dancer (May) 3:46
  3. バック・チャット - Back Chat (Deacon) 4:31 *
  4. ボディ・ランゲージ - Body Language (Mercury) 4:29 *
  5. アクション・ディス・デイ - Action This Day (Taylor) 3:32

Side B

  1. プット・アウト・ザ・ファイア - Put Out the Fire (May) 3:18
  2. ライフ・イズ・リアル(レノンに捧ぐ) - Life Is Real (Song For Lennon) (Mercury) 3:28
    曲調、詞ともに、タイトル通り、1980年12月8日に亡くなったジョン・レノンの作品を彷彿させるものとなっている。
  3. コーリング・オール・ガールズ - Calling All Girls (Taylor) 3:50
  4. ラス・パラブラス・デ・アモール (愛の言葉) - Las Palabras De Amor (The Words of Love) (May) 4:26
  5. クール・キャット - Cool Cat (Deacon & Mercury) 3:26
    フレディは全編ファルセットで歌っている。ジョンはスラップ奏法を試みている。また、ベースだけでなく、ギターも担当した。当初、デヴィッド・ボウイがハーモニーをつけていたが、デヴィッド自身その出来に満足ができず、このバージョンの収録は見送られた。
  6. アンダー・プレッシャー - Under Pressure [with David Bowie] (Queen & Bowie) 4:02 *

(* - 日本でのシングルカットA面)

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