プリンセスメーカー
『プリンセスメーカー』は、ガイナックスが製作・発売する育成シミュレーションゲーム。同ジャンルを確立した代表作であり、監督・キャラクターデザインを手がけた赤井孝美の代表作でもある。通称「プリメ」。
本項では後続のシリーズ作品についても解説する。
目次
歴史
- プリンセスメーカー
- 1991年5月24日、PC-9801版発売。
- 1991年12月13日、IBM-PC版発売。
- 1992年5月31日、MSX2版がマイクロキャビンより発売。ハードディスクがないため、ゲーム中は2年ごとにフロッピーディスクを入れ替える必要がある。シリーズで初めて娘の音声を収録した。担当は横山智佐。MSX2最後の傑作と言われる[1]。
- 1995年1月3日、PCエンジン版『プリンセスメーカー1』が、NECホームエレクトロニクスより発売。公式ガイドブックとドラマシングルCDが付属。
- 1997年1月31日、X68000版がニューから通販のみで限定販売された。基本的にはPC-9801版の移植であるが、版権の都合でBGMがオリジナルのものに差し替えられ、音声はPCエンジン版の横山智佐によるものが流用されている。また、システムディスクには購入者の名前とシリアルナンバーがテキストファイルに書き込まれていた。
- 2003年1月31日、ティンマシンよりiアプリ向けに配信。
- 2004年4月28日、PlayStation 2版発売。リファイン版の移植。
- 2005年4月28日、ティンマシンよりQVGA完全対応版を配信
- 2005年10月20日、PS2廉価版発売。
- プリンセスメーカー リファイン版
- 2003年3月6日、Microsoft Windows 98/XP版発売。娘の声優は鶴野恭子。
- プリンセスメーカー クラシック
- 2002年12月6日、Microsoft Windows 98/Me/XP版。
- 2004年8月6日、廉価版発売。
- プリンセスメーカー メモリアルボックス
- 2007年3月3日、Windows版シリーズ5巻セット発売。『プリンセスメーカー』はリファイン版を収録。
- 2007年9月28日、『5』の公式ガイドブック同梱版発売。
概要
ファンタジーの世界を舞台とし、魔王から王国を救った勇者が父親となって、孤児の少女を自分の娘として育て上げていくというもの。勉強、習い事、武者修行、アルバイトなど、さまざまな経験をさせていくことで性格や魅力などが成長、その育成方針でどのような娘に育っていくかが変わっていく。そして娘が18歳になった時にプリンセスを始めとする様々な将来が待っている。
制作期間中は「マイ・フェア・チャイルド」というタイトルだった[2]。パッケージイラストは、アルフォンス・ミュシャを参考にしている。
脱衣ゲーム(第1世代)、アドベンチャーゲーム(第2世代)と技術を蓄積してきたガイナックスのゲーム部門が、「もっとコンピュータゲームでしかできないようなことをやろう」という目標で第3世代作品として制作したのが本作である[3]。岡田斗司夫の「女の一生をゲームにできないか」という希望と赤井の「『信長の野望』の部下を教練する部分だけでゲームを作りたい」という希望が組み合わさった結果、「女の子を育てるゲーム」というアイデアが生まれた。
シリーズ作品
プリンセスメーカー2
1993年6月15日にPC-9801版が発売された。神様から預かった天界の少女を育てていく。FD12枚組という、当時としては大容量のソフトだった。アドバイス役として執事のキューブが登場する。グラフィック面も前作より改良が加えられた。その他にも大地主の中年男の妾になる、悪行が過ぎて牢屋に入れられる、お尋ね者との戦いに負けた時に襲われるなどの、ダーティーな一面も見られた。
- PC/AT、PCエンジンの各版、一部CGを描き直したFM TOWNS、Macintosh、Windows、セガサターン、3DO、ドリームキャストの各版と、さらにCGをリマスターしたリファイン版がWindows、PlayStation 2の各版で、またi-mode版・EZアプリ (BREW)版(どちらもティンマシンによる配信)、韓国ではGP32版も発売された。
- 前作と同様、ドラゴンクエストのようなマップ移動と戦闘シーン、そして2D対戦型格闘ゲームのような戦闘シーンがある。
- 娘の声優は、FM TOWNS、Macintosh、Windows、ドリームキャスト版は笠原弘子、PCエンジン、セガサターン、3DO版は久川綾、PlayStation 2、リファイン版は西村ちなみである。
プリンセスメーカー 〜Legend of Another World〜
1995年12月15日にタカラより発売のスーパーファミコン用。基本的に『プリンセスメーカー2』のリメイクであるが、内容はスーパーファミコン版のみの独自のものとなっている。赤井孝美がキャラクターデザインを担当した以外はタカラ側のスタッフが制作しているため、公式なシリーズには含まれていない。
プリンセスメーカー ゆめみる妖精
1997年1月24日にソニー・コンピュータエンタテインメントよりPlayStation版が発売された。通称「プリゆめ」。妖精の女王から託された妖精の女の子を育てていく。番号は付いていないが、実質的に第3作として扱われている。アドバイス役として妖精ウズが登場する。父親の職業が選択可能になった。娘の声優に野上ゆかな。
- Windows、セガサターン、ドリームキャストの各版も発売された。なお、ワンダースワン版も計画されていたが開発中止となった。
プリンセスメーカー ポケット大作戦
1998年8月13日にナインライブスよりPlayStation版が発売された。『1』、『2』、『プリゆめ』の娘がプリンセスを目指してライバルとパズルで戦う、対戦型の落ち物パズルゲーム。OPムービーとして、プリメシリーズ初のオフィシャルセルアニメが導入された。
- Windows版も発売された。
プリンセスメーカー ゴー!ゴー!プリンセス
1999年1月21日にナインライブスよりPlayStation版が発売された。『1』、『2』、『プリゆめ』、スーパーファミコン版の娘がコマとなる双六型の対戦ボードゲーム。
- Windows版も発売された。
プリンセスメーカーQ
2001年2月7日にナインライブスよりWindows / Macintosh両対応版が発売された。天界、魔界、妖精界、星幽界、人間界の5つの世界を一人の少女が巡るクイズアドベンチャーゲーム。プリンセスメーカー4の娘が養父の所に来る前を描くプロローグとなるはずであった作品。
プリンセスメーカー4
2005年9月1日にジェネックスより発売された。PlayStation 2用。当初は現代日本を舞台とした第4作の発売が告知され、プロローグ版としてQが発売されたが、企画が変更になり、それまでどおりファンタジー世界を舞台とした作品が『4』として発売となった。企画変更の際にキャラクターデザインも天広直人に変更となった。娘の声優は水樹奈々、キューブの声優はサエキトモ。
- Windows版、PlayStation Portable版、ニンテンドーDS版も発売された。また、Y!ケータイ(メガアプリ・256kアプリ)版、EZアプリ (BREW)版(タイトーが配信)も発売された。
プリンセスメーカー5
サイバーフロントよりWindows版は2007年3月3日発売、PlayStation 2版は2008年2月7日発売、PSP版は2008年9月25日発売。ガイナックス開発、総監督・キャラクターデザインを赤井孝美が担当した。
アドバイス役として執事のキューブが登場する。プリンセス候補のたった一人の生き残りを育てて行く。娘の声優は佐藤利奈、キューブの声優は岡村明美。シリーズ初、父親としてだけではなく、母親としてのプレイも可能となった。
- Windows版の発売と共に、『初代』・『2』(ここまでリファイン版)・『ゆめみる妖精』・『4』までと『5』の全作品をWindows2000 / XP / Vistaにフル対応させた『プリンセスメーカーメモリアルボックス』も同時発売された。[1]
- PSP版の発売日には、『4』と『5』をセットにした『プリンセスメーカー ポータブルパック』も同時発売された。[2]
関連項目
脚注
- ↑ 『電撃G'sエンジン』1997年3月号、メディアワークス、p.108
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