フレンチ・コネクション

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フレンチ・コネクション』(The French Connection)は、1971年製作のアメリカ映画。原作はロビン・ムーアによる同名のノンフィクション小説。第44回アカデミー賞に8部門でノミネートされ、作品賞監督賞主演男優賞脚色賞編集賞の5部門を受賞した。

概要

実在のニューヨーク市警察本部薬物対策課のエドワード・イーガンとサルヴァトーレ・グロッソがフランスから密輸された麻薬約40kgを押収した事件がモデルとなっている。なおこの2名の刑事はアドバイザーとして制作に協力している。

同じ刑事アクション映画『ブリット』のプロデューサー、フィリップ・ダントーニが製作した。ところで、ニューヨーク地下鉄には地上を走る区間もあるのだが、地上を走る区間の中には、道路の上に作られた高架線(道路を高架橋で越えるのではなく、道路の上を道路と同じ方向に高架で路線が建設されている場所)も存在する [1] 。 これを利用して、地下鉄で逃亡する犯人を、刑事が直下の道路を使って自動車で追跡するシーンが作中で見られる [1] 。 このシーンは現在でもこの映画の愛好者の間では語り草になっている。なお、1975年には、ジョン・フランケンハイマー監督によって続編の『フレンチ・コネクション2』が制作された。

あらすじ

ニューヨーク市警察本部薬物対策課で“ポパイ”とアダ名されるドイル部長刑事。彼は薬物捜査の辣腕だが、捜査のためならば強引な手法も厭わない。

麻薬の売人を逮捕したある夜、ドイルは相棒のラソーと共にナイトクラブに飲みに出かける。そこには有力マフィアの組長たちが妻同伴で来店していた。その際、組長夫妻たちと共にテーブルを囲み、札びらを切っている若い夫婦がいた。不審に思ったドイルとラソーは、その夫婦を捜査する。

夫婦は、表向きはブルックリンデリカテッセンを営んでいるが、夫のサル・ボガは強盗事件などで何度か捜査対象になるなど、犯罪やマフィアに近いところにいた。工員、郵便配達人などに偽変しながら夫婦を視察下に置くドイルとラソー。すると、夫のサル・ボガがニューヨークの麻薬取引の元締めで大物マフィア・ワインストックの舎弟であることが判明した。また、サル・ボガは近いうちにフランスとのヘロインの大口取引を任されるという。

財務省麻薬取締部の捜査官たちと捜査を進めると、“フレンチ・コネクション”と呼ばれるマルセイユの黒幕・シャルニエがニューヨークを訪れていることが判明する。シャルニエを執拗に追及するドイル。シャルニエはこれ以上追及の手が迫ることを恐れ、殺し屋・ニコリをドイルのもとへ差し向ける。

スタッフ

キャスト

日本語吹替

役名 フジテレビ・DVD版[2] LD版
ドイル 小池朝雄 内海賢二
ラソー 羽佐間道夫
シャルニエ 大平透 大木民夫
ニコリ 渡部猛 筈見純
サル 山田康雄 青野武
デブロー 柴田秀勝 池田勝
クライン 村瀬正彦 村松康雄
シモンソン 島宇志夫 村越伊知郎
アンジー 塚田恵美子 高島雅羅


受賞 ・ノミネート

受賞 人物
作品賞 フィリップ・ダントーニ
監督賞 ウィリアム・フリードキン
主演男優賞 ジーン・ハックマン
脚色賞 アーネスト・タイディマン
編集賞 ジェリー・グリーンバーグ
ノミネート
助演男優賞 ロイ・シャイダー
撮影賞 オーウェン・ロイズマン
録音賞 セオドア・ソダーバーグ
クリストファー・ニューマン

その他

  • イーガンとグロッソはポパイの上司役としてカメオ出演もしている。
  • グロッソは、ポパイが丸腰の相手を背中から撃つシーンに抗議し、途中でアドバイザーを降りている。
  • この映画の名称を取った、フレンチ・コネクションというカクテルが存在する。
  • 冒頭のナイトクラブ内のシーンでは、ブレイク前のスリー・ディグリーズ(The Three Degrees)が登場し歌を唄う場面がある。

脚注

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外部リンク

テンプレート:ウィリアム・フリードキン テンプレート:アカデミー賞作品賞 1961-1980

テンプレート:ゴールデングローブ賞 作品賞 (ドラマ部門) 1961-1980
  1. 1.0 1.1 谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.211 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
  2. DVD版の日本語吹替はテレビ放送当時のものをそのまま使用しているため、尺の都合上カットされた部分には音源が無く一部字幕となっている。