20世紀フォックス

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テンプレート:Infobox 20世紀フォックス(にじっせいきフォックス、正式名称: Twentieth Century Fox Film Corporation、トゥエンティエス・センチュリー・フォックス・フィルム・コーポレーション、20th Century Fox)は、アメリカロサンゼルスを拠点とする映画会社映画スタジオルパート・マードック率いる21世紀フォックス21st Century Fox)の傘下である。フォックスFOX)と略される。

沿革

1934年12月28日フォックス・フィルム1915年ウィリアム・フォックスにより設立)と20世紀映画1933年ダリル・F・ザナックにより設立)が合併し、20世紀フォックス映画として設立される。戦前はシャーリー・テンプル主演作やジョン・フォード監督、戦後はマリリン・モンロー映画により知られる。

1940年代から1950年代にかけては『イヴの総て』『わが谷は緑なりき』『紳士協定』といったドラマ・社会派作品を製作した。

1950年代以降は、ロジャース&ハマースタインブロードウェイミュージカルの映画化に取り組み、世界的に有名な『王様と私』『サウンド・オブ・ミュージック』を制作。他にも舞台の演出をそのまま映画に取り込んだ『南太平洋』や『オクラホマ!』などがある。

1953年には、ワイドスクリーンのひとつ「シネマスコープ」を開発。これは当時普及してきたテレビに対抗するもので、大画面で楽しむという映画の醍醐味をあらためて認識させるものとなり、同年の史劇『聖衣』がその第一作となった。以来ハリウッド映画をはじめとする大作映画はほとんどシネマスコープで撮影されている。

しかし、巨額な製作費をつぎ込んで1962年に製作した『クレオパトラ』は興行的に大失敗に終わり、スタジオは倒産の危機に陥る。そこへ20世紀映画の創始者だった、ダリル・F・ザナックが経営陣に戻り、1965年に公開され空前の大ヒットとなりアカデミー作品賞を受賞した『サウンド・オブ・ミュージック』、1968年に第1作が公開され以降シリーズ化された『猿の惑星』を筆頭に、スタジオの経営は徐々に軌道に戻った。以来SF作品とシリーズ作品が好調。1977年からの『スター・ウォーズ』シリーズは同社の代表作のひとつ。そのほか『エイリアン』シリーズ、『ダイ・ハード』シリーズといった人気シリーズを製作してゆく。

1997年には『タイタニック』をパラマウント映画と共同製作し、アカデミー賞11部門受賞の快挙を成し遂げた。

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ロサンゼルス・センチュリーシティにある本社ビル、フォックス・プラザ。映画『ダイ・ハード』の舞台でもある。

2001年より21世紀になったものの、社名は変更されていない[注 1]2013年4月、親会社のニューズ・コーポレーションエンターテインメント部門を独立させ、新会社「21世紀フォックス」を設立することを発表[1][2]、同年6月末には分社化を完了して20世紀フォックスは21世紀フォックスの傘下となった[3][4][5]

次世代DVD規格争いにおいては、ソニーピクチャーズディズニーと並んでBlu-ray Discのみを強力に支持していた。

主な映画

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ファンファーレ

20世紀フォックスの映画といえば、「20世紀フォックス」のロゴと共に冒頭で流れる、スネアドラムの軽快な刻みから始まる華やかなファンファーレが有名である。この曲は、1935年当時、同社の音楽部長だったアルフレッド・ニューマン(1901年 - 1970年)により作曲された、わずか9小節という短い曲で、もともとはニュース映画の冒頭に流す事が主目的だった。ニュース映画の時代ではなくなったものの、映画の本編が始まる前の臨場感を高めるメロディとして、今なお同社の映画には欠かせぬ存在となっており、他の映画会社には見られない、インパクトあるスポットとして広く知られている。

しかし、20世紀フォックスが音楽著作権をワーナー・ミュージック・グループに売却した中にこの曲も入っており、一時期はこの曲が映画に使われる度にワーナー傘下の音楽出版社(ワーナー・チャペル)に使用料を支払うという事態となっていた(現在は20世紀フォックスが買い戻している)[1]。また、一時期このファンファーレが流れず、オープニングロゴが無音のまま映し出されることもあった。

日本においても、古くは漫画トリオがこのファンファーレをモチーフにした「パンパカパーン~パンパンパンパンパカパーンー今週のハイライトー」というギャグを展開していた他、現在では野球場(特に西武ドーム)で試合開始の合図に流したり、演奏会の際、本演奏の前にトップでこのファンファーレを演奏する所もある等、多岐に使用される様になった。

オープニングロゴ

  • 「20世紀フォックス」の文字を立体的に象ったロゴ。以前はサーチライト部分のみが動く平面アニメーションだったが、現在は上方から視点が回り込む3次元コンピュータグラフィックスアニメーションになっている。なお、2010年度公開作品では創業75周年を記念して、フォックスロゴの上部に 「CEREBRATING 75 YEARS」と描かれている。
    • スター・ウォーズ』新三部作では旧作との統一のため回りこむシーンではなく平面アニメーションである。また後半はルーカスフィルムのロゴが表示される(旧三部作の公開当時は緑の文字の表示であったが、新三部作と旧三部作の特別編編集時にはロゴに統一されている)。
  • 作品によっては遊び心を加えた仕掛けを組み込むことがある。
    • キャノンボール』では、ファンファーレが中断。赤いスポーツカーがロゴを登っていくが、追ってきた来たパトカーは見事にすべてのサーチライトに激突してしまう。
    • 1990年クリスマス映画二本立てとして公開された『シザーハンズ』と『ホーム・アローン』では、ロゴに雪が降っている。
    • X-メン』シリーズのオープニングロゴでは『フォックス』の『X』の部分だけが暗転時にうっすらと残る。
    • ムーラン・ルージュ』では、オーケストラがファンファーレを演奏するシーンとなっている。
    • デイ・アフター・トゥモロー』では、画面全体が寒々しい蒼白になっており、空は曇って雷鳴が響いている。
    • ダイ・ハード4.0』では、最後の部分でハッキングされたかのように画面が乱れ、サーチライトが消えてしまう。
  • オープニングロゴは色々なパロディとして使われることがある。

日本法人

映画部門では配給や製作を行う「20世紀フォックス映画」と、DVDなどの発売を担当する「20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン株式会社」を展開している。形式上はハンガリー法人の子会社扱いとなっている。 2010年前後はローカルプロダクションの流れにのって『群青 愛が沈んだ海の色』『サイドウェイズ』『パラダイス・キス』『はやぶさ/HAYABUSA』『カラスの親指』などの邦画を製作した(『群青』は配給のみ担当、『パラダイス・キス』はワーナー・ブラザース映画が配給を担当)。

なお日本法人は20世紀フォックス以外に、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)やユナイテッド・アーティスツ(UA)作品についても日本における配給権を持っている[注 2]

関連項目

脚注

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注釈

  1. 声優の肝付兼太が主宰する「劇団21世紀FOX」は同社のパロディであり、肝付は21世紀になった時に20世紀FOXが改名して、そのために劇団に多額のお金が入るのではないかと目論んでいたようである(Webラジオより)。またイギリスの歌手、サマンサ・フォックスも『21st Century Fox』というタイトルのアルバムを発表している。
  2. 2000年ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ(UIP)から権利を承継。一部作品はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (日本)が配給・ソフト販売を行っているものもある(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー#現在も参照)。

出典

  1. 新会社「21世紀フォックス」が誕生!「20世紀フォックス」は存続(シネマトゥデイ 2013年4月17日)
  2. 米ニューズ、TV・映画部門名「21世紀フォックス」に(日経新聞 2013年4月17日)
  3. ニューズ・コーポレーション分社化が完了、21世紀フォックスが誕生(映画.com 2013年7月3日)
  4. 「21世紀フォックス」株取引開始、一時2.6%高(ロイターニュース 2013年7月2日)
  5. 米ニューズ:事業分割前の最終年度は黒字転換(Bloomberg 2013年9月23日更新)

外部リンク

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