フォード・エクスプローラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

エクスプローラーExplorer )はフォード・モーター米国で生産しているSUV。本国アメリカではSUV売り上げ14年間連続ナンバーワンセールス記録を誇る。派生車種であるフォード・エクスプローラースポーツトラックについても本項で解説する。

歴史

初代(1990年 - 1994年)

ファイル:1st-Explorer-2.jpg
初代エクスプローラー

1990年フォード・ブロンコIIの後継車として登場。3,959ccV6OHVエンジンを搭載した強靭なラダーフレームを持つSUVであり、4WDシステムはパートタイム方式を採用。ブロンコIIを継承した2ドアモデルとホイールベースを延長した4ドアモデルが発売された。

日本へは1991年より2ドアモデルの「sport」と4ドアモデルの「XL」「エディー・バウアー」の3グレードが導入された。翌年には「XL」の輸入が廃止され、1993年モデルでは4ドアの「XL-T」が導入された。 テンプレート:-

2代目(1994年 - 2001年)

ファイル:Explorer.jpg
2代目エクスプローラー

1994年それまでの角張ったフロントマスクから当時フォードが推し進めていたオーバルデザインコンセプトに基づき、空力的にもデザイン的にもあか抜けたものに変更された。ただし、ドアパネルなど一部は初代と共通である。また同時にフロントアクスルが従来のツイントラクションビーム+コイルスプリングからダブルウィッシュボーン+トーションバースプリングに変更された。4WDシステムはコントロールトラックAWDが採用された。1996年では一部グレードに4,009ccV6SOHCエンジンが搭載された。グレードはリミテッド/エディバウアー/XLT/XL。

日本へは継続して輸入されたが1996年から4ドアモデルは右ハンドル化された。これはプローブに続く北米フォード車としては2台目の右ハンドルモデルである。また2ドアショートモデルは1994年からエクスプローラー・エクスペディションという名称で日本へ輸入されていたが2ドアモデルゆえの使い勝手の悪さや、この頃流行したキャンパーキットを搭載して8ナンバー(特種用途車)に改造するのに車内寸法が足りない等の理由で売れ行きが芳しくなかったため1997年モデルで輸入が停止された。エクスペディションという名称が付いているが上級車種のエクスペディションとは関係ない。3ドアショートは左ハンドル仕様のみであった。また1997年には姉妹車のマーキュリー・マウンテニアが登場した。2001年モデルで、4ドアモデルをベースに、荷室から屋根を取り払ったピックアップトラック型の派生モデル、エクスプローラースポーツトラックが登場した。リミテッドグレードは1997年まで販売された。

北米モデルはサイドミラーの折りたたみが手動であったが、日本仕様では電動格納ミラーを装備。日産シーマのミラーを使用している(外観が酷似)との噂もあった。日本同様左側通行の英国および豪州モデルのサイドミラーは北米モデルと同形状である。

1998年モデルでは、リヤゲート・リヤランプ・リヤバンパーの形状が変更された。1999年モデルより、フロントバンパー・オーバーフェンダーの形状が変更され、下位グレードXL−スポーツがラインアップに加わった。1999年式エディバウアーは、ランニングボード(サイドステップ)左右両端にアプローチランプが装備された(翌年モデルでは撤去)。2001年モデルでは、限定車のブラックエディバウアーが発売された。

リコール問題

2000年、標準装着されていたファイアストンタイヤリコール訴訟問題が発生。米国高速道路交通安全局がフォード及びファイアストンに対し、タイヤの破裂によるエクスプローラーの事故発生率が高いことを指摘した。調査の結果、フォードはタイヤのリコール・無料交換プログラムの実施、ファイアストンは問題となったタイヤの自主回収を実施し大問題となった。その後、責任の所在について両社は泥仕合を展開することになる。

しかし2005年10月に、ファイアストンが実施したタイヤ自主回収、およびフォードが行ったタイヤ交換プログラムに関連する費用精算を含む事項などで、ファイアストンとフォードの間で和解が成立した。これによりファイアストンはフォードに対し2億4,000万ドルを支払うことになった。 テンプレート:-

3代目(2001年 - 2010年)

ファイル:2005 and 2006 Ford Explorer.jpg
3代目エクスプローラー(前期2005年型・後期2006年型)

キープコンセプトで登場した3代目は4輪独立懸架サスペンションの採用、4.6LV8SOHCエンジン(リンカーン、マーキュリーにも搭載されるいわゆるモジュラーエンジン)搭載モデルの登場など、大きく商品力アップがなされた。4WDシステムは先代と同じくコントロールトラックAWDを採用。また4輪独立サスおよび1,000項目以上にもおよぶNVH対策が施されたシャシーはSUVとしてはトップクラスの静粛性や走行性能を誇る。

日本へは2001年より4.6L V8SOHCエンジン搭載のエディー・バウアーと4リッターV6エンジン搭載のXLTが輸入開始。当初より右ハンドルモデルであるが、2005年2月に特別仕様車として200台限定で左ハンドルモデルが販売されている。

2005年秋に2006年モデルとしてビッグマイナーチェンジが行なわれ、大幅なフェイスリフトが実施された。これを4代目と解釈する場合もある。メッキを多用した外観やエディー・バウアーには6速ATが採用されるなど、さらに商品力のアップに磨きをかけている。また、同時にオーストラリアへの輸出が中止され、右ハンドル仕様の生産も終了した。そのため日本仕様も左ハンドルのみとなった。また同時に、ピックアップトラックのエクスプローラースポーツトラックも、3代目エクスプローラーをベースにした、2代目にバトンタッチした。

2010年5月11日、アメリカンなイメージをテーマとした特別仕様車「XLT ADVENTURE AMERICA(アドベンチャー・アメリカ)」を設定。最量販機種「XLT」をベースに、外板色にアメリカの国旗“Stars and Stripes”をイメージしたレッド、ブルー、ホワイトの3色をラインアップ。内装色は全車ともブラックを採用した。 またウインカー内蔵クロームドアミラーカバーやスポーツテールエンドパイプ、シルバープレート付きスプラッシュガード、さらにサイドガーニッシュを装備するなどシルバーのアクセサリーを装着しアメリカンなイメージを強調させている。 価格はベースモデルに対し据え置き。430万円で限定50台。

2004年頃、ドラマ「冬のソナタ」で主人公のイ・ミニョン(ペ・ヨンジュン)の愛車として登場したことを発端として白のエクスプローラーに関する問い合わせが殺到した時期があった。[1] テンプレート:-


4代目(2010年 -)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2010年7月にフルモデルチェンジを行い、4代目に移行。このモデルではこれまでのモデルから大胆な転換が行われ、トーラスをベースとしたFFならびにFFベースの4WDに変更された。エンジンも大幅に見直され、V6・3.5Lに加え直噴可変バルブ機構ターボチャージャーを組み合わせた「エコブースト」エンジンの直列4気筒2.0L版を搭載する[2]ほか、トラックベースのシャーシに代わってユニボディ構造を採用するなどの変更によって現行モデル比で25%の大幅な燃費向上を図るとしている[2]。また、新しいテレイン・マネージメント・システムも導入される。これはランドローバーのテレイン・レスポンスとよく似たもので、ダイヤル式のスイッチで5種類の路面状況(ノーマル、雪道、砂地、泥、岩場)に応じて車両のセッティングを最適化する[3]

2011年に発売されるポリスインターセプター・ユーティリティーは、エクスプローラーがベースとなる。エンジンはV6の自然吸気に6速オートマチックを組み合わせ、駆動方式は前輪駆動と四輪駆動が選べる。

日本国内ではV6・3.5Lの2グレードの導入を2011年5月に発表、9月より輸入が開始される。翌2012年からはエコブーストも導入。 テンプレート:-

スポーツトラック

フォード・エクスプローラースポーツトラックFord Explorer Sport Trac )はアメリカ自動車メーカーフォードが製造、販売するミッドサイズピックアップトラックである。

歴史

初代(2001年 - 2005年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 スポーツユーティリティトラック(SUT)という新しいタイプの車として登場した。このSUTは、キャビンとヘッドが一体化されていて、後部座席まではSUV、それより後は屋根がなくピックアップトラックという形である。すなわち、SUVピックアップトラックが融合したものである。その後、このSUTで、GMシボレー・アバランチキャデラック・エスカレードEXTを作り、ホンダリッジラインを作っている。2001年モデルで登場した初代は、2代目エクスプローラーをベースに、後部座席より後ろの屋根を取り払ったような形をしている。日本では非常に大きい部類に入るが、アメリカでは比較的コンパクトなピックアップトラックである。 テンプレート:-

2代目(2006年 - )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2006年モデルで2代目になり、3代目エクスプローラーがベースとなった。リアは11代目フォード・F-150のフレアーサイド仕様を思わせるようなスタイルになっている。この2代目からは、日本にも正規輸入(ただし左ハンドルのみ)されている。 2010年5月11日、アメリカンなイメージをテーマとした特別仕様車「XLT ADVENTURE AMERICA(アドベンチャー・アメリカ)」を設定。最量販機種「XLT」をベースに、外板色にアメリカの国旗“Stars and Stripes”をイメージしたレッド、ブルー、ホワイトの3色をラインアップ。内装色は全車ともブラックを採用した。 またウインカー内蔵クロームドアミラーカバーやスポーツテールエンドパイプ、シルバープレート付きスプラッシュガードなど、シルバーのアクセサリーを装着しアメリカンなイメージを強調させている。 価格はベースモデルに対し据え置き。398万円で限定30台となる。 現在は販売を終了した。 テンプレート:-

関連項目

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:Sister

テンプレート:Car-stub テンプレート:フォード車種年表

テンプレート:自動車
  1. 『冬のソナタ』効果、白のエクスプローラーに大ヒットの予感(Response、2004年7月23日)
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite web