ニホントカゲ

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ニホントカゲ(日本蜥蜴、日本石竜子、Plestiodon japonicus)は、動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目トカゲ科トカゲ属に分類されるトカゲ。本州西部から大隅諸島にかけての西日本に分布し、東日本やロシア極東には姉妹種ヒガシニホントカゲが、伊豆半島から伊豆諸島にかけては近縁のオカダトカゲが分布する。これら3種は相互に外見がそっくりなため長年にわたって単一種として扱われてきたが分子系統解析などの手法により分類されるようになった。種小名japonicusは「日本の」の意。 ニホンカナヘビと並び、日本列島本土では身近に見られるトカゲである。

分布

正確には若狭湾から琵琶湖を通り三重県内で中央構造線沿いに西走して和歌山県に抜けるライン以西[1]

従来ニホントカゲに含まれていた東日本(分布境界線は上記参照)とロシア沿海地方に分布するものは、形態とミトコンドリアDNAの分子系統解析結果から別種と判断され、2012年に新種ヒガシニホントカゲ P. finitimus Okamoto & Hikida, 2012 の名で記載された[2][1]

また、伊豆半島伊豆諸島にはやはり良く似たオカダトカゲが分布するが、八丈島には九州方面からの移入個体群が定着しており、在来種のオカダトカゲとの競合もしくは交雑が懸念されている[3]

形態

ファイル:Plestiodon japonicus DSCN2198 1080.JPG
婚姻色が出たオスの頭部

全長15-27cm。胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数(体列鱗数)は26。 - 幼体は体色が黒や暗褐色で5本の明色の縦縞が入る。尾は青い。オスの成体は褐色で、体側面に茶褐色の太い縦縞が入る。繁殖期のオスは側頭部から喉、腹部が赤みを帯びる。メスは幼体の色彩を残したまま成熟することが多い。

生態

草原や山地にある日当たりの良い斜面等に生息する。冬季になると日当たりの良い斜面の地中や石垣等で冬眠する。

食性は動物食で、昆虫類クモ甲殻類ミミズ等を食べるが、果実を食べることもある。天敵はネコイタチアナグマヘビモズなどの肉食動物である。

天敵に襲われそうになった場合、尾を自切することがある。切り離された尾はしばらく動き回ることで外敵の注意を引く働きをする。切断面は筋肉が収縮し出血も抑えられる。再生した尾(再生尾)は外観から見ても体色が異なっていたり、元の尾よりも長さが短くなることが多い。また再生尾は中に骨はなく、代わりに軟骨により支えられている。

繁殖形態は卵生。繁殖期になるとオスは互いの頭部を差し出しては相手が噛みつくという行為を交互に行い争う。この争いは儀式的なもので相手の頭部を噛み砕いたりすることは無く、相手の大きさや力を測っていると考えられている。4-5月に交尾をし、5-6月に石や倒木等の下に掘った巣穴に1回に5-16個の卵を産む。母親は卵が孵化するまで保護する。オスは生後2年、メスは生後2-3年で性成熟する。


参考文献

  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、318頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館2004年、100頁。

出典

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関連項目

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