テム・レイ

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テンプレート:Pathnav テム・レイTem Ray)は、テレビアニメ機動戦士ガンダム』に登場する架空の人物。初回のテレビ放映では「ティム・レイ」と表記されていた。

担当声優清川元夢

人物

本編の主人公アムロ・レイの父親で、妻はカマリア・レイ地球連邦軍の技術士官であり、階級は大尉(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では民間人)。V作戦の中心人物であったとされ、モビルスーツ(MS)ガンダムの設計にも大きく関わっている。テレビ版の登場話数:第1話・33話・34話。

アムロとの関係
ホワイトベースの私室の机の上にアムロの写真を置いていたり、ジオンにアムロと同年代の少年兵がいることを気にしているなど、息子への愛情は持っていたようである。アムロによれば「(息子を)一度もぶったことがない」。ガンダムの設計を見て「親父が熱中するわけだ」と素直に納得する辺り、内向的で物事にのめり込みやすい似た者親子といえる。サイド6での再会時に、当初素直に生存を喜んでいたアムロの態度には、何かしら父親に期待するところのある、平凡な親子関係が垣間見える。
妻との関係
妻のカマリアとの関係は冷え切っており、宇宙生活を始める際に、それに馴染めないと訴え地球に残ろうとする彼女を引っ張ってゆく素振りも見せなかった。またサイド7に技師として赴任する際に、宇宙を経験させたいという意向でアムロを連れていく描写がある。
アナハイムの開発責任者
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ミノフスキー物理学の開祖でジオンMSの生みの親であるミノフスキー博士の直弟子として登場。民間企業アナハイム・エレクトロニクス社のMS開発部長としてガンキャノンの開発責任者を務めている。テム・レイ自身はその出来に満足しておらず、巨大な工場設備があればより凄いものが造れると心の叫びを上げるなど人間的な一面が描かれている。また、ミノフスキー博士を尊敬しつつも対抗意識をもっており、博士の死を利用してガンダム開発プランを提示し、開発に着手することが「開戦編」「ルウム編」で描かれた。

劇中での活躍

テレビ版第1話(および劇場版『機動戦士ガンダム』序盤)にて、ホワイトベースに乗艦する技術士官として登場。サイド7に入港後、そこで極秘に建造されていたガンダムなどのMSをホワイトベースに積み込む任務に当たるが、ジオン公国軍シャア・アズナブル少佐の率いるモビルスーツ部隊が奇襲をかけてきたため、サイド7の避難民よりもガンダムを優先してホワイトベースに移送させようとする。しかし、アムロによって偶然起動されたガンダムがジーンザクを撃破した爆発に巻き込まれ、宇宙服はあらかじめ着用していたもののスペースコロニーに開いた穴から宇宙へ投げ出される。

その後はサイド6に流れ着いたらしく、ホワイトベースがサイド6に寄港する第33話(および劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』中盤)にて偶然アムロと再会する。しかし、酸素欠乏症の後遺症を患っており、以前の精悍さはなくなっていた。アムロに自作したガンダム用の回路部品を手渡しているが、時代遅れの古い型式であり、アムロは変わり果てた父親の姿に落胆し「こんなもの!」と言って投げ捨てている。

その後、再度アムロと再会した際に、回路の効果を尋ねて、その成果(アムロの嘘)を聞いて、大喜びで研究に没頭。アムロ自身に対しては、早く任務に戻るように冷たくあたる。その態度にアムロはさらに落胆を深める。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではそこまで冷淡ではないが、逆に研究への没頭がより狂気じみて描かれる。

劇場版では、ガンダムが大活躍している様子をテレビで見てはしゃぎ、外に飛び出したところで階段を踏み外し、転げ落ちるシーンが追加された。富野由悠季の小説『密会〜アムロとララァ』では、この時テム・レイは死亡したと記述されている。また『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でも、階段から落ちた際に後頭部を強打した描写がある。

テム・レイの回路

サイド6にてアムロに手渡されたガンダム用の回路部品は、漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』では、テム・レイが過去に製作した自慢の発明品としている。これは本編でのアムロが回路をテムから託された際にすぐ「古いモノ」だと理解できた理由付けとなっている。漫画内では後にアムロによってハロの学習回路として利用された。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』においては、筐体から出ているコードが明らかに引きちぎられており、単なる「古いモノ」であるばかりか、全く何の役にも立たない故障した回路である事が、強調される描写になっている。

スーパーロボット大戦シリーズ」などのゲーム作品では、この回路をモチーフにしたアイテムが登場する。「機体の性能が低下する」「機体の性能が予測できない変化を起こす」など、装備すると何かしらリスクを伴うことが多い。

USBハブ
現実においても、2007年秋にバンプレストコンビニエンスストアを中心に販売したスピードくじ「一番くじ」のシリーズ商品「機動戦士ガンダム 脱戦士編」の景品のひとつとして、テム・レイの回路の外観を再現したUSBハブが「こんなものHUB賞」として登場。性能もわざと一昔前の規格であるUSB1.1専用にしてあるという、こだわりの一品である。

他作品での出演

SDガンダム スカッドハンマーズ
ガンダムおよびガンダムハンマーの開発者としてホワイトベースのクルーとなり、息子のアムロをパイロットにさせ、ガンダムハンマーのみでジオン軍と立ち向かわせている。ビームライフルやビームサーベルなども開発段階では存在していたが、テム・レイにより廃案となった。ちなみにゲーム内では「親父の閃き」というシステムがあり、νガンダムの武装である「フィンファンネル」を開発することがある。
ガンダム伝説第1話 RX-78 誕生秘話
RX-78ガンダムのテストパイロットにジオン軍の捕虜だったアルガを起用しガンダム開発をおこなう姿が描かれている。敵捕虜にV作戦へ関与させることに対し上層部が懸念する中、ただ一人MS開発に携わる同志として彼を信頼していた。なお、開発にあたり通常のMSよりも小型のRX-78の雛形も製作している。
機動戦士ガンダム0080 消えたガンダムNT
酸素欠乏症は偽りで、秘かに次世代MSの開発に携わっている様子が描かれている。アムロに対しては戦士としての甘さが残っているため、健常者であることはあえて告げなかった。また、アムロに渡した回路部品もスパイ対策用のダミーであった。ただし、この作品はパラレル要素が強く公式設定という訳ではない。
機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V
酸素欠乏症から回復したテム・レイが連邦、ジオンを問わず、全勢力の技術者に協力を呼びかけて一軍を成し、地球圏の統一を図るという架空シナリオが存在する。

関連項目

テンプレート:宇宙世紀