タイマイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:生物分類表

タイマイ(玳瑁[1]、瑇瑁[1]テンプレート:Snamei)は、ウミガメ科タイマイ属に分類されるカメ。本種のみでタイマイ属を構成する。

分布

インド洋大西洋太平洋[2][a 1]

主要な繁殖地としてインドネシアセーシェルモルディブ西インド諸島などがある[2]日本は最北の繁殖地で[3]石垣島黒島などで少数産卵する[a 1]

形態

甲長53-114センチメートル[3]。体重30-70キログラム[2]椎甲板肋甲板の後部が、その後ろにある甲板の前部と重なる[2][3][a 1]。肋甲板は左右に4枚ずつ[a 1]縁甲板の後縁は鋸状に尖る[2][a 1]。背甲の色彩は黄色で、黒褐色の斑紋が入る[2]。これにより海中のサンゴに擬態していると考えられている[2]。腹甲の色彩は黄色[2]

頭部は細長く、吻端が尖る[a 1]。前額板は4枚(2枚ずつ)。顎を覆う角質(嘴)が発達する[3]。頭部や四肢の背面は黄色く縁取られた黒褐色の鱗で覆われ、腹面は黄色[2]

卵は直径3.5センチメートル[2]

生態

熱帯や亜熱帯にあるサンゴ礁が発達した海洋に生息する[2][a 1]。外洋を回遊することはまれ[3]

食性は動物食で、主にカイメンを食べるが[2]、軟らかいサンゴ甲殻類棘皮動物藻類なども食べる[3][a 1]。サンゴの死骸は嘴や前肢で取り除き、嘴を使い岩やサンゴの隙間にいる獲物を啄ばむ[2][3]

繁殖形態は卵生。周年繁殖する[2]。砂浜に20-30センチメートルの深さの穴を掘り、1回に96-200個の卵を産む[2][a 1]。卵は2か月で孵化する[a 1]

人間との関係

卵は食用とされることもある[2]。食性から肉に毒が含まれることもあり、食べた人が中毒死した例もある[2][4]。なお、解毒剤は存在していない[4]

日本では甲板が鼈甲細工の原料とされた[2][3]

開発による生息地の破壊、漁業による混獲、甲板や食用の乱獲などにより生息数は激減している[2][a 1]。日本は世界各地から大量に本種の甲板を輸入し、1975年にワシントン条約が発効してからも本種の甲板の輸入を続けていた[2]。しかし国際社会からの批判が大きく、1993年に本種の甲板の輸入は禁止された[2]

絶滅危惧IB類(EN)環境省レッドリスト[a 1]
ファイル:Status jenv EN.png

交雑問題

交雑問題

2013年6月奄美大島において、アカウミガメとタイマイの特徴を併せ持つ交雑種が産卵していることが、NPO法人日本ウミガメ協議会によって確認された。同協議会では、種の保全が脅かされる危険性があるとして、今後子ガメの種の確認を実施したいとしている[5]

画像

参考文献

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:Reflist

テンプレート:Animal-stub

テンプレート:Link GA

  1. 1.0 1.1 広辞苑 第5版』、岩波書店
  2. 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 2.14 2.15 2.16 2.17 2.18 2.19 2.20 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社2000年、106-110、203-204頁。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、313頁。
  4. 4.0 4.1 時事通信 フォトニュース ミクロネシアでウミガメ食べて6人死亡 (2010年11月24日 記事を確認)
  5. 交雑ウミガメ産卵、国内初確認…タイマイの特徴 読売新聞 2013年6月30日


引用エラー: 「a」という名前のグループの <ref> タグがありますが、対応する <references group="a"/> タグが見つからない、または閉じる </ref> タグがありません