ソドー島

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ソドー島(ソドーとう、Island of Sodor)は、ウィルバート・オードリー牧師の絵本シリーズ『汽車のえほん』およびその映像化作品『きかんしゃトーマス』の舞台である架空の島。アイリッシュ海上のマン島とイギリス本土カンブリア州バロー・イン・ファーネスの間に存在するとされ、実在するウォルニー島テンプレート:Enlinkを含んでいる。

後述の通り、ソドーの名は英国教会に実在する「ソドー・アンド・マン教区」テンプレート:Enlinkに由来する。ギリシャロドス島Rodos)を逆から読んだものという説は誤り。

成立の過程

『汽車のえほん』シリーズが巻を重ねるにつれて、作者のオードリー牧師の許には設定の矛盾について質問する愛読者からの手紙が多数届くようになった。これらに答えるための矛盾のない設定を考えるうちに、牧師は体系的な架空の舞台設定を考案し始めた。

折りしも教会の仕事でマン島を訪問したオードリー牧師は、その島を管轄する教区の名が「ソドー・アンド・マン教区」であることに気づいた。教区名からは、あたかもマン(島)と並んで「ソドー(島)」という土地が実在するようであるが、これに対応する特定の島や土地はない[1]。オードリー牧師は、マン島とイギリス本土の間に位置する「ソドー」という名前を持つ架空の島こそが、物語のための完璧な舞台環境であると考えた。

オードリー牧師は、トーマスの支線の設定とそれを具現化した地図を1949年に、続いて島全体の体系的な設定とそれを具現化した地図を1950年に自らの手で制作し、1952年には親友のウィッカム司祭の協力を得て、島全体の彩色された立体地図を作成した。

その後も、司書を務める弟のジョージの手を借りて、歴史地理学言語産業地質学に及ぶ細かな設定が絶えず補強され続けた。1987年9月にはその集大成として The Island of Sodor, its People, History, and Railways.(『ソドー島 その住民・歴史・鉄道』、日本語訳本なし)[2]が二人の共著として出版された。

テレビシリーズ化に際しては、小さな子供にも分かりやすいよう、The Island of Sodor, its People, History, and Railways の精密な設定は無視されており、完全な映像化はされてはいない。またエピソード上、意図的に改変された部分もある。

地理

構成

アイリッシュ海上のマン島と英国本土カンブリア州バロー=イン=ファーネスの間にある。島の海岸線は、ほぼ三角形をしており、東西62マイル(99.7km)南北51マイル(82km)。北西の海岸線は幅4マイル(6.4km)のサドリア海峡によってマン島と隔てられる。北東の海岸線のうち、バロー=イン=ファーネスに向かい合う場所は、実在のウォルニー島の北東部の海岸線と同一であり、ソドー島がウォルニー島を含んだ形になっている。

本土側のバロー=イン=ファーネスとはトップハム・ハット卿が設計、1915年完成したシェルツァー式可動橋(テレビ版ではヴィカーズタウン橋、Vicarstown Bridge)と、1908年に完成した道路鉄道併用橋のジュビリー橋(Jubilee Bridge、実在の橋)で結ばれている。また、ピール・ゴッドレッド近郊には水力発電所1923年に建設され、ソドー・アルミニウム会社の工場とピール・ゴッドレッド線に電力を供給している。島の南の海岸線はアイリッシュ海に面し、複雑に入り江をつくる海岸線に港がいくつか点在する。

島で最も高い山は北部のカルディー・フェル(Culdee Fell)山であり、標高2048フィート(624.2m)。この山はスノードン山がモデルとなっている。

島の固有の言語として、マン島語ノルド語によく似たサドリア語(Sudric)があるが、現在は使われていない。一部の地名(例:レニアス/リーニアス(Rheneas)→幾筋にも分かれた滝)にその名残をとどめているのみである。

主な町

ティドマス/ティッドマス(Tidmouth)
ソドー島の西岸、ティド川河口に位置する島最大の町。人口35,000人。主な産業は造船・漁業・重工業。ティドマス機関庫とティドマス港の所在地。フライング・キッパーが発車するのもこの港。町のモットーは「Industry and Progress(産業と進歩)」。
地名の由来は文字通りティド(Tid)川の河口(mouth)にあることから。
ティドマス駅は原作では本線の始発駅であり4番線まである大規模な中央駅だが、テレビ版ではナップフォード駅に差し替えられティドマス駅自体は中規模な連絡駅となっている。更にテレビ版ではロアー・ティドマス(Lower Tidmouth)駅とティドマス・ホルト(Tidmouth Hault)駅も存在している。ロアー・ティドマス駅は本線の駅、ティドマス・ホルト駅はトーマスの支線とダックの支線が連絡する海辺の駅。
ナップフォード(Knapford)
ティドマスの南、エルス川河口に位置する町。人口2,000人。主な産業は農業・漁業・野鳥狩り。ナップフォード操車場、ナップフォード機関庫、ナップフォード港の所在地。テレビ版ではティドマスに代わりソドー島最大の町として位置付けられている。
ナップフォード駅は原作では本線とトーマスの支線を繋ぐ小規模な接続駅だが、テレビ版では島の中央駅として栄えており、5番線までありドーム屋根が4つ付いた巨大な駅となっている。この他、ナップフォード港にはナップフォード・ハーバー(Knapford Harbour)駅がある。
地名の由来は、オードリー牧師がかつて牧師を務めていたナップウェルテンプレート:Enlink教区から。
クロスビー(Crosby)
島西部に位置する小さな海辺の町。
11世紀、町の教会の構内に石の十字架(cross)が作られたことが地名の由来とされる。
クロスビー駅近くの待避線の先には床屋があり、第2シーズンにダックが突っ込んだ。駅は第5シーズンに再登場したが、この時には既に床屋はなくなっていた。
ウェルズワース/ウェルスワース(Wellsworth)
島南部にある半島の北端、海岸付近に位置する町。サドリーに近接している。人口550人。ウェルズワース操車場、チャールズ・ラクシー牧師の牧師館と果樹園、ウェルズワース病院、女子修道院の所在地。
7世紀、イングランド出身の宣教師ティバがこの地に井戸(well)を掘らせたことが地名の由来とされる。
ウェルズワース駅はゴードンの丘の麓にあり、本線とエドワードの支線との連絡駅である。そのため、列車牽引や車両の入れ替え、あるいは丘を登る機関車の補機を務めることを目的としてエドワードがよく駐在していることから「エドワードの駅(Edward's station)」の通称を持つ。
地名の正式な由来は、オードリー牧師がかつて牧師を務めていたエルスワーステンプレート:Enlink教区から。
マロン(Maron)
ウェルズワースの東に位置する村。北部に石切場があるが現在は使われていない。テレビ版ではマロン教会の所在地。
マロン駅はゴードンの丘を越えてすぐの地点にあるため、丘を下る際に暴走を余儀なくされた機関車は大抵この付近で急停止するか事故を起こす。テレビ版では本線とマロン=アールズバーグ線の連絡駅でもある。
クロンク(Cronk)
島の中心部から南へ下った谷間に位置する町。中世には島の旧都であったが現在は当時ほど栄えてはいない。クロンク城跡の所在地であり、西には高架橋、北にはパブリックスクールとクロンク大修道院跡も存在する。
奇妙で岩の多い露頭(curious rocky outcrop)の村であることが地名の由来とされる。
おおよそソドー鉄道本線の中間地点に当たる。テレビ版に登場のクロンク駅は比較的小規模な単線駅である。
キルデイン(Killdane)
クロンクのやや南東に位置する町。村の外れの台地に謎の巨大な立て石が円状に連なっている。
このことから「悪魔の教会(Keeill-y-Deighan/Church of the Devil)」の異名を持っており、地名の由来でもある。
キルデイン駅は本線とピール・ゴッドレッド線の分岐点であり、この駅から電気機関車が北方へと発車する。第1次フライング・キッパー事故が発生した場所でもある。
ケルスソープ(Kellsthorpe)
島南東部に位置する町。付近に城が存在する。またテレビ版ではソドー・エアポートも付近に存在する。
原作での最寄り駅は町の中心部から少し離れたケルスソープ・ロード(Kellsthorpe Road)駅であり、この駅は本線とカーク・ローナン線との接続駅である。が、テレビ版では第8シーズン中において町の中心部にケルスソープ駅が建設された。
クロバンズ・ゲート(Crovan's Gate)
島の中心部から東へと続く峠道の近くに位置する町。クロバンズ・ゲート修理工場(テレビ版ではソドー整備工場)とスカーロイ鉄道の機関庫の所在地。町のモットーは「Ave amicos cave hostes(ようこそ、友よ。敵軍に気を付けろ)」。
11世紀、ソドー島の王であったゴッドレッド・クロバンテンプレート:Enlinkがノルマン人の襲撃を受けた際、この近くの峠へ彼らをおびき寄せている隙にその船を破壊してノルマン人を撃退したという逸話が地名の由来とされる。
クロバンズ・ゲート駅はスカーロイ鉄道の終着駅であり本線への乗換駅。
ヴィカーズタウン(Vicarstown)
島の東側に位置する町。ソドー島とイギリス本土とを結ぶ可動橋(テレビ版ではヴィカーズタウン橋)とヴィカーズタウン機関庫の所在地。またテレビ版ではディーゼル整備工場の所在地でもある。
ヴィカーズタウン駅は、ソドー鉄道がバロー=イン=ファーネスまで延長される以前はソドー島のターミナル駅であり本部もあった。原作のヴィカーズタウン駅が大規模であったりヴィカーズタウン機関庫があったりするのはその名残りである。原作初期にトーマスが専ら働いていたのはこの駅。
モデルとなった町はウォルニー島のヴィッカーズタウンテンプレート:Enlink。ここにオードリー牧師が自身の職業である牧師(vicar)を掛け合わせたのが地名の由来である。
ドライオー/ドリョー(Dryaw)
島西部、トーマスの支線付近に位置する村。元々は干潟干拓を行うA・W・ドライ社の労働者居住区だったが、徐々に大きな村へと発展してきた。ドライオー飛行場の所在地。
A・W・ドライ社ないし「乾く(dry out)」という言葉が地名の由来とされる。
ドライオー駅はトーマスの支線の駅であり、ナップフォード駅とトリレック駅の間にある。テレビ版では近くに飛行場が存在し、ハロルド、ブッチ、タイガー・モス、消防車、熱気球などが駐在していたが、ソドーレスキューセンターが建設されたためか第17シーズンの時点では飛行場がなくなり格納庫のみとなっていた。この他、ドライオーには貨物駅も存在し、こちらはナップフォード・ハーバー駅とトリレック駅の間の駅である。
地名の正式な由来は原作者オードリー(Awdry)牧師の名前のアナグラムから。
トリレック(Toryreck)
トーマスの支線付近に位置する村。かつてはA・W・ドライ社の本部があった。ソドー酪農場の所在地。また、南東にはトーマスが穴に落ちた鉛鉱山がある。
トリレック駅はトーマスの支線と貨物線との分岐点であり、前者はナップフォード駅、後者はナップフォード・ハーバー駅へと向かうことになる。
エルスブリッジ(Elsbridge)
トーマスの支線付近のエルス渓谷に位置する村。人口500人。エルスブリッジ高架橋とクリケット場の所在地。またテレビ版ではエルスブリッジ操車場、エルスブリッジ機関庫と客車庫の所在地でもある。
エルス(Els)川に架かる橋(bridge)があることが地名の由来とされる。
エルスブリッジ駅は原作では単なる乗換駅だが、テレビ版では原作のナップフォード駅に代わって本線との小規模連絡駅としての役割を果たしている。ソドー鉄道の開通及びアノファ採石場の開業以前はトーマスの支線の前身であるナップフォード・アンド・エルスブリッジ軽便鉄道の終着駅だった。
ハッケンベック(Hackenbeck)
トーマスの支線付近、ファーカーの西に位置する小さな村。ハッケンベック川が近くを流れている。ハッケンベックトンネルやキンドリー夫人の家の所在地。
ファーカー/フファーカー(Ffarquhar)
トーマスの支線の終点。バーティーの停留所でもある。ここからファーカー採石会社が運営するアノファ採石場(テレビではファーカーの採石場)まで専用線として路面軌道が続いており、原則としてトビーとメイビスしか利用しない。ファーカー操車場、ファーカー機関庫と客車庫の所在地。
ファーカー駅は原作に比べテレビ版の方が小規模である。原作でトム・ティッパーが毎日郵便を受け取るのはこの駅。テレビ版第1〜7シーズンのオープニング映像に登場したのもこの駅。
「遠くにある採石場(Far-away quarry)」という言葉を元にオードリー牧師と弟ジョージが考え出した造語が地名の由来である。
サドリー(Suddery)
ゴードンの丘の南、エドワードの支線付近に位置する小さな町。5世紀、アイルランドの宣教師ルオックが漂着したのをきっかけに島の中心地へと成長していった。クロンクと同様にかつては島の旧都として要塞化された町であり、近代にはソドー連隊の本拠地でもあったが、現在は当時ほど栄えてはいない。サドリー大聖堂、サドリー城跡の所在地。テレビ版ではソドーレスキューセンターとソドー動物園もこの付近にあるとされる。町のモットーは「Luoc Sodoris Lux(ラテン語で『ルオック、ソドー島の光』)」。
サドリー駅はエドワードの支線中にあり、ウェルズワース駅で本線と分岐してブレンダムへと続く路線の中間地点である。テレビ版での正式名称はロアー・サドリー(Lower Suddery)駅。
ブレンダム(Brendam)
エドワードの支線が走る半島の南端に位置しブレンダム湾に面している港町。人口5,000人。ソドー陶土会社の本拠地であり、ここからビルとベンが働く陶土採掘場へと専用線が続いている。またテレビ版ではソドー造船会社の本拠地でもある。第3シーズンにはソドー貿易会社の本拠地でもあった。港には沢山の造船所・工場・倉庫・操車場・水路・クレーン等があり、特にテレビ版では大規模で主にクランキー、ソルティー、ポーターらが働いている。同じくテレビ版ではこの港からフライング・キッパーが発車する場合も多い。近くに女学校がある。
ブレンダム駅はエドワードの支線の終着駅。テレビ版では船で訪れた客を本線の列車がここで乗せることも多い。なお駅舎は第2,3シーズンにしか登場しておらず、それ以降は乗客が船着場から直接列車に乗るという形を取っている。同じくテレビ版ではアーサーの支線が漁村からこの場所へと続いている。
ロルフズ・キャッスル(Rolf's Castle)
ケルスソープ・ロードからカーク・ローナンへと続くカーク・ローナン線の近くにある町。ロルフ城の所在地。
ロルフズ・キャッスル駅はおおよそカーク・ローナン線の中間地点である。
カーク・ローナン(Kirk Ronan)
島南東部に位置する港町。1865年、スカーロイ鉄道開通の頃に来島したスカーロイが船から降ろされたのはこの港。ローナン教会の所在地。
古代ソドー島を訪れた宣教師ローナンテンプレート:Enlinkが地名の由来とされる。カーク(kirk)はサドリア語で「教会」を意味する。
カーク・ローナン駅はカーク・ローナン線の終着駅。テレビ版では第5シーズンにおいて新たに駅がオープンし、その直後にゴードンの暴走事故がきっかけで「ゴードンの窓」が作られた。
バラフー(Ballahoo)
島東部に位置する町。バロー=イン=ファーネスのベッドタウン。町の北にはヘンリーのトンネルがある。
バラフー駅はノランビー線の一部。
ノランビー(Norramby)
島の東南岸に位置する海辺の町。ソドー伯爵(公爵)を務めるノランビー家の家名の由来となった土地でもある。ノランビービーチの所在地。
本来の地名はノーマンビー(Normanby)と言い、かつてノルマン(Norman)人がこの地からソドー島へ侵入してきたという史実が地名の由来とされる。
ノランビー駅はノランビー線の終着駅。
スカーロイ/スカーローイ(Skarloey)
島の中心よりやや東に位置する。森の中の土地で近くにスカーロイ湖がある。ここからスレートの採石場へと線路が続いている。スカーロイ鉄道の1号機関車スカーロイの名前の由来。
スカーロイはサドリア語で「森の中の湖」を意味するとされる。
スカーロイ駅はスカーロイ鉄道内の駅。
レイクサイド(Lakeside)
スカーロイ湖のすぐそばに位置する。
レイクサイド駅はスカーロイ鉄道内の駅。テレビ版では売店のおばさんが経営する「ネプチューン」という売店がある。
レニアス/リーニアス(Rheneas)
レイクサイドの東に位置する。付近にレニアスの滝がある。スカーロイ鉄道の2号機関車レニアスの名前の由来。テレビ版では機関車2台分の機関庫がある。
レニアスはサドリア語で「幾筋にも分かれた滝」を意味するとされる。
レニアス駅はスカーロイ鉄道内の駅。南東からの線路がこの駅で分岐し、スカーロイ駅とレイクサイド駅を通ってループ線を形成している。
グレンノック(Glennock)
スカーロイ鉄道近くに位置する村。
グレンノック駅はスカーロイ鉄道の中間にある駅。レニアス駅とクロス=ニー=クーン駅の間にある。
クロス=ニー=クーン(Cros-ny-Cuirn)
島東部に位置する。
クロス=ニー=クーン駅はスカーロイ鉄道内の駅。グレンノック駅とクロバンズ・ゲート駅の間にある。
ホールトラフ(Haultraugh)
島西部に位置する海辺の行楽地。
ホールトラフ駅はダックの支線の途中にある。原作では家鴨のディリーはこの駅に住んでいる。
アールズバーグ(Arlesburgh)
アール川の河口域に位置する海辺の町。人気の観光地となっている。アールズバーグ機関庫とアールズバーグ港の所在地。アールズバーグ港は漁港であり、付近で産出された鉱山資源の積出港でもある。
アールズバーグにはアールズバーグ・ウェスト(Arlesburgh West)駅とアールズバーグ・ブリッジ・ストリート(Arlesburgh Bridge Street)駅がある。アールズバーグ・ウェスト駅は不景気により1度は閉鎖されたが、鉱物などの交通が滞ったためハット卿が1968年に再開。現在はダックの支線の終点でありアールズデール鉄道と接続している。この駅にアールズバーグ機関庫とアールズデール鉄道の操車場がある。原作でオリバーがスクラフィーを破壊したのはこの場所。アールズバーグ・ブリッジ・ストリート駅はアールズデール鉄道の小さな乗換駅。この駅にアールズバーグ・ブリッジ機関庫がある。かつてはミッド・ソドー鉄道のターミナル駅だった。
ファーカー・ロード(Ffarquhar Road)
島北西部、アールズデール鉄道付近に位置する。近くに古い鉱山へと続く路線がある。
ファーカー・ロード駅は元々ミッド・ソドー鉄道の駅であり、鉄道が閉鎖されて20年後にアールズデール鉄道の駅として再び開業した。
マースウェート(Marthwaite)
島北西部、アールズデール鉄道付近に位置する。専用の路線を通って約1.8km進んだ所に花崗岩採掘場がある。
マースウェート駅は元々ミッド・ソドー鉄道の駅であったが現在はアールズデール鉄道の駅となっている。
アールズデール・グリーン(Arlesdale Green)
島北西部、アールズデール鉄道付近に位置する。
アールズデール・グリーン駅は以前はミッド・ソドー鉄道の駅であり現在はアールズデール鉄道の駅になっている。
アールズデール(Arlesdale)
アール川が通っている渓谷に位置する村。古い鉱山に続く路線がある。
アールズデールにはアールズデール・ロード(Arlesdale Road)駅とアールズデール駅の2つの駅があった(アールズデール駅は現在は廃業)。町の南端にある駅がアールズデール・ロード駅で、アールズデール鉄道によって運営されている。ここからウルフステッドへと続く道路がある。一方、町の北端にあったアールズデール駅はミッド・ソドー鉄道の駅だったが鉄道の廃線と同時に閉鎖された。
アビー(Abbey)
島の中心部よりやや南に位置する。パブリックスクールとクロンク大修道院跡の所在地。テレビ版では図書館と修理工場の所在地でもある。
クロンク大修道院(Cronk Abbey)が地名の由来とされる。
アビー駅は、キルデイン駅で本線と分岐しピール・ゴッドレッド駅へ向かうピール・ゴッドレッド線の途中にある駅。
カーク・マッシャン(Kirk Machan)
島の中心部よりやや北、カルディー・フェル山の麓に位置する村。カルディー・フェル鉄道の機関庫とマッシャン教会の所在地。
6世紀にカルディー・フェル山近くの洞窟に住んだ修道士マッシャン(Machan)が地名の由来とされる。カーク(kirk)はカーク・ローナン同様サドリア語で「教会」を意味する。
カーク・マッシャン駅はピール・ゴッドレッド線とカルディー・フェル登山鉄道との連絡駅。
ピール・ゴッドレッド(Peel Godred)
島北部に位置する町。元々は城郭都市であり近代にはソドー連隊の本部があった。ソドー・アルミニウム会社、水力発電所とダム、城跡、キング・オリー橋の所在地。
ピール・ゴッドレッド駅はピール・ゴッドレッド線の終着駅。テレビ版での名称は単にピール駅となっている。ここからアルミニウム工場まで専用線が続いている。ミッド・ソドー鉄道廃線後、ファルコンとスチュアートは一時期この工場で働いていた。
シャイロー(Shiloh)
カルディー・フェル山麓に位置する。
シャイロー駅はカルディー・フェル鉄道の駅。
スカーロイ・ロード(Skarloey Road)
カルディー・フェル山麓に位置する。
地名の由来はスカーロイ鉄道から。
スカーロイ・ロード駅はカルディー・フェル鉄道の駅。
魔の尾根/デビルズ・バック(Devil's Back)
カルディー・フェル山の途中にある、風が吹きやすく荒れた尾根。風が強くなると通常の列車は山頂まで進まずに停止するが、遭難者の救援・供給のために派遣された列車はここを通過しなければならない。
デビルズ・バック駅はカルディー・フェル鉄道の駅で、山頂前の最後の駅。
サミット/カルディー・フェル・サミット(Summit/Culdee Fell Summit)
カルディー・フェル山頂。近くにホテルがある。
サミット駅はカルディー・フェル鉄道の終着駅。
ウルフステッド(Ulfstead)
島の中心部よりやや西、ファーカーの東に位置する小さな町。当初は要塞地としての町だったが、城が荒廃すると今度は考古学者らの注目を集め、やがて一種の観光地として栄えるようになった。ウルフステッド城とウルフの泉の所在地。テレビ版ではウルフステッド鉱山の所在地でもある。同じくテレビ版では近くにマッコール農場もある。
原作の設定ではウルフステッド駅は存在しない。かつてはソドー鉄道がファーカー駅から、ミッド・ソドー鉄道がウルフステッド・ロード駅経由でそれぞれウルフステッド駅までの路線拡張を計画していたが、いずれも叶うことはなかった。テレビ版の設定ではウルフステッド駅が存在し、マロン=アールズバーグ線とスカーロイ鉄道の連絡駅になっている。また、テレビ版ではウルフステッド城の敷地内にウルフステッド・キャッスル(Ulfstead Castle)駅が存在する。

テレビ版のみ登場

ロアー・アールズバーグ(Lower Arlesburgh)
テレビ版におけるトビーの昔の鉄道(ソドー路面鉄道)付近に位置する。アールズバーグ付近にあると思われる。
ロアー・アールズバーグ駅は単線駅で、トビーとハット卿が初めて会った駅。それから間もなく鉄道の廃線と同時に閉鎖となった。
アールズデール・エンド(Arlesdale End)
テレビ版におけるトビーの昔の鉄道の終点に位置する。アールズデール付近にあると思われる。トビーの機関庫の所在地。
アールズデール・エンド駅は鉄道廃線の日に乗客がトビーに別れを告げた駅。廃線と同時に閉鎖となったが、その後のシーズンではソドー鉄道の一部となった。トビーはいつもここの機関庫で寝起きしている。
山奥の村/山の村(Mountain Village)
トーマスの支線付近に位置する小さな村。山の奥深くにあり、冬は雪の影響を受けやすい。クリスマスや収穫祭といった行事のときに登場することが多い。トーマスとパーシーがクリスマスを前に除雪作業や郵便配達を行ったりオリバーが雪だるまに突っ込んだりしたのもこの村。ウルフステッドと同一の場所との説もある。
ソドー鉄道の駅が1つある。
なお、スカーロイ鉄道にも「山の村(Mountain Village)」と呼ばれる村と駅が存在する。
キャラン(Callan)
トーマスの支線付近に位置すると思われる町。テレビ版でオリバーがスクラフィーを破壊したのはこの場所。キャラン操車場とキャラン機関庫の所在地。
ハッケンベックからエルスブリッジにかけてトーマスの支線沿いを流れるキャラン川が地名の由来と考えられる。
キャラン駅はトーマスの支線の機関車やダックの支線の機関車がよく利用する駅で、駅舎は原作のアールズバーグ・ウェスト駅によく似ている。テレビ版でトム・ティッパーが毎日郵便を受け取るのはこの駅。
メイスウェート/メイスウェイト(Maithwaite)
トーマスの支線付近に位置する。近くにメイスウェートの森がある。
メイスウェート駅の位置はエピソードによって異なり、安定しない。ナップフォード駅〜ティドマス駅の間、ゴードンの丘〜ケルスソープ駅の間など様々な説があるが、現在はトーマスの支線上の駅として設定されている。
グレート・ウォータートン(Great Waterton)
島北東部、スカーロイ鉄道の北にある森の奥深くに位置する町。水道技術が発達しており、かつてはこの町から島中へ水を供給していた。ソドー島に初めて蒸気機関車がやって来た時この町は島の中心であり、水車を動かすための石炭をソドー路面鉄道が配達していた。やがて路面鉄道が廃線になると水道施設も閉鎖され、人々は他の町へ移住していった。長く忘れ去られていたグレート・ウォータートンの町はその後トーマスによって発見される。町は機関車やソドー建設会社の重機によって1955年春に改装され、現在は本屋や郵便局などが立ち並んでいる。近くにモーガン鉱山がある。
グレート・ウォータートン駅は町のシンボルである塔の近くにある。

主な産業

島の主な産業は、農業・漁業・鉱業・観光である。農業は、カラスムギ大麦カブが島で収穫される主な作物である。漁業は、ティドマス近海で獲れるニシンが特産品である。なお、鮮魚列車フライング・キッパーの「キッパー(kipper)」はニシンの燻製料理を意味する。鉱業はかつて島の主な産業で、亜鉛アルミニウム石炭などが豊富に採掘されていたが、現在は鉱山資源が枯渇し、石材、天然スレート、陶土の採取等が残るのみという設定に変更されており、テレビ版ではこのあたりの枯れた描写が出てくるエピソードも存在する。現在のソドー島における最大の収入源は、観光面での退職者向けの別荘分譲とそれに付帯する別荘族へのサービス業である。のんびりと蒸気機関車の牽引する列車で移動するのも別荘族へのサービスの一環とも言えよう。ハット卿自身も、新しい観光スポットの開発やイベントの開催などでサービス向上をめざしている。全体的にはマン島に似た島だが、王室保護領のマン島ほどの独立性はなく本土の直接支配の島、長期滞在型観光に依存した島、といえる。

主なスポット

ゴードンの丘
ウェルズワース駅からマロン駅の間にある急な丘。ゴードンが毎回登り切れないため、ゴードンの名前が付けられた。実際にロンドンには「Gordon's Hill(ゴードンの丘)」と呼ばれる場所がある。貨車たちの絶好のいたずらのスポットでもある。
ソドー吊り橋(Sodor Suspension Bridge)
霧の谷の支線にある吊り橋。『みんなあつまれ!しゅっぱつしんこう』で初登場。そして早々に嵐で崩壊した。第9~13シリーズに登場し、16シリーズで復活した。
ロッホ城(Castle Loch)
第5シーズンにトビーが発見した城。カレン卿の家でもある。第7シーズンにリニューアルした。第5~11、15、17シーズンに登場。

ノース・ウェスタン鉄道(ソドー鉄道)

絵本・人形劇のいずれにも名称を特定する記述は特に無く(人形劇では対象年齢が低いため、オリジナルの名称が複雑と判断されてか「ソドー鉄道(Sodor Railway)」という名称が劇中及び関連書籍などで使用されている)、書籍「Island of Sodor, Its History, People and Railways」(日本語訳未発行)の本文中のみに登場する。

局長もしくは重役のトップハム・ハット卿が運行を受け持っている。モットーは「Nil Unquam Simile」(ラテン語で『他の何処とも違う』)。

島の3大私鉄であったソドー&メインランド鉄道(S&M)とティドマス・ナップフォード&エルズブリッジ鉄道(TK&E)、ウェルズワース&サドリー鉄道(W&S)を前身とし、1914年に開業。1925年にロンドン・ミッドランド・スコティッシュ鉄道の了承を得て本土まで路線を延長し、1926年に本線の機関庫がヴィッカーズタウンからティドマスに移され現在に至る。本土の鉄道が国有化された後は、急行がティドマスまで乗り入れてくるようになった。本土の鉄道が乗り入れることから分かるように軌間は1435mm。ピール・ゴッドレッド線を除き非電化。線路規格は本線のみ本土の本線と同等規格の複線で一部3線区間もある。本線以外は一部の区間を除き単線、線路規格は本来は本線と同等規格だが、急カーブや低規格の木製鉄橋が存在する。保安装置の導入状況は作中言及されていないが、信号による閉塞は実施されている。

本線

ティッドマス(Tidmouth)からナップフォード(Knapford)、クロスビー(Crosby)、ウェルズワース(Wellsworth)、マロン(Maron)、クロンク(Cronk)、キルデイン(Kildane)、ケルズソープ・ロード(Kellsthorpe Road)、クロヴァンズ・ゲート(Crovan's Gate)、ヴィッカーズタウン(Vicarstown)を経由し、本土のバロー・イン・ファーネス(Barrow-in-Furness)へ接続する。ヴィッカーズタウンとバロー・イン・ファーネス間はトップハム・ハット卿自身が設計したシェルツァー式可動橋により繋がっている。主な運用は急行「ワイルド・ノーウェスター」号で、主にゴードンが担当する。他の旅客列車は主にヘンリージェームス、ディーゼル機関車7101号(くま)が担当する。主な貨物運用は「フライング・キッパー」で、主にヘンリーが担当するが、何かと災難の尽きない列車である。その他の貨物列車は主にドナルドとダグラスが担当する。

トーマスの支線

ナップフォード(Knapford)からドライオー(Dryaw)、トリレック(Toryreck)、エルズブリッジ(Elsbridge)、ハッケンベック(Hackenbeck)を経由し、ファークァー(Ffarquhar)まで運行。主な運用は旅客列車とファークァーの石切り場から砕石を運び出す貨物列車である。トーマストビー(第8シーズン以降はエミリーも)が主な運用に就き、パーシーがナップフォード港の貨物などのその他の運用を担当し、気動車のデイジーは小単位の旅客輸送に使用されている。終点はファークァーの石切り場となっている。

エドワードの支線

ウェルズワース(Wellsworth)からサドリー(Suddery)を経由し、ブレンダム(Brendam)まで運行。旅客列車は本線へ直通しティッドマス(Tidmouth)まで運行されることもある。エドワードが主な運用を担当し、ディーゼル機関車のボコと小型タンク機関車のビルとベンがその他の運用を担当する。ブレンダムではソドー陶土の専用線へ接続する。ゴードンが侵入した事のある支線である。

ダックの支線(小西部鉄道)

ティッドマス(Tidmouth)からホールトラフ(Haultraugh)を経由し、アールズバーグ・ウェスト(Arlesburgh West)まで運行。いったん閉鎖されていたが1968年に運転を再開し、バラスト用の砕石とちんまり鉄道の観光客を運ぶ。ダックオリバーが主な運用を担当し、ドナルドとダグラスがその他の運用を担当する。終点のアールズバーグ・ウェストではちんまり鉄道へ接続する。人形劇ではティッドマウスホルト(Tidmouth-Hault)という駅も存在する。第3シーズンでは建造中の場面が見られ、完成後はトーマスやパーシーもこの駅に来ていた。

その他の支線

設定のみ

バラフー線
クロヴァンズ・ゲート(Crovan's Gate)からバラフー(Ballahoo)、ヴィッカーズタウン(Vicarstown)を経由し、本土のバロー・イン・ファーネス(Barrow-in-Furness)へ接続する。さらに途中駅のバラフーからノランビー(Norramby)まで運行している支線が分岐している。
カーク・ローナン線
ケルズソープ・ロード(Kellsthorpe Road)からロルフズ・キャッスル(Rolf's Castle)を経由し、カーク・ローナン(Kirk Ronan)まで運行。
ピール・ゴッドレッド線
キルデイン(Kildane)からピール・ゴッドレッド(Peel Godred)まで運行。終点ではソドー・アルミニウム社専用線に接続する。ソドー島の鉄道路線の中で唯一電化されており電気機関車電車が使用されている。
ヴィッカーズタウン・ノランビー(Norramby)線
「Island of Sodor」によると、イーグル(原作の第1巻に出てくる赤い機関車)が働いているという路線。

人形劇オリジナル

アールズデール線
テレビシリーズでトビーがノース・ウェスタン鉄道(ソドー鉄道)異動前に働いていた小さな村の鉄道。(原作ではイギリスのイーストアングリア)アールズデール・エンドからアールズデールやアールズバーグなどを運行していたらしいが、不景気により閉鎖。その後、第5シーズンで復活したらしく、第6シーズン、第11シーズンを除く全シーズンに登場している。
霧の谷線(Misty Valley Branch Line)
第6シーズンから登場。シリルが沿線に住んでいる。ロッホ城とソドー吊り橋があるのもこの路線。

他の鉄道会社

高山鉄道・スカーローイ鉄道
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アールズデール鉄道(ちんまり鉄道)
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カルディー登山鉄道
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ミッド・ソドー鉄道
アールズバーグ~キングオリーズ・ブリッジ(King 'Orry's Bridge)間を運行していたナローゲージの鉱山鉄道。主に鉱石と観光客を運搬していた。かつてフォールコン(サー・ハンドル)とスチュアート(ピーター・サム)が在籍していた。不景気により1947年廃線。
ソドー・アンド・メインランド鉄道
カーク・ローナン~バラフー間を運行していた。1914年廃線。
別の鉄道
イギリス国鉄のこと。
人形劇ではディーゼルパークという架空の駅名で登場した。
ディーゼル機関車しか働いていない駅で、奥にはスクラップ置き場がある。
オリバーやステップニーが助け出された所でもある。
ソドー陶土(SCC)専用線
ブレンダム〜陶土採掘所間を運行。主にブレンダムまで陶土を運搬しているが、見学者用の特別列車も運行している。ビルとベンが在籍している。
ソドー・アルミニウム社専用線
ピール・ゴッドレッド〜工場間を運行。設定のみで原作・人形劇と共に登場しない。

脚注

  1. 「ソドー・アンド・マン教区」のSodor の起源は、「南の島」を意味するノルド語のサドレイヤル(Suðreyjar)あるいはサドレイス(Sudreys)である。中世にはマン島ヘブリディーズ諸島などの島々を指す呼称で、オークニー諸島シェトランド諸島など「北の島」と対比されるものであった。1154年、マン島を含む「ソドー」の島々を管轄する「ソドー教区」が設立されるが、その後の変遷により教区の管轄はマン島地区のみとなった。この過程でかつての「ソドー」の意味も失われ、16世紀初頭には、「ソドー」がマン島そのものを指すものと考えられたり、マン島西岸・ピールテンプレート:Enlinkに所在する陸繋島(マン島の歴史的な中心地で、かつては王城が置かれ、現在も司教座聖堂がある)・セントパトリック島テンプレート:Enlinkを指すものとみなされたりするようになった。マン島を管轄する教区の名は「ソドー教区」「マン教区」「ソドー・オア・マン教区」と揺らぎが生じたが、17世紀後半以降「ソドー・アンド・マン教区」となった。
  2. The Rev. W. Awdry (1987). The Island of Sodor, its People, History, and Railways. Kaye & Ward. ISBN 0 434 92762 7. イギリスでも絶版となっている。古書価は高騰しており、日本円で10万円を超える事もある。

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