スカイポート

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スカイポート(SkyPort)

  1. スカイポート通信サービスは、株式会社スカイポートセンターが通信衛星経由で行っていた番組供給サービス。
  2. スカイポートTVは、宇宙通信(現スカパーJSAT)が、通信衛星「スーパーバードB」により行っていたCSアナログ放送(受託放送事業)で、株式会社CSサービスセンターが運営していたプラットホーム名称。1992年4月から各チャンネルが順次放送開始、1998年9月30日をもって放送終了した。

1.は当初、既存のCATV向けコンテンツを個人向けに配信すべく事業化されたが、「放送にあたる恐れがある」とされたため、共同受信設備向けの番組配信事業として暫定運営していた。のちに通信衛星の一定のチャンネルで放送事業自体が認められた際、特に別法人を設立した上で、段階的に一部コンテンツが使用チャンネルを合わせる手法により、2.のチャンネルへ移行。放送用チャンネル数は、当初の3チャンネルから周波数割り当ての範囲で随時増加しつつも、両事業は並行して存続した。こうした経緯から、以下ではあわせて述べるものとする。

略史

  • 1989年7月4日 スカイポート・通信サービス部門のカスタマーセンター、「スカイポートセンター」設立。
  • 1992年2月27日 宇宙通信、スーパーバードB打ち上げ。
  • 1992年3月25日 スカイポート・放送サービス部門のカスタマーセンター、「CSサービスセンター」設立。
  • 1992年4月~ 2月4日に認定されたCS放送6チャンネルが、4月以降順次放送開始。
  • 1992年6月~ CS-PCM放送6社18チャンネルが、6月以降順次放送開始。
  • 1996年2月 デジタル放送プラットホーム「Sky-D」設立を発表。20ch程度で放送開始予定だったが、事業化に至らず。
  • 1997年12月1日 宇宙通信が打ち上げたスーパーバードCにより、CSデジタル放送ディレクTVが開局。
  • 1998年9月30日 スカイポートTV、契約者へディレクTVのチューナーを無料配布して移行の上、放送終了。

放送サービス

スーパーバードBでは、23のチャンネル(トランスポンダ)のうち当初12.5GHz~12.75GHzの11チャンネル分が放送用の周波数に割り当てられ、かつ当面の放送はそのうちテレビ放送用として3チャンネルに、CS-PCM音声放送用として1チャンネル分(S-10)に、計4チャンネル分につき認められた。のちに12.25GHz~12.5GHz(S-12~S-23)も放送として使用可能になった。

ちなみに、テレビ放送は原則として水平偏波(1996年放送開始のザ・ゴルフ・チャンネルを除く)、CS-PCM音声放送は垂直偏波を使用していた(なお、CSバーンではテレビ放送が垂直偏波、CS-PCM放送が水平偏波を使用)。

スカイポートTV

  • S-1ch(5ch) LET'S TRYホームチャンネル
    • 1993年11月1日 ミサワバン株式会社(2002年3月ミサワホームと合併)により「LET'S TRY」(番組制作会社は日本映像ネットワーク(JVSN)(現スーパーネットワーク))有料放送開始。
    • 1996年2月1日 ミサワ衛星放送株式会社>により「ホームチャンネル」有料放送開始[1]
  • S-3ch(6ch) GAORA
    • 1990年4月1日 株式会社スペースビジョンネットワーク(SVN)により配信開始。
    • 1993年10月1日 チャンネル名を「GAORA」に変更、委託放送開始(同年11月1日有料放送開始)。
  • S-5ch(7ch) 朝日ニュースター(現・テレ朝チャンネル2 ニュース・スポーツ
    • 1989年10月1日 株式会社衛星チャンネル(2012年4月1日、テレビ朝日に吸収合併)により配信開始。
    • 1993年10月1日 委託放送開始(同年11月1日有料放送開始)。
  • S-7ch(8ch) CNN(現・CNNj)
  • S-8ch(18ch) ザ・ゴルフ・チャンネル
    • 1996年10月1日 JCTVにより委託放送開始。
  • S-9ch(9ch) MTV
    • 1990年4月1日 JCTVと「日本番組供給株式会社」が共同で、音楽&スポーツ専門チャンネル「パワー・チャンネル」配信開始。
    • 1992年10月1日 ミュージック・チャンネル株式会社(現・現エム・ティー・ヴィー・ジャパン株式会社)により「MTV」の有料放送開始。
  • S-11ch(10ch) スター・チャンネル
    • 1989年9月 株式会社スター・チャンネルにより番組配信開始。
    • 1992年4月23日 委託放送開始(同年5月1日有料放送開始)。
  • S-16ch(1ch) ファミリー劇場
    • 1996年1月1日 委託放送開始。
  • S-20ch(3ch) スーパーチャンネル(現・スーパー! ドラマTV
    • 1989年9月 株式会社スーパーチャンネル(現・スーパーネットワーク)により番組配信開始。
    • 1996年1月1日 委託放送開始。

※カッコ内のチャンネルは通信用チューナーで表示されるチャンネル。

CS-PCM音声放送

  • S-10ch SOUND AIR P.J./PCM CENTRAL
    • 1992年6月15日 株式会社ピーシーエムジャパン、「SOUND AIR P.J」サービス放送開始。
    • 1992年9月1日 ピーシーエムセントラル株式会社、「PCM CENTRAL」サービス放送開始(同年12月1日、有料放送開始)。
    • 1993年6月4日 放送終了。

通信サービス

スカイポート通信サービス

※スカイポートTVに移行したチャンネルは除く。

その他の通信サービス

  • 3ch(データ&独立音声)お天気チャンネルWX24 ※全国のCATV局向けに配信されていた。[2]
  • 4ch(独立音声) RFI(ラジオフランス・インターナショナル)
    • 有線放送・「キャンシステム」向けの配信用回線として使用されていた。※Aモード独立音声側がRFIの音声で、主音声側は「ncn日本テレビケーブルニュース」の音声が送られていた。
  • 23ch TVKスーパーステーション → Ch-YOKOHAMA
    • 1995年5月1日、テレビ神奈川(TVK)・三菱商事電通により配信開始(試験配信開始は1995年2月11日)。1998年、ディレクTVの「YOKOHAMAベイサイドTV」に移行。試験配信時の局名は「TVKスーパーステーション」だった。

関連項目

脚注

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  1. 2002年5月1日、ジュピター・プログラミング(現ジュピターテレコム メディア事業部門)が買収、LaLa TVにチャンネル統合。
  2. 受信するCATV側は、各局ごとに、マッキントッシュPCでデータと音声信号を受信し、描画&合成を行い、送出するシステムだった。