シベ族

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テンプレート:Infobox Ethnic group シベ族(シベぞく[1]テンプレート:中文表記テンプレート:ピン音テンプレート:英文表記)は中華人民共和国に居住するツングース系少数民族ヌルハチがその支配する土地を満洲と名乗った当時の、女真族の一支族であるシベ(錫伯)氏族を起源とする人々。シボ族(シボぞく[2][3][4])というカナ表記も広く用いられている。

概要

もともと内モンゴル自治区北部のフルンボイル市ハイラルにある室韋山を原住とする鮮卑室韋の一支族と伝えられる。

遼寧省瀋陽、開原、義県、北鎮、新民、鳳城などの他、新疆ウイグル自治区イリ・ハザク自治州チャプチャル・シベ自治県、及びイリ川流域の霍城県トックズタラ県にも集中し、その他吉林省扶余県前ゴルロス・モンゴル族自治県北京などにも散在する。

人口

2000年の人口調査ではシべ族人口は188,824人で、中華人民共和国政府が公認する56の民族の中では31番目に多い。

言語

満洲に住むシべ族は漢文とモンゴル文を使うが、新疆に住むシボ族はアルタイ語族満洲語に属するシベ語を話し、満洲文字を改良したシベ文字を使用する。

歴史

東胡の一派であった大興安嶺一帯に住居していた古代鮮卑4世紀五胡十六国時代の頃、遼東や華北に南下し前燕北魏などを建国した。だが少数の鮮卑人は依然として嫩江から松花江一帯に残り、本来の習俗を保っていた。これがシベ族の先民である。

1593年シベ族はヌルハチの満洲軍に征服され、モンゴル八旗や満洲八旗に編入された。 その後、軍の中国征服に従軍し、雲南新疆など中国各地に駐屯するようになった。とくに1764年には1016人のシべ族兵士が新疆辺境守備を命じられ、満洲から移住しており、これに家族や親戚数千人も同行した[5]。これが新疆のシベ族の起源である。満洲民族が満洲語を喪失した現在、新疆のシベ族は満洲語を話し、満洲文字を読む数少ない民族となっている。

著名人

脚注

  1. 承志『ダイチン・グルンとその時代:帝国の形成と八旗社会』p.6(名古屋大学出版会,2009,2, ISBN978-4-8158-0608-8)
  2. 「シボ族・西遷節」 サーチナニュース 2007年6月5日
  3. シボ族 xibo zu Xibe ethnic minority group 中国网 JAPANESE.CHINA.ORG.CN
  4. 石田耕一郎「消えゆく満州語」2・3,2013年12月10日・12月11日,『朝日新聞』(大阪本社夕刊)
  5. 中国の歴史 12 清朝二百余年 p3-7 陳舜臣 平凡社 1982年12月刊

関連項目

外部リンク

テンプレート:中華民族br:Ksibe ca:Xibe (ètnia) en:Xibe tr:Sibeler