コペンハーゲン国際空港

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コペンハーゲン国際空港テンプレート:Lang-daテンプレート:Lang-en-short)は、デンマーク王国の首都コペンハーゲン近郊の町トーンビュー(Tårnby)にある空港。もともとは所在地の地名からカストラップ(カストルップ、Kastrup)空港と名付けられ、同じくコペンハーゲン郊外にあるロスキレ空港Københavns Lufthavn, Roskilde)と区別するために、今でも現地ではカストラップ空港と呼ばれることが多い。

コペンハーゲン周辺や対岸スウェーデンマルメなどを含むエーレスン地域へのアクセス空港であるとともに、ヨーロッパのハブ空港の一つである。スウェーデンストックホルム-アーランダ空港ノルウェーオスロ空港と並んで、スカンジナビア航空(SAS)の拠点空港であり、長距離国際線の大部分はコペンハーゲン発着となっている。1日当たり6万人近く年間では約2千万人の旅客を扱う(北欧諸国では1位、ヨーロッパ内でも16位の旅客数、2009年現在)が、その大多数は国際線の旅客である。

コペンハーゲン国際空港およびロスキレ空港は、半官半民のコペンハーゲン空港会社(Københavns Lufthavne A/S)が運営している。株式の5割強をオーストラリアマッコーリー銀行グループが保有しており、このうちMAp Airport社の持ち分が全体の3割、残りはグループの運営するファンドの持ち分である。デンマーク政府の持ち分は全体の4割ほどである。

歴史

1925年4月20日カストラップ空港として開港。木造のターミナル、水上機の着水面、滑走路として使える牧草地を備えた、当時世界でも珍しい民間用の空港だった。次第に増加する需要に対応するため、1939年にヴィルヘルム・ラウリッツェン(Vilhelm Lauritzen)が設計した新しいターミナルが落成する。1947年1月26日、KLMのストックホルム行きDC-3が事故を起こし、スウェーデン王子グスタフ・アドルフやアメリカの女優グレース・ムーアを含む22名が死亡した。1956年ジェット機に対応するための拡張計画が始動し、1960年には現在のターミナル2が開業する。さらなる拡張計画は地元の反対により難航したが、1969年には現在のターミナル1が開業し、ターミナル2も拡張された。1969年、議会は沖合のSaltholm島(16 km2)に移転拡張する計画を可決したが、オイルショックなどの影響で延期され1979年に破棄された。ターミナル3などを含む代わりの拡張計画が1982年に始動し、1998年までにほぼ完成した。1990年民営化され、株式の一部は1994年、1996年、2000年に段階的に売却された。2000年にエーレスンド橋が完成し、鉄道や道路が対岸のスウェーデンと接続された。2001年にターミナル直結のヒルトンホテルが開業し、2007年にはコペンハーゲン地下鉄が乗り入れた。

施設

滑走路

同時発着可能な平行滑走路2本(04/22)に加え、やや短い横風用滑走路1本(12/30)を備える。全て計器着陸装置を備えているが、このうち22LについてはカテゴリーIIIとなっている。横風用滑走路はコペンハーゲン市街を向いており、市街上空を通過する形での運用は避けられている。

旅客ターミナル

主なターミナルは3つあり、そのうちターミナル1は国内線、ターミナル2とターミナル3は国際線で利用されている。ターミナルビルはいずれも大部分がヴィルヘルム・ラウリッツェン(Vilhelm Lauritzen)およびラウリッツェン社による設計である。北欧風デザインの明るいインテリアと木の空間が特徴。乗り換えの便利さと充実したショッピングモールもある。各ターミナルや駐車場を結ぶ無料のシャトルバスが運行されている。

ターミナル 1
1969年落成(ラウリッツェン社設計)、1989年増築(KHRAS社設計)。搭乗口A25-A34。
ターミナル 2
1960年落成、12500平方メートル(ラウリッツェン社設計)。ターミナル3ができるまでは全ての国際線がこのターミナルを利用していた。主にシェンゲン協定域内路線で使われており、SAS運航便は搭乗口B2-B19、他社便は搭乗口A2-A24が用いられている。
ターミナル 3
1998年落成、44000平方メートル(ラウリッツェン社ほか設計)。ターミナル2とは一体化している。デンマーク国鉄およびコペンハーゲン地下鉄の駅がある。シェンゲン協定域外路線では搭乗口C15-C40とD101-D104が利用され、空港内のほかの区域との境で出入国審査が行われる。シェンゲン域外区域には店舗などがほとんどない。搭乗口C2-C10とD1-D6については出入国審査がない。
CPH Go
2010年10月31日開業の格安航空会社向けのターミナル(ラウリッツェン社設計)。搭乗口F1-F10。
ヴィルヘルム・ラウリッツェン・ターミナル
1939年落成、約4000平方メートル。ラウリッツェン設計による最初のターミナルで、デンマーク近代建築の代表作のひとつとされている。1960年に現在のターミナル2が開業するまで使用されていた。ターミナル3を含む拡張計画に伴い、1999年に増改築部分を撤去して空港西部に移築され、その後当初の姿に再現された。現在はコペンハーゲン空港会社がオフィスとして使用しているほか、国賓接遇の場として利用されている。

就航路線

国内線

全てターミナル1から発着する。

テンプレート:空港就航地

デンマーク自治領であるグリーンランドエア・グリーンランド)やフェロー諸島アトランティック・エアウェイズ)への路線は国際線扱いで、ターミナル2から発着する。

国際線

ターミナル2またはターミナル3から発着する。表中に示した番号はチェックイン・カウンターの所在であり、保安検査や手荷物受取所などは一元化されている。

テンプレート:空港就航地

アクセス

コペンハーゲンの中心部から南東へ8kmという至近距離に位置している。空港そばに対岸スウェーデンとを結ぶエーレスンド橋が架けられており、スウェーデン南部の諸都市からのアクセスも良い。

デンマーク国鉄
コペンハーゲンやヘルシンオアとスウェーデンとを結ぶエーレスン線(Øresundstog)の駅がターミナル3地下にある。コペンハーゲン中央駅から15分程度、スウェーデン第3の都市マルメからも40分程度である。
コペンハーゲン地下鉄
M2系統でコペンハーゲン中心部から15分程度。地下鉄とはいえ空港周辺では高架になっており、駅もターミナル3の上にある。
バス
市バスの5A、35、36、96N系統などでコペンハーゲン中心部から30分程度。ヨーテボリ経由オスロ行きや、ストックホルム経由ウプサラ行きといった長距離国際バスも乗り入れている。
自動車
デンマークを東西に横断する欧州自動車道路E20が通っており、エーレスンド橋でスウェーデンに通じている。

脚注

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外部リンク

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