コア・ブースター

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コア・ブースターは、アニメガンダムシリーズ」のうち、『機動戦士ガンダム』に始まる宇宙世紀を舞台にした作品に登場する架空の兵器

小型戦闘機であるコア・ファイターに大型ブースターユニットを装着させた戦闘機をこの名称で呼ぶことが多い。

コア・ブースター

テンプレート:機動兵器 コア・ブースターは、アニメ映画機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』に登場した機体で、テレビアニメ版『機動戦士ガンダム』のGファイターに代わり登場した地球連邦軍の大型戦闘機

デザインは富野喜幸監督のラフをもとに大河原邦男によりクリーンアップされた。テレビ版において登場したGファイターは、スポンサーの意向によりあまりに玩具的なデザインになってしまい、これは監督としては不本意なものであった。とはいえ、劇場化に際してセイラスレッガーの乗機でありフラウが通信士を務める要因にもなった同機を単純にカットする訳にもいかず、代替としてより現実的なスタイルの本機が考案されたという経緯がある。

ガンダムガンキャノンガンタンクに収納されているFF-X7 コア・ファイターの後方に機能強化のための大型ブースターユニットを装着させた戦闘機で、装着時にはコア・ファイターの主翼と尾翼を折りたたんだ形態で行う。このブースターは、火力と航続力に制約が大きいコア・ファイターを、本格的な戦闘機として有効活用する目的で開発された。

推進器は熱核ジェット/ロケットのハイブリッドで、大気圏内外双方で運用可能。武装は、コア・ファイター機首の25mm機関砲(30mmとする書籍もあり)に加え、多弾頭ミサイル発射口を装備。そして、モビルスーツ (MS) のように反応炉を主動力とするため、メガ粒子砲2門をドライブすることが出来たことが本機の火力を極めて強力なものにしている。これに伴い、航続力もコア・ファイターを大きく上回った。ブースター部分の機体色は白で、翼の縁取りに赤が使用されている。開発はハービック社

本機は戦闘機としての空対空戦闘のみならず、対MS攻撃、MS支援、対潜攻撃などにも対応し、非常に汎用性の高いマルチロールファイターとして仕上がっている。これは、コクピットモジュールであるコア・ファイターが本来RXシリーズMSの操縦装置であり、そのコンピュータが従来の戦闘機の10倍の処理能力を持っていたために実現したのであった。加えて、これは操縦の簡易化にも貢献しており、本機をホワイトベースに届けた開発者のセキ技術大佐は、多少の誇張はあるとしても「一度でもガンダムに乗ってりゃ簡単なもんですよ」と述べている。

なお、Gファイターとは異なり、ガンダムを載せて飛行するサブフライトシステムとしての描写はない。

FF-X7-Bstは一年戦争時に計16機が生産され、内6機が実戦に参加した。第13独立部隊ホワイトベースには5号機 (005) と6号機 (006) の計2機が配備された。

この他、コクピットブロック以外のコア・ファイターのモジュールを省略し、大気圏内専用機として量産されたジェット・コア・ブースターや追加ブースターと武装を強化したインターセプター仕様のコア・ブースターなどが地上運用されている。

劇中での活躍

『哀・戦士編』ではオデッサ作戦にてナンバリングなしの1機が初投入され、ニュータイプの可能性があるとして抜擢されたセイラ・マスが搭乗。黒い三連星のオルテガのドムを撃墜した。

『めぐりあい・宇宙編』ではスレッガー・ロウ機(005号機)とセイラ・マス機(006号機)の2機が登場し、両機ともホワイトベースの主戦力として多大な活躍をするが、スレッガー機は地球連邦軍のソロモン攻略戦の際にビグ・ザムへ体当たり攻撃をかけたが撃墜された。セイラ機はア・バオア・クー攻略戦まで戦い抜くが、その終盤に放棄されている。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「オデッサ編」から登場。オデッサ攻略に参加するホワイトベースに1機配備され、スレッガーが搭乗した。アニメ版とは異なり大型機関砲を装備しており、ジオン軍のドップ部隊を多数撃墜するなど高い性能を見せた。またガンダムを乗せて飛行するサブフライトシステムとしての運用も可能であった。戦場が宇宙に移行してからは、武装がメガ粒子砲に変更されている。

コア・ブースタープラン004

テンプレート:機動兵器 メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。コア・ブースター開発にあたり試作されたプランの1つである。

本機の開発は順調に進み、3か月後には2機の試作機がジャブローでロールアウトし「FF-X7Bst PLAN004」の開発ナンバーが与えられた。本機はエンジンの換装により大気圏内外で行動可能であり、大気圏外と高速時において主翼が機部から90度折れ曲がる機構が採用され、本体下面にある4基の兵装ステーション内2基には通常バルカン砲ユニットが選択されている。試作された2機はジャブローとルナツーに1機づつ送られて各種飛行試験が行われ連邦軍を満足させる性能を見せたものの、制式採用には至らなかった。だが開発は続行されジェット・コア・ブースターやコア・ブースターII開発に繋がった。

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では紅く塗装された機体が登場している。リミア・グリンウッドは「レッドバロン」と呼ばれた第一次世界大戦時のパイロットにあやかって、と言っているが、右翼の「RB」のマーキングはジョニー・ライデンのものとなっている[1][2]

ジェット・コア・ブースター(コア・イージー)

OVA機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。コア・ブースターの大気圏内専用の簡易生産タイプである戦闘爆撃機。コア・ファイターの機首をブースター部分にそのまま接合したような形状で、機体色は灰色と青。

当機は機体底面にウェポンベイがあり、クラスター爆弾(劇中の描写では地底貫通爆弾)を搭載できる。『第08MS小隊』第7話では雪山に不時着したジオン軍モビルアーマー「アプサラスII 」の捜索に従事。ノリス大佐が操縦するドップと遭遇し、空中戦の末に撃墜された。 また、第10話では大編隊にてジオン公国軍の秘密基地があると推定される山岳に対し爆撃を敢行している。この時、量産型ガンタンク部隊の砲撃を誘導していた1機が、跳躍してきたグフカスタムノリス・パッカード大佐搭乗機)に空中においてヒートサーベルで斬られるという光景も見られた。

コア・ブースターII・インターセプトタイプ

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』に登場。本機はその名の示す通り迎撃能力に特化したコア・ブースターバリエーションの1つである。大気圏外から侵入してきた敵を高高度で迎撃するため、左右のポンツーンにブースターを装備しており、プロペラントタンクを兼ねた大型ブースターやプロペラントタンクを取り付ける事で機動性や行動半径が向上している。だが確認できる武装はガトリング砲のみ(コア・ファイターの機関砲口も無くなっている)でメガ粒子砲が設置されていた箇所に電子戦ポッドと思しき機器とともにかぶせる形で設置されている。それ以外の武装として設定上は空対空ミサイルが装備可能である。一年戦争末期、ジャブローからの連邦軍宇宙艦隊の打ち上げ阻止目的で投入されたジオン軍の試作兵器モビルダイバー「ゼーゴック」を至急迎撃するため使い捨て式のロケットブースターを装備し出撃。ゼーゴック及びその回収機であるガウ攻撃空母の撃墜に成功している。

コア・ブースターII(ガンダム試作0号機)

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コア・ブースター(Gコア)

テンプレート:機動兵器 雑誌企画『ガンダム・センチネル』では、Sガンダムのコア・ファイターである「Gコア(型式番号:FXA-08GB)」を使用したコア・ブースター(型式番号:FXA-08GB-Bst)が、作品自体には登場しないものの、いくつかデザインされている。

Ex-Sガンダムの本体に装着されている、バックパックのブースターユニットをGコアに接続した物が基本である。接続自体はほぼ無改造で行うことができ、あとは簡単なセッティングを行うだけで、対空、対地、戦闘、爆撃、迎撃、超長距離航行などあらゆる任務に対応できる汎用性の広さを併せ持っている。

大気圏内での活動のため主翼を装備した物や、宇宙空間での長距離、長時間活動用として、Sガンダムのビーム・スマートガンを装備しGコアとブースターユニットの間に、プロペラントタンクを搭載した物(型式番号:FXA-08GB[Bst]Ex)がデザインされている。これはエクステンディッドタイプと呼ばれ、大推力を活かして、Bst-Sガンダムや改造型Ζプラス(ハミングバード)といった超高速機との編隊行動を組むことが想定された機体である。

標準で12MWのビームカノンを2門装備し、火力においても十分な性能がある。各種用途に合わせ、ハードポイントにミサイル類を搭載することも可能である。

またコア・ブースターやウェイブライダーの操縦訓練機として、コア・ファイターと共通の機首を持つ大型戦闘機「ワイバーン」が登場している。

コア・ブースター(Vガンダム)

アニメ『機動戦士Vガンダム』では、ヴィクトリーガンダムのコア・ファイターに、Vダッシュガンダムのバックパック部分の増加装備であるオーバーハングパックを装着した形態がコア・ブースターと呼ばれている。元のコア・ファイターの武装である60mmバルカン砲2門に加え、ガトリング砲2門とビーム砲2門が追加される武装強化がなされている。また、機体下部のハードポイントに折り畳んだビームスマートガンを懸架する事も可能。

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:宇宙世紀

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  1. マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの機体はジョニー・ライデンの元ネタの1つである。
  2. 『ジョニー・ライデンの帰還』3巻2ページでは「リヒトホーフェンカラー」と記載されている。