アビー・ホフマン

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アボット「アビー」ホフマン(Abbott "Abbie" Hoffman, 1936年11月30日 - 1989年4月12日)は、アメリカ合衆国の政治活動家。青年国際党(イッピー)の共同創立者。

ユダヤ人の家庭に生まれたホフマンはマサチューセッツ州ウースターで成長し、ブランダイス大学ヘルベルト・マルクーゼの影響を受け、政治活動家となる。

1968年8月にイリノイ州シカゴで行われた民主党全国大会において、ホフマンはベトナム反戦デモを行いその共謀の罪で逮捕された。ホフマンを含む逮捕・起訴された七人はシカゴ・セブンと呼ばれ、その中にはジェリー・ルービンや後のカリフォルニア州議会議員トム・ヘイデンが含まれた。ホフマンの法廷でのおどけた仕草はしばしば新聞の一面を飾った。ある時、被告のホフマンとルービンは法衣を着て裁判に出廷した。またある時は目撃者として、指を与える彼の手で宣誓した。結局判決は無罪となり、ホフマンは裁判官にLSDを試すことを提案し、彼の知るフロリダのディーラーを紹介することを申し出た。

1969年のウッドストック・フェスティバルでホフマンは、ホワイトパンサー党ジョン・シンクレアの刑務所収監に対する抗議スピーチを行おうとして、ザ・フーのステージを中断させた。彼はマイクをつかみ「これはくそったれの集まりだ!。こうしている間にもジョン・シンクレアは刑務所でくさっている!」と言った。フーのギタリスト、ピート・タウンゼントは「畜生!、俺の糞ったれステージから離れやがれ!」と叫んだ。そして、舞台裏でホフマンをギターで殴った。タウンゼントは後にシンクレアの収監に対して実際にはホフマンと意見が一致していたと語っている。しかし当時の出来事は現在も不名誉に語られる。

アビー・ホフマンは何冊かの本を出版している。『Steal This Book』(この本を盗め)、『Fuck the System』、『Revolution for the Hell of It』、『Woodstock Nation』が代表作としてあげられる。彼の自叙伝は1980年に出版された『Soon to Be a Major Motion Picture』、そして最後の本は死の二年前に出版された『Steal This Urine Test』である。彼の生涯は映画「Steal This Movie」で映像化された。

ホフマンは双極性障害に苦しみ、1989年4月12日に死亡しているのを発見された。彼の死は自殺として記録された。

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