ますむらひろし

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テンプレート:存命人物の出典明記 テンプレート:Infobox 漫画家 テンプレート:Sidebar with collapsible lists ますむら ひろし(本名、増村 博[1]1952年昭和27年)10月23日[1] - )は、日本の男性漫画家山形県米沢市出身[1]山形県立米沢興譲館高等学校卒後、東京デザイナー学院テンプレート:要出典範囲卒業[1]

略歴

  • 1973年、21歳のときに本名の「増村博」名義で賞金目当てに応募した「霧にむせぶ夜」が第5回手塚賞に準入選。このときの同期受賞者に高橋よしひろがいる。
  • その後『ガロ』誌を経て[2]、『マンガ少年』誌で「ますむらひろしのファンタジーゾーン」(現在単行本「アタゴオル物語」収録作品およびSF作品の短編)シリーズを発表。60歳で漫画家を引退する予定だったが、「赤旗」日曜版から宮沢賢治作品の漫画連載の依頼があり、2014年、同紙で宮沢賢治の短編童話を連載。作品は「やまなし」「虔十公園林」「オツベルと象」「ひかりの素足」。
  • 1997年、第26回日本漫画家協会賞大賞受賞(『アタゴオル玉手箱』)。
  • 2001年、第11回宮沢賢治学会イーハトーブ賞受賞(一連の宮沢賢治作品の漫画化などの業績による)。

作品の特徴

テンプレート:独自研究 デビュー作『霧にむせぶ夜』では、宮沢賢治の『猫の事務所』から着想を得、登場人物を猫としている。[3]

彼の作品は、人間大の直立二足歩行をするが重要な役割をはたす物がほとんどである。猫と人間は区別されることは無く、猫と人間が酒盛りをしたり、猫がトランプをしたりする。これは、『のらくろ』などの古典的漫画表現の形式の踏襲とも言えるが、彼の場合はひたすらのみが扱われる。テンプレート:要出典範囲

彼の作品群のなかで、その全盛期のものであり、中核をなすものは「ヨネザアド」大陸の「アタゴオル」と呼ばれる架空の世界を主舞台とした物語である。主人公はヒデヨシという名の大デブ猫とテンプラという青年である。テンプレート:要出典範囲その世界ではシュールレアリスティックな設定がなされている。草木は異常に巨大化しており、スケール感は現実性を喪失している。独創的な生物もおり、植物と鉱物の中間生物などというものまで登場する。家や道具はかならず曲面で出来ており、文字も独自なものであり、本は葉っぱである。テンプレート:独自研究範囲 デビュー当時は人物の顔だけを緻密に描き込む様なブラックな画風であったが、次第にライトで整合性の取れた絵柄に変化して行く。背景の画風はアントニオ・ガウディや佐々木マキの影響が強い。

テンプレート:要出典範囲テンプレート:要出典範囲テンプレート:要出典範囲なお、米沢市内ではアタゴオル・シリーズに登場するヒデヨシなどの画像が車体横に描かれたバスや、猫の目時計の実物が見られ、野田市では壁画が制作された。

2004年3月、デジタル・フロンティアが、「アタゴオル物語」を3Dアニメ映画化すると発表、2006年10月に『アタゴオルは猫の森』のタイトルで公開された。

また、ビートルズ、特にジョン・レノンのファンで作品にも取り入れている。[4][5]自身のバンド名に「ハーツクラブバンド」と付けている。テンプレート:要出典範囲

代表作

代表作は『アタゴオル物語』、『宮沢賢治童話集』など。

ヨネザアド大陸のアタゴオルという架空の土地を舞台にした物語は、『ヨネザアド物語』(1975年)で舞台や人物を確立したのち、1976年発表の『影切り森の銀ハープ』に始まるファンタジー作品として人気を博した。この、等身大の猫と人間が不思議な自然の中に生きる、行いこそ悪いが愛すべき猫ヒデヨシとその友人達の物語は、その他のヨネザアドにまつわる作品も交えつつ現在に至るまで発表され続けている。

一方、宮沢賢治作品の漫画化では、原作に忠実でありながら登場人物を猫の姿で表現するなどした。この作品群に関するますむら自身の考察は、『イーハトーブ乱入記』(1998年)に詳しい。またこの業績により2001年、宮沢賢治学会よりイーハトーブ賞が贈られている。さらに、このますむら版を原案とした1985年公開の劇場用アニメ「銀河鉄道の夜」は、100万人を動員する作品となった。

作品リスト

(括弧内初出年、掲載誌)

ヨネザアド・アタゴオルの物語

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その他の作品

  • コスモス楽園記(1986年 - 1989年、コミック・バーガー)ISBN 4594019323
  • 夢降るラビット・タウン(1989年? - 1999年?、(増進会出版社))
  • カリン島見聞録(19??年 - 19??年、王様手帳?(アド・サークル)) イラストと文による物語
  • ペンギン草紙(1988年、コミック・モエ(偕成社)) カリン島のシリーズ
  • オーロラ放送局(1992年 - 1993年、LCミステリー(学習研究社)) カリン島のシリーズ
    • 上. 1993年5月初版、ISBN 978-4056000672
    • 下. 1993年5月初版、ISBN 978-4056000665
  • 円棺惑星(1991年 - 1993年、眠れぬ夜の奇妙な話(朝日ソノラマ))
    • 朝日ソノラマ、1996年2月発売、ISBN 978-4257902683
  • アンダルシア姫(1993年 - 1996年、LCミステリー)
    • 学研〈ピチコミックスEX〉
      1. 1994年12月初版、ISBN 978-4056007640
      2. 1996年2月初版、ISBN 978-4056012422
      3. 1996年4月初版、ISBN 978-4056012903
  • 惑星ミマナ(1997年 - 2000年?)
    • ポプラ社〈POPLARコミックス〉
      1. 2002年6月初版、ISBN 978-4591072851
      2. 2002年8月初版、ISBN 978-4591073384
      3. 2002年10月初版、ISBN 978-4591073919

宮沢賢治漫画化作品

漫画以外の作品

その他

脚注

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外部リンク

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「mangaseek」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. なお、1975年からしばらく、青林堂に入社して働いていたこともある。筒井康隆編『'73日本SFベスト集成』の解説より。
  3.   テンプレート:Cite web
  4. 作品『母なる大地の子どもたち』では猫たちがアビイ・ロードのジャケット写真風に歩き、バングラデシュ・コンサートの映像を見て、感想を述べている。
  5. 作品『アタゴオル玉手箱』では、登場人物にビートルズの曲を歌わせ、曲名当てクイズにしている。