はえ座

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はえ座(蝿座、Musca)は、南天星座の1つ。天の南極に近く、日本の大部分の地域からは星座の一部さえも全く見ることができない。

主な天体

恒星

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  • α星:はえ座で最も明るい恒星。

新星

小さな星座で北半球からはほとんど見えないため、今まではあまり注目されることがなかったが、連星であるμ星に、1991年新星爆発が起こり(1991年はえ座新星)、日本のX線観測衛星 「ぎんが」 によってそのとき発生したX線が捉えられた。μ星のうち一方はブラックホールである可能性がある。

由来と歴史

テンプレート:See also はえ座は16世紀以降に作られた新しい星座であり、神話はない。

ペーテル・ケイセルフレデリック・デ・ハウトマンが残した観測記録を元にペトルス・プランシウス1597年に作成した地球儀に残したものが最初である。ヨハン・バイエル1603年に発刊したウラノメトリアでそれを引用したことにより世に知られるようになった[1]

1603年に刊行されたヨハン・バイエル星図ウラノメトリア』において、本星座はみつばち座APIS)と記されている。『ウラノメトリア』に記載されている別の星座・インドのみつばち座PARADYSVOGEL APIS INDICA)は本来、インドのとり座PARADYSVOGEL APUS INDICA)であったと考えられており、現在はふうちょう座Apus)となっているが両者の綴りが「Apis」「Apus」と酷似しており誤認の恐れがあると考えられたためか、17世紀から18世紀前半にかけて刊行された他の天文学者の星図においてジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョーリが「はち座、またははえ座」、ハレーが「はえ座、またはみつばち座」と記すと言った具合に表記上の混乱が生じている。結局、18世紀に入ってラカーユが「はえ座」(Musca)を採用したことを契機に名称を巡る混乱は収束した[2]

呼称と方言

日本では、かつて和名の正式な表記がはい座だった。「はい」はハエを意味する東京方言であり[3]、この表記は長らく使用されていたが1994年刊行の『文部省 学術用語集・天文学編』の増訂版よりはえ座に修正され、現在に至る。

出典

  1. テンプレート:Cite web
  2. Shane Horvatin – Obsolete Constellations: Apis
  3. 原恵 『星座の文化史』〈玉川選書147〉玉川大学出版部、1982年、115頁。

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