あろひろし

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テンプレート:Sidebar with collapsible lists あろ ひろし1959年5月15日 - )は日本漫画家

東京都出身。東京都立小岩高等学校およびデザイン学校を卒業。自画像は眼鏡をかけたワニ[1][2]で、初期の作品群『アリゲーター』シリーズの主人公としても使用されている。

別名義:ばたぁ健(ばたぁけん)、片今羅人(かたいまらひと)[3]

経歴

20歳の時に初めて漫画家を志し、絵を描き始める。1980年[4]、『スタートラブルスペコマE-1』で第13回赤塚賞準入選。デビュー後、秋本治アシスタントを1年半務める[5]

独立後は人気が伸び悩み、加藤唯史のアシスタントとなる。桂正和の代打として『とっても少年探検隊』でタッチを変えて復活し、『月刊少年ジャンプ』に移行して『優&魅衣』の連載を開始。「スタヂオぱらのい屋」開設後は、集英社を含む複数の出版社で作品を発表しつつ、今日に至る。

作風

上記以外の代表作として『ふたば君チェンジ』『ハンター・キャッツ』などが挙げられる。また、ライトノベル魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』(秋津透著)の挿絵も第9巻まで担当している。

作風としてはSF色の強いギャグ漫画が持ち味だが、シニカルでブラックな笑いや、ほのぼのとしたユーモアなどバラエティに富む作品が多い。『優&魅衣』の完結と共に「ギャグ漫画家」を卒業し「ギャグも描く漫画家」となったと宣言し、以降はシリアスなSFやホラーなども積極的に手がけるようになる[6]。強い影響を受けた作家として、星新一の名を挙げている。

自らを「比較的短い作品」向きのタイプと評し、それを裏付けるように読み切り作品の発表が多く、連載も長く続くことは比較的少ない[7]。連載期間の最長記録は、長らく『ふたば君チェンジ』の6年4ヶ月であったが、『ボクの社長サマ』の連載が8年10ヶ月続いた事によって更新された。[8]

執筆の際は、ネームを作らずに白紙に直接描き進めていくため、物語の流れや新登場するキャラクターの設定が当初の予定から大きく変化することがあるという。作者自身が単行本などで直接言及した例として、『若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味』の「加世」、『ソリャナイゼみるきぃライフ』の下着ドロボウ、『桃色物件』の「実輪音子」などが挙げられる。

人物

巨漢として知られ[9]、各方面でしばしばネタにされる(自らネタにすることもある)。また、師匠の秋本治曰く、本名は珍しい名前とのこと[10]

デビュー当時からコミックマーケットにも積極的に参加しており、第28回コミックマーケットにおいてはカタログの表紙イラストを手がけている。本業の漫画作品に見られる独創的な発想力は、同人活動においても、同人誌の内容はもちろんグッズや販売形態にまでも遺憾なく発揮されている。

現在はデジタルアーツ東京で講師を務めている。2006年頃に眼の病気を患い[11]、それ以来、片眼に近い状態で漫画を描いている。長らく独身であったが、2007年ごろに結婚した[12]

作品リスト

連載中の作品

単行本

日付は初版発行日。なお、芳文社発行の『ボクの社長サマ』『よめヨメかなたさん』『妖こそ!うつつの分校』以外の単行本はすべて既に絶版となっている。

  • ぶぎうぎアリゲーター(集英社漫画文庫:集英社)1983年12月25日
    • ぶぎうぎアリゲーター(ジャンプコミックスセレクションワイド判:ホーム社・集英社)1990年4月21日
  • おみそれ! トラぶりっ娘(ジャンプスーパーコミックス:創美社・集英社)1984年8月15日
    • おみそれ! トラぶりっ娘DX(デラックス)(ジャンプスーパーエース:創美社・集英社)1992年4月15日
  • とっても少年探検隊(ジャンプスーパーコミックス:創美社・集英社)1985年10月15日
    • とっても少年探検隊II[13](ジャンプスーパーコミックス:創美社・集英社)1993年3月9日
  • 優&魅衣ジャンプ・コミックス:集英社)1986年3月15日 - 1989年2月15日・全8巻
    • 優&魅衣(ジャンプコミックスセレクション:ホーム社・集英社)1995年8月26日 - 1995年12月13日・全5巻
  • MORUMO 1/10(少年キャプテンコミックス:徳間書店)1986年9月20日 - 1987年7月20日・全2巻
    • MORUMO 1/10(少年キャプテンコミックススペシャル:徳間書店)1994年10月5日 - 1994年11月10日・全2巻
  • TRICK STER(富士見ファンタジアコミックス:富士見書房)1988年10月31日
    • TRICK STER(ドラゴンコミックス:角川書店)1995年3月1日
  • 雲界の旅人(アニメージュコミックススペシャル:徳間書店)1989年5月1日
    • 雲界の旅人(少年キャプテンコミックススペシャル:徳間書店)1994年12月20日 - 1995年2月20日・全2巻
  • シェリフ(ジャンプ・コミックス:集英社)1989年10月15日 - 1990年4月15日・全2巻
  • ぱらのい屋劇場ジャンプコミックスデラックス:集英社)1989年11月15日 - 1991年3月15日・全2巻
  • 若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味(少年キャプテンコミックススペシャル:徳間書店)1990年6月20日
  • ふたば君チェンジ(ジャンプ・コミックス:集英社)1991年6月15日 - 1997年4月9日・全8巻
  • あろひろし作品集(ラポートコミックス:ラポート
    1. 封印 1991年8月1日
    2. たからもの 1993年3月15日
    3. 恋は芙蘭 1996年1月10日
    4. ぱらのい屋劇場[壱] 1998年8月25日
    5. ぱらのい屋劇場[弐] 1998年10月10日
    6. ちょっち お・と・な 1999年2月10日
    7. マジカル☆ヤンキー 2002年12月10日
  • ハンター・キャッツ(少年キャプテンコミックススペシャル:徳間書店)1993年10月10日 - 1996年11月25日・全5巻
  • 無敵英雄エスガイヤー(JETS COMICS:白泉社)1994年9月30日
  • ソリャナイゼみるきぃライフ(ノーラコミックス:学習研究社)1997年11月6日
  • みがわりアクシデンツヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ:集英社)1999年3月24日
  • 桃色物件(ピンクハウス)(Kyun Comics:コスミックインターナショナル)2000年1月18日 - 2002年4月1日・全3巻
  • おっきくなぁれ(Kyun Comics:コスミックインターナショナル)2000年11月1日
  • みこと日記(ダイアリー)(ジャンプ・コミックス:集英社)2002年3月9日
  • 科学の女体盛り(ぶんか社コミックス:ぶんか社)2002年12月10日
  • めい探偵網笠栗須!!(まぁるまんコミックス:ぶんか社)2004年5月10日
  • ボクの社長サマまんがタイムコミックス:芳文社)2006年7月22日 - 2013年2月22日・全6巻
  • よめヨメかなたさん(まんがタイムコミックス:芳文社)2010年9月22日 - 2013年1月22日・全3巻
  • 妖こそ!うつつの分校(まんがタイムコミックス:芳文社)2013年12月22日 - ・2巻まで(以下続刊)

小説挿絵

関連人物

師匠

アシスタント

知人作家

  • 沖由佳雄毛羽毛現 - 3人でグループを形成している。あろは2人の単行本のゲストページに寄稿している他、『優&魅衣』において沖は一コマだけ出演しており、毛羽毛に至っては主要キャラクターのモデルとなっている。
  • 矢野健太郎サトウ・ユウ(サーガ・ミオノ)、佐藤元 - 上記とは別に4人でグループを形成している。アンソロジーコミック4Spiritsプラス2』(ラポート)で共筆している他、3人とも『優&魅衣』の単行本のゲストページに寄稿している。
  • 帯ひろ志宮原ナオ永野護 - 上記の3人同様、『優&魅衣』の単行本のゲストページに寄稿している。また、宮原は『4Spiritsプラス2』にもゲスト参加している。
  • とみさわ千夏うすね正俊 - 2人とも秋本のアシスタント時代の同期である。
  • 一本木蛮 - 『優&魅衣』のイメージアルバムに、無頼出真理役として出演している他、『優&魅衣』本編にも一コマだけ登場している。
  • みやさかたかし - あろが芳文社の雑誌での仕事をするようになったきっかけを作った[14]

脚注

  1. 高校生時代、あろの友人が描いた「あろの似顔絵をワニにしたもの」が原型になっている。アンソロジー本『4Spiritsプラス2』(ラポート)6巻より。
  2. 2010年春頃に、自身のブログにて「眼鏡を新調した」と公表しており、それ以降に描かれる自画像では眼鏡のデザインが若干異なっている。
  3. いずれも『ヤングアニマル』(白泉社)での代理原稿掲載時に使用したペンネームである。
  4. デビュー作が掲載された『週刊少年ジャンプ』の号数が1981年2.3合併号だったため、1981年デビューとして扱われる場合もある。
  5. こちら葛飾区亀有公園前派出所』単行本22巻から28巻あたりまでを手伝っていたことが、同単行本56巻のゲストページにて明かされている。また『4Spiritsプラス2』6巻によれば、『こち亀』の前に一度だけ小谷憲一のアシスタントをしたことがあるという。
  6. 但し、それ以前にもギャグやコメディ要素の少ない作品を描くことはあった。
  7. 自身曰く「いつも思いつくアイディアに脈絡がないため、一つの作品で使い続けることが難しい」とのこと。1998年頃から2003年頃まで成人向け漫画雑誌を中心に活動していたのも、読み切り作品を定期的に発表できる媒体が他になかったため。単行本『おっきくなぁれ』あとがきより。
  8. もっとも4コマ漫画連載ゆえに一話あたりのページ数が少なく、単行本の刊行ペースが遅かったため、単行本の冊数で言えば『ふたば君チェンジ』のほうが多い。また、「ページ数」としての最長記録は『優&魅衣』である。
  9. 1998年8月の時点で身長181cm体重101kg。単行本『ぱらのい屋劇場[弐]』より。
  10. 単行本『ボクの社長サマ』1巻裏表紙より。
  11. 単行本『ボクの社長サマ』2巻あとがきより。
  12. 2008年の正月に、夫婦揃って初めての初詣に行っている。『まんがタイムジャンボ』2009年1月号および単行本『ボクの社長サマ』4巻より。
  13. 事実上の第2巻だが、出版目録上は別タイトルとして扱われている。
  14. ななみまっしぐら』単行本6巻より。

外部リンク

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