快傑ズバット
テンプレート:参照方法 テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『快傑ズバット』(かいけつズバット)は、東京12チャンネルの水曜日19:30-20:00枠にて、1977年(昭和52年)2月2日から9月28日にかけて全32話(本放映では2話分の再放送を追加)が放送された東映製作の特撮テレビドラマシリーズ、および劇中に登場する変身ヒーローの名称である。「怪傑ズバット」は誤記[1]。
目次
あらすじ
科学者の飛鳥五郎は、妹の勤める幼稚園へ地域掌握のため現れた暴力団・地獄組と対峙、命を狙われることとなる。しかしそこに妙な風来坊が現れた。その男は飛鳥の子供の頃からの親友であり、何をやっても日本一の私立探偵・早川健。地獄組の用心棒を追い払い、親友との再会に喜ぶ早川だったが、幼稚園バスに爆弾が仕掛けられているのを発見。園児たちを無事に避難させ、飛鳥は独りバスを安全な所まで運ぶが爆発で重傷を負ってしまう。
さらに姿なき敵の魔手は飛鳥の入院先の病院にまで伸び、再び爆発が起きる。混乱の中、飛鳥は軽機関銃の銃撃で蜂の巣にされてしまい、早川の腕の中で息を引き取った。
早川は飛鳥の残した設計図を頼りに、開発途中の宇宙探検用強化服「ズバットスーツ」、そして飛行能力を備えたスーパーカー「ズバッカー」を自力で完成させ、地獄組組長・地獄竜を倒す。しかし地獄竜は、飛鳥を殺したのは自分ではないと言う。では一体誰が? 友を殺した真犯人を突き止めるため、早川の復讐の旅が始まった。
本作の流れ
- 放浪する早川の行く手を悪の組織ダッカーの各地域のボスと、その手先である用心棒が阻む。用心棒は何らかの特技(早撃ち、居合、釣り、吹き矢、料理など)を持っており、自分がその分野で一番であると自負している。早川は「○○の達人、××[2]。ただし!その腕前は日本じゃあ二番目だ[3]。」と言って用心棒を挑発する。「ならば日本一は誰だ!?」との用心棒の問いに、早川はキザな口笛と舌打ち・深く被った帽子の鍔を押し上げる仕種とともに「オレさ」と自身を指差す。それに怒った用心棒は技を披露するが、早川はそれ以上の技を見せつける。それを見た用心棒は早川に敬意、もしくは畏怖を表して一旦退散する場合が多い[4]。
- 最後は用心棒およびボスと、変身したズバットとの戦いになる。勝利したズバットはボスを組み伏せ、「飛鳥五郎という男を殺したのは貴様か!?」と問い詰める。シリーズ後半になると、「2月2日、飛鳥五郎という男を殺したのは貴様か!?」と問い詰めるようになり、これに対してボス自ら「違う、その頃俺は○○にいて、××をしていたんだ…」などとアリバイを語って釈明する描写が付与された。ボスが飛鳥五郎殺害犯でないことがわかると、ズバットはボスにズバットアタック(一種の飛び蹴り)をくらわせ、戦闘能力を奪って気絶させる。ズバット自ら悪人を殺してしまうことはない。
- その後、「この者○○(今回の悪事の内容)犯人!」などと記したカードをボスの傍らに置いて立ち去り、しばらくして警察(東条)が駆けつけることが多い。
通常のヒーローものと違い、早川は旅の先々で出会うならず者の特徴は把握しているものの、彼らがダッカーの手先であることや、そのダッカーの存在を全くつかんでいないという、当時のヒーロー特撮作品のパターンとは異なる設定である。ダッカー配下の組織は、毎回同じコスチュームの戦闘員が登場するものの、早川がダッカーの存在を認識するのは最終話間近だった。
登場人物
主な登場人物
- 早川健 / 快傑ズバット
- 黒いウェスタンルックに身を包み、白いギターを背負ったさすらいの私立探偵。正義感が強く、困っている人は見過ごせない、人情に厚い男。武芸百般だけでなくあらゆるスポーツや雑技に通じており、ダッカーの用心棒との技比べでも負けたことがない、「何でも日本一」の男。2月2日(第1話の放送日)に殺された親友・飛鳥五郎の仇を探して日本中を旅している。飛鳥が生前に遺した設計図から強化服ズバットスーツと特殊自動車ズバッカーを作り上げ、快傑ズバットを名乗って悪をくじき、弱き人たちを助ける。
- 非常にキザな男であり、姿を現すときはズバットスーツが収納された白いギターを抱え、飛鳥五郎作の「二人の地平線」を手袋をはめたまま弾き語りで登場する。黒いテンガロンハットに黒いレザーのジャケットとパンツ[5]といういでたちで、その物腰は小林旭主演の日活映画『ギターを持った渡り鳥』および「渡り鳥シリーズ」をイメージさせる。
- 飛鳥みどり
- 飛鳥五郎の妹。18歳。ふたば幼稚園の保母をしていたが、兄が殺された後は早川の後を追う。早川に好意を持っている。
- 寺田オサム
- 早川を慕う少年。早川の助手になろうと、みどりとともに後を追う。
- 東条進吾
- 警視庁八課の課長を務める優秀な刑事。26歳。早川とは大学時代からの友人。ズバットの正体を知る唯一の人物であるが、刑事としてはズバットの暴力行為を黙認する訳にはいかず、友情と職務の板ばさみの状態となっている。悪を憎む心は人一倍強いが、それゆえ、何も知らずに利用されているだけの少女にまで怒りを向けることもあった。白鷺れい子という婚約者がいる。
- 飛鳥五郎
- 早川の親友。自称「山登りが好きな貧乏学者」。優れた科学者でズバットスーツやズバッカーも彼が宇宙探検用に設計した物である。ダッカーの真の支配者・総統Dの正体を知ったために命を狙われることになる。ダッカーの襲撃で瀕死の重傷を負うが、入院先に再びダッカーの刺客が現れ飛鳥を銃撃、早川に看取られて最期を迎えた。法名は「法雲道五成居士」。
- 番組のOPだけでなく、早川の回想シーンには、飛鳥が凶弾に倒れる姿がたびたび登場する。
ダッカー
日本中の暴力団やギャング団全てを陰で支配する悪の大組織。警察もその実体を掴んでおらず、早川も物語終盤になるまでその存在を知らずにいた。ダッカーの構成組織のボスはほぼ全員がDのマークを身につけており、銃刀類や車両などの備品はもちろん、戦闘員が着用する帽子やネクタイ、計器類や弾丸にまでDの文字が刻まれている。配下の戦闘員もほぼ同じ服装で統一されているテンプレート:Refnest。当初は首領Lが組織のリーダーと思われていたが、終盤に真の首領・総統Dが姿を現す。
- 首領L
- ダッカーの首領。普段は屋敷から配下たちに命令を下しており、目的達成にてこずっている者や自分達に都合の悪い失態を犯した者に対しては鉄拳制裁や机に仕込んでいた飛び道具を当たらない程度に銃撃しては叱咤し、一方で成績の良い者や自分達に都合のいい事をした者に対しては褒めている。武器はブーメラン。飛鳥の仇ではないかと疑われたが、真の首領である総統Dの手駒に過ぎなかった。天海山三兄弟によって口封じのために殺害される。
- 天海山三兄弟
- 第31話から登場。ダッカーの最高幹部である竜天丸・竜海丸・竜山丸の三兄弟。総統Dの用心棒も務め、マシンガンや刀の仕込まれた金剛杖を武器にする。総統Dの事を喋った首領Lを口封じの為に処刑した。最終決戦ではシルベール製のスーツをまとってズバットと戦うも、三人纏めて敗北する。
- 総統D / 神竜伸介
- 第31話から登場。ダッカーとの最終決戦間近に現れた国際秘密警察の捜査官で、東条とは中学時代からの親友。抜群の記憶力を持っており、変装の名人でもある。
- その正体は「人前に姿を現す時はその人間の死ぬ時だ」と言われている、ダッカーの真の首領にして、自身の正体を知った飛鳥五郎を殺害した張本人。黄金の覆面で素顔を隠しており、首領Lをスケープゴートにしてやり過ごそうと画策した。最終決戦では天海山三兄弟と共にシルベール製のスーツをまとい、ズバットスーツをボロボロにする機関銃を手に、ズバットと激闘を繰り広げる。
その他
- 石森選手
- 第10話に登場。プロ野球チーム「Big hunds」の人気選手。黒やもりに命を狙われるも、すんでのところでズバットに助けられた。
- 演ずるのは本作の原作者、石森章太郎である。
- 鶴間千代
- 第21話に登場。早川の実の母親。22年前に当時4歳だった健を残して家を出ていた。現在は大物財界人・鶴間勇吉と結婚して娘・冴子を儲けている。夜桜組に狙われた際に健と再会するも、現在の生活を守りたい一心から彼を拒絶してしまう。
- 鶴間冴子
- 第21話に登場。鶴間勇吉と千代の娘で早川の異父妹。身代金目当てに夜桜組から狙われる。身を呈して自分達を守ろうとする早川の事を兄だと確信するようになる。
- 白鷺れい子
- 第24話に登場。東条進吾の婚約者だが、早川は彼女に一目惚れしてしまう。恋人よりも職務を優先する東条の気持ちを確かめるべく彼に会おうとした所を、天山会に狙われる。
- 皆川理沙
- 第31話から登場。飛鳥五郎の恋人。飛鳥の死後、彼の研究を引き継ぎズバットスーツの十倍も強力な特殊合成繊維・シルベールを完成させた。ズバットにシルベール製のスーツを託そうとするが、ダッカーに襲われる。ちなみに、早川は彼女の存在を知らなかった。
快傑ズバット
早川健がズバットスーツを着用した姿。登場時の決めゼリフは「ズバッと参上、ズバッと解決。人呼んでさすらいのヒーロー!快傑ズバット!!」。その口上の後、対峙した相手の罪状を並べたて、「許さん!」と一喝し、戦闘開始する。早川が脱出不能なピンチに陥り、死んだと思われた次の瞬間、飛来するズバッカーの爆音とともにズバットが登場する。ジャンプ力は400メートル、走力はマッハ7。武器は、ズバットのトレードマークを模したZ型の赤い柄を持った鞭[6]で、厚さ20センチの鉄板を切り裂く威力に加え、振り回すだけで敵集団の放つマシンガンの弾丸を全て叩き落とせる。鞭の柄は敵に突き刺すことも可能。得意技はズバットアタックと、鞭で敵を投げ飛ばす天地返し。
- ズバットスーツ
- 飛鳥五郎が設計した宇宙探検用強化スーツが基となっており、普段は早川のギター(飛鳥の形見)の中に収納されている。収納ギミックは、ギターのボディ裏面に付けられた観音開きの扉が開閉する場合と、ボディ裏面全体がネックとの接合部付近を軸にしてボディと平行に回転する場合がある。
- スーツの活動時間には5分間という制限がある。残り1分を切るとヘルメットの両耳部分にあるタイマーが警告ブザーを鳴らす。時間切れでスーツは着用者ごと爆発してしまう。タイムリミットまでにヘルメットのマスク・バイザーを解除するなど機能を停止すれば爆発はしないが、これは同時にパワーアシスト機能が消えることで、直立しているのがやっとの猛烈な重さになり、全く動きが取れなくなる(“残り50秒”で早川はズバットアタックを振るい、相手を叩きのめす)[7]。早川はこのデメリットを解消すべく密かに研究を続けていたが、最後まで未完成であった。
- 設定ではズバットスーツは怪力を生みガード能力もかなり高いとされている。劇中でも、10トンの重量に耐える特殊鋼の鎖を引きちぎる怪力を見せたり、実験で鉄棒でズバットスーツを殴ると鉄棒のほうが折れた。第3話では、敵の拳銃を手で丸めてしまうシーンもあった。
- ズバッカー
- 原子力エンジンが搭載された最高時速350kmのスーパーカー。飛鳥の月面探査車の設計図を元に早川が完成させた。後部に大型ファンを搭載し、飛行も可能。
客演情報
- 『うたう!大龍宮城』
- 9話でサメの妄想の中、自分を救ってくれるヒーローとして登場。ズバットスーツ着用時の姿のみで台詞も無くズバットという名称も出ない。ちなみに、サメを指揮棒で叩いていた親方を演じていたのは、本作で東条進吾を演じた斉藤真。
- 『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』
- 仮面ライダー以外のヒーローの代表として、キカイダー・キカイダー01・イナズマンとともに登場。Z剣で敵をZ字に切り裂く必殺技「ズバットビュート[8][9]」をジェネラルシャドウに放つ。素顔は登場しないが、宮内洋が声を当てている。
キャスト
レギュラー
- 次回予告では「ズバットの真似は危ないから絶対しないでね」と視聴者への呼びかけがあった。
主なゲスト
役者の左の括弧内は登場話数。ダッカー関係のゲストは放送リストを参照。 テンプレート:Div col
- 飛鳥五郎:岡崎二朗 (1)
- 彦左:柳谷寛 (2)
- しずか:大関優子 (3)
- 山根:水村泰三 (3)
- 沢村誠:菅野直行 (4)
- ミチル:佐久間真由美 (5)
- 香代子:松風はる美 (6)
- 英次:溝口舜亮 (7)
- 大倉:久野四郎 (7)
- 新吉:鈴木恒 (8)
- 美樹:萩原奈穂美 (8)
- 中根丈太郎:長島隆一 (9)
- 竜一:佐野光洋 (10)
- 川口:若尾義昭 (10)
- 石森選手:石森章太郎 (10)
- 山本良介:五藤雅博 (12)
- 山本夕子:田村みどり (12)
- 山浦京介:西塚肇 (13)
- 香城美枝子:谷川みゆき (13)
- 美登:遠藤真理子 (14)
- 繁樹:立花直樹 (14)
- すえ:新村礼子 (15)
- 大月しほり:大山いづみ (16, 17)
- 橋本刑事:滝川潤 (16, 17)
- 綾小路:相原巨典 (16, 17)
- 露草アンヌ:嶋めぐみ (18)
- 白野紅児:高橋英郎 (18)
- マチ子先生:結城なほ子 (18)
- 八鹿いぶき:遠藤薫 (19)
- 石上新也:寺泉哲章 (19)
- 石上厳:山田禅二 (19)
- 加村令香:毬杏奴 (20)
- 鶴間千代:福田公子 (21)
- 鶴間冴子:斉藤浩子 (21)
- 矢川丈二:武内亨 (22)
- 矢川元:大谷進 (22)
- 大神小雪:大森不二香 (23)
- 大神嵐子:芝村洋子 (23)
- 大神霧子:小野恵子 (23)
- 白鷺れい子:後珠美 (24)
- 吉良崎直也:池田駿介 (25)
- 希久子:林美樹 (25)
- 小山内勇治:穂高稔 (26)
- 小山内きよし:長谷川誉 (26)
- 川奈和彦:伴直弥 (28)
- 吉村:西田昭市 (28)
- 剛田:山崎純資 (28)
- 圭子:紺あき子 (28)
- 阿久根:森裕介 (28)
- 岩造:外野村晋 (29)
- レナ:山吹まゆみ (29)
- タケル:藤原哲也 (29)
- ミチ:蝦名由紀子 (29)
- 乙部美樹:有吉ひとみ (30)
- 乙部医師:河合絃司 (30)
- 青山医師:杉田明夫 (30)
- 皆川理沙:松木聖 (31, 32)
- 神竜伸介:矢吹二朗 (31, 32)
スタント・スーツアクター
スタッフ
- 原作:石森章太郎
- 連載:テレビマガジン、おともだち、たのしい幼稚園、テレビランド、冒険王(第5話 - )
- 企画:平山亨
- プロデューサー:小野耕人(東映テレビ事業部)、近藤伯雄(東京12チャンネル)
- 脚本:長坂秀佳、滝沢真里(第7話)、田口成光(第12話)
- 撮影:いのくままさお、藤本茂
- 美術:森田ふみよし、野本幸男
- 監督:田中秀夫、奥中惇夫、小西通雄、広田茂穂
- 助監督:小笠原猛、辻理、加島忠義
- アクション監督:高橋一俊(ビッグアクション)
- 音楽:京建輔
- 音楽制作:MCS
- キャラクター造形(ノンクレジット):開米プロダクション
- 特撮:関山和昭(特撮研究所)
- 特撮監督(ノンクレジット):矢島信男
- 制作:東映、東映エージェンシー
主題歌・挿入歌
- オープニングテーマ:「地獄のズバット」
- 作詞:石森章太郎 作曲:京建輔 歌:水木一郎
- エンディングテーマ:「男はひとり道をゆく」
- 作詞:八手三郎 作曲:京建輔 歌:水木一郎
- ミディアムテンポ、カントリー調のエンディング曲。基本は本編とジョイントされ歌の終了で「つづく」のテロップが出る(最終回のみ「おわり」)。
- 挿入歌:「二人の地平線」
- 作詞:八手三郎 作曲:京建輔 歌:宮内洋
- 劇中では飛鳥が作った歌という設定。第1話から毎回のように早川が歌ったりギターで演奏したりしている[12]。第10話では早川が飛び入りでバンドとセッションするという、劇中世界では有名な歌であることを窺わせるシーンがある。
放送リスト
放送日 | 話数 | サブタイトル | ダッカーの下部組織 | 組織のボス | 用心棒 | 技 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2月2日 | 1 | さすらいは爆破のあとで | 地獄組 | 地獄竜(演:佐藤好将、 声:依田英助) |
ランカーク (演:上野山功一) |
拳銃 | 田中秀夫 |
2月9日 | 2 | 炎の中の渡り鳥 | ブラックハート団 | ブラックスター(演:湯浅 洋行、声:北山年夫) |
風 流之介 (演:天本英世) |
居合 | |
2月16日 | 3 | 悲しき純金の天使 | 金バッジ連合 | 金仮面(演:橋本春彦、 声:島田彰) |
殺し屋ジョー (演:森裕介) |
投げナイフ | 奥中惇夫 |
2月23日 | 4 | 涙の敵中突破 | 鬼勘一家 | 鬼の勘三(演:高杉玄) | ワルツ・リー (演:大杉雄太郎) |
拳法 | |
3月2日 | 5 | 花売り少女と白い粉 | 紅バラ連盟 | 紅蜘蛛(演:中庸介) | 必殺ハスラー (演:日高晤郎) |
ビリヤード | 田中秀夫 |
3月9日 | 6 | 海にほえるマシンガン | 海賊党 | 海賊キッド (演:岩城力也) |
レッドボワ (演:滝波錦司) |
トマホーク | |
3月16日 | 7 | 悪い風だぜ港町 | マイナス団 | 不死身の道斎 (演:関山耕司) |
グレートコング (演:ミスター珍) |
怪力 | |
3月23日 | 8 | 悲しみのプロパン爆破 | まむし平和会 | ミッキー蛇山 (演:堺左千夫) |
地獄市(演:三夏伸) | 仕込み杖 | 奥中惇夫 |
3月30日 | 9 | 涙の河を振り返れ | TTT団 | 鉄の爪(演:原田君事) | 釣師十兵衛 (演:三島新太郎) |
爆弾釣り | 田中秀夫 |
4月6日 | 10 | 野球の敵を場外に飛ばせ | 黒やもり組 | 黒やもり(演:小沢章治) | ペット吹きのトミー (演:藤井智憲) |
トランペット吹き矢 | 奥中惇夫 |
4月13日 | 11 | 死ぬな友よ! 危機一秒前 | タイガー団 | ゴッドタイガー (演:夏木章) |
黒のゴルファー佐丹 (演:守屋俊志) |
ゴルフ | 田中秀夫 |
4月20日 | 12 | 死刑執行10秒前 | 暗闇組 | 暗闇組組長 / 署長 (演:中田博久) |
ブーメランジャック (演:石川敏) |
ブーメラン | |
4月27日 | 13 | 少年殺し屋のバラード | さそり組 | 毒さそり(演:松本敏男) | 虚無僧三郎太 (演:中井啓輔) |
尺八ボウガン | 小西通雄 |
5月4日 | 14 | 白羽の矢 涙の別れ | 赤耳一家 | 赤耳(演:藤山浩二) | カーペンター甚十郎 (演:加地健太郎) |
大工 | |
5月11日 | 15 | 哀しき母の子守り歌 | 狼党 | ウルフガイ (演:金井進二) |
駒太夫 (演:佐藤久美子) |
独楽 | |
5月18日 | 16 | 殺しのぬれぎぬ 哀しみの健 |
ナチス連合会 | ナチスジャガー / 大月春彦 (演:倉石功) |
バーテン左京次 (演:菊地太) |
ダイス振り | 田中秀夫 |
5月25日 | 17 | 嘆きの妹 ふたりの健 | フォーク投げ | ||||
6月1日 | 18 | 危うし! シャボン玉の恋 | 黒ひげ党 | 黒ひげ / 栗須伸(演:松川勉) | 死神サミー (演:辰馬伸) |
アメフト | |
6月8日 | 19 | 悲恋 破られたラブレター | デビル団 | セントデビル (演:阿藤海、声:渡部猛) |
レッドフォード (演:横山繁) |
鎖鎌 | 広田茂穂 |
6月15日 | 20 | 女ドラゴン 涙の誓い | 青十字軍 | 十文字青兵衛 (演:三谷昇) |
レッドドラゴン (演:川村真樹) |
中国拳法・八卦掌 | |
6月22日 | 21 | さらば瞼の母 | 夜桜組 | 夜叉丸(演:平野稔) | コック伊魔平 (演:丸岡奨詞) |
皿投げ | |
6月29日 | 22 | 少年ボクサー 涙の父 | Z団 | ミスターZ (演:若尾義昭) |
カネアス・ドレイ (演:戸塚孝) |
ボクシング | 田中秀夫 |
7月6日 | 23 | 大神家一族の三姉妹と 天一坊 |
紅狐党 | 紅フォックス (演:小林勝彦) |
ダンディハリー / 大神天一 (演:南城竜也) |
手品 | |
7月13日 | 24 | 涙の健 見知らぬ街の恋人 | 天山会 | ドン天山 (演:富田仲次郎) |
ウリ・ケラー (演:宇田郁馬) |
筮竹投げ | |
7月20日 | 25 | 荒神山 涙の別れ | 血起党テンプレート:Refnest | 鬼大尉(演:北町嘉朗) | ダルタニアン (演:小沢章治) |
二刀流フェンシング | 広田茂穂 |
8月3日 | 26 | 許せ! 我が子よ | ブラック連合 | ムッシュ神 (演:小笠原弘) |
ドクウッディ (演:鮎川浩) |
注射、メス | |
8月10日 | 27 | 意外! 飛鳥殺しの犯人?! | おろち党 | ボス蛇丸(演:高杉玄) | 風の右近 (演:山本昌平) 雷の左近 (演:種村まり子) |
弓術 フィルムの鞭 | |
8月24日 | 28 | そして、誰も居なくなる | 邪悪党 | 悪天坊(演:滝波錦司) | ブラックローズ (演:桐嶋好夫) |
手裏剣 | 田中秀夫 |
8月31日 | 29 | 父母なき子 涙の復讐 | 赤永会 | 闇の黒兵衛 (演:堀田真三) |
テニスの陣太郎 (演:畠山麦) |
テニス | |
9月14日 | 30 | 悲しき生と死の間に | グレン団 | キングボー(演:大泉滉) | ガラバー (演:田所千津子) |
槍 | |
9月21日 | 31 | 対決! 真犯人首領L? | ― | 首領L | 竜天丸(演:仙波和之) 竜海丸(演:佐藤好将) 竜山丸(演:守屋俊志) |
仕込みマシンガン | 広田茂穂 |
9月28日 | 32 | さらば斗いの日々、そして | 総統D |
- 8月17日に第3話、9月7日に第4話が再放送されている。
- 2008年3月に『とことん! 石ノ森章太郎』第3夜において最終話である32話が放送された。
本作の背景
本作の企画や世界観を語るうえで小林旭主演の日活映画「渡り鳥シリーズ」が参考とされ、大きく影響している事が知られているテンプレート:Sfn[13][14][15][16]。本作の企画を立ち上げた鈴木武幸は松竹大谷図書館に通って「渡り鳥シリーズ」の台本を読むなどしたが、多忙の為、第1・2話のホン直しの時点で降板となった[17]。メインライターを務めた長坂秀佳は日活の「渡り鳥シリーズ」をほとんど観たことがなく、「人に聞いた大体の雰囲気で書いた」と語っている[18][14]。
元々は『超神ビビューン』(NETテレビ)の後番組として企画されていたが、『忍者キャプター』が打ち切りとなったためその後番組へ変更されたテンプレート:Sfn。『ビビューン』の後番組にはテレビアニメ『氷河戦士ガイスラッガー』が製作された。
1977年9月28日を最後に終了した本作ではあるが、高視聴率であったにもかかわらず想定外の終了を惜しんだ小野プロデューサーは、のちに1時間枠で本作の再開を図っていたとされる。
補足
当時東京12チャンネルが製作に関わったアニメ・特撮作品の中でも高視聴率をマークしたのがこの『ズバット』であり、3月9日に放送した第6話では15.5%に達した。企画当初は1年間の放送予定だったが、関連玩具の売れ行き不振[19]などを理由にスポンサーだったタカトクトイスが降板したため、32話で打ち切りになった[14]。実際、番組の人気は、製作側が設定していた年齢層より上の年代が中心で、それがキャラクター商品の不振の一因ともなった。当時の東京12チャンネルは系列局がなく(中京、近畿では独立UHF放送局がその代わりをしていた)、リアルタイムで観られなかった地域も存在した(北海道地区など)[13]。第1話から最終回まで全国ネット放送されていない、東映特撮ヒーロー史上唯一の作品である。
しかし脚本のほとんどを執筆した長坂秀佳の独特の世界観、そして主人公・早川健を演じる宮内洋の独特の台詞回しと軟硬自在の演技などで、数々の特撮ヒーロー番組の中でマイナーながらも稀有な存在となっている。また、宮内は番組終了直後、『ジャッカー電撃隊』のテコ入れ策として行動隊長・ビッグワン役でレギュラーに加わった際には、役作りの上で早川健のテンションが高く誇張した芝居が大きく影響し、主役の四人以上の存在感で、手下同然に見えてしまうような状態だったという。
メインライターの長坂は全32話中30話を執筆しているが、2話分(第7話と第12話)を他の脚本家に任せたのは「1年続くと思っていたので、一人では全部書けないと思ったから」とのこと。しかし、作風の違いが目立ったため、残りは自分で書くことになった。結局32話で終了したため「そうなると最初から分かっていれば全部自分で書いた」とも語っている。
放映前に『テレビマガジン』誌上で大鉄人17とともにタイトル公募されていた。
東京12チャンネル(現・テレビ東京)以外のネット局
- 札幌テレビ(STV):土曜17:00 - 17:30
- 東日本放送(KHB):土曜07:30 - 08:00
- 中部日本放送(CBC):木曜17:30 - 18:00(1977年2月 - 3月)→木曜17:25 - 17:55(1977年4月 - 9月)
- 関西テレビ(KTV):日曜11:00 - 11:30
- テレビ西日本(TNC):土曜18:00 - 18:30
- 熊本放送(RKK):木曜17:00 - 17:30
- 富山テレビ(BBT):月曜16:50 - 17:20
他媒体展開
映像ソフト化
※すべて東映ビデオより発売。
- ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)は傑作選の全4巻がリリースされている。
- 1993年10月から1994年4月にかけて、LDが発売。全4巻、各2枚組。各巻8話収録。なお、最終巻である第4巻の発売にさきがけたインタビューで、宮内洋が初回出荷分全部の商品に直筆サインを入れることを表明、明言通りに初回出荷分全品の表ジャケットに金色マジックペンで直筆サインを入れた。
- 2000年2月21日にVHSとLDで総集編『快傑ズバットメモリアル』が発売された[20]。
- 2004年9月21日にDVD-BOXが発売。
- 2008年1月21日から3月21日にかけて単品のDVDが発売された。全3巻の各2枚組で各巻11話(Vol.3のみ10話)収録。
- 2008年7月21日発売の『石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX』に第1話が収録されている。
再放送
- 1999年5月から9月まで、東映チャンネルの「石ノ森章太郎劇場」枠で再放送が行われた。2000年1月から2月まで、「アンコールアワー」枠で再び放送された。
- 2002年8月から2003年4月まで、ファミリー劇場で再放送が行われた。2003年6月にはアンコール放送が行われた。2002年秋の番組宣伝、キャンペーンクイズ出題には宮内洋が登場し、2003年2月の広報番組『ファミリー探検隊』にも宮内がゲスト出演した。
- 2012年11月から2013年2月まで、Youtubeの「東映特撮 YouTube Official」にて配信が行われたほか、2014年8月4日から再配信が行われている。
映画作品
- 『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』
- 『仮面ライダーオーズ/OOO』と『仮面ライダー電王』の映画作品。ズバットが登場。
漫画作品
『テレビランド』では細井雄二がコミカライズを担当。初回はシリアスだったが、2回目より2頭身ギャグに路線変更された。
聖悠紀の作画で『テレビマガジン』1977年4月増刊号に掲載。本編第2話を基にしているが、随所にギャグが挿入される、用心棒がズバットの正体に気付くなどのアレンジが施されている。1981年に徳間書店より刊行された『アニメージュコミックス』の『忍者キャプター』第2巻に収録された。
テレビゲーム
- ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス
- 飛鳥五郎が登場。この作品では、仮面ライダーV3こと風見志郎が早川健の格好及び設定で登場する(風見は宮内洋が演じていた事からのネタ)。今回はモグラ獣人が用心棒役として勝負する。なお、飛鳥五郎を殺したのはドクトルGとなっている。
- スーパーヒーロー作戦
- スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望
- コンパチヒーローシリーズ初登場作。一作目では宇宙刑事ギャバンこと一条寺烈から宇宙刑事アランと見間違えられる台詞がある(彼の服装がアランと似ているのもあるが)。作中では宇宙刑事と行動することが多い。ゲーム内では彼の実力は「日本一」から「宇宙一」に変更された。なお、この作品のCMで同じ宮内洋が演じた風見志郎と早川健の夢の競演がなされている。
カードゲーム
パロディ
- 快傑のーてんき
- 作品全体が本作のパロディ。
- 燃える!お兄さん
- 早見姿郎というズバット(早川健)と仮面ライダーV3(風見志郎)を元にしたキャラクターが登場。
- バトルゴルファー唯
- 怪傑ディボットというズバットを元にしたキャラクターが登場。主人公にアスカ ジロウを殺した人間かを尋ねたり、主人公のゴルフの腕前を日本では2番目だと言ってくる。
- ポケットモンスター ダイヤモンド&パール
- 「072戦隊Gレンジャー 」
- みひろ演じるシンがギターを持ちながら舌を打つという早川健のパロディを行った。
特撮
宮内洋自身が早川健に近い役を演じた作品もここに記載する。ズバットの客演については、#客演情報や#他媒体展開を参照。
- スパイダーマン
- 宮内洋演じる、早川健にそっくりな刑事・立花豪がゲストとして31話に登場する。
- 10号誕生!仮面ライダー全員集合!!
- 宮内がかつて演じた『仮面ライダーV3』の変身前・風見志郎として出演するが、衣装はテンガロンハットを用いるなど、早川健を意識したものとなっている。
- 宇宙刑事ギャバン
- 宮内演じる、宇宙刑事アランが早川健そのものの姿で30、31話に登場。ギターではなくショットガンを携帯。
脚注
参考文献
- 仮面ライダーがエントツの上に立った日 : 2004年初版、著者:奥中惇夫、発行:筑摩書房
- 快傑ズバット大全 : 2002年初版、発行:双葉社
- 講談社X文庫 メーキング・オブ・東映ヒーロー(1) アクションヒーローの世界 : 1987年初版、発行:講談社
- テレビマガジン特別編集 テレビマガジンヒーロー大全集 : 1987年初版、発行:講談社
- ファンタスティック・コレクションNo.49 快傑ズバット : 1985年初版、発行:朝日ソノラマ
- アニメージュコミックス 忍者キャプター第2巻 : 1981年初版、著者:聖悠紀、発行:徳間書店
- テレビマガジン4月号増刊(1977年初版、発行:講談社)に掲載された本作のコミカライズを収録。
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- ↑ 東映ビデオ発売のVHSラベルなどに表記。
- ↑ 「知ってるさ、有名ですからね」と相手をおだてておいてから言う場合もある。
- ↑ 外国人の用心棒レッドボワの場合は枠が日本から世界に広がり、バーテン左京次との二度目の技比べでは、彼が「世界一」と豪語したため、その上を行く「宇宙一」と称している。
- ↑ 第6話のレッドボワとのトマホーク投げで、勝負に負けたレッドボワが悔し紛れにトマホークを早川に投げ付けたシーンがあり、第29話のテニスの陣太郎とのテニス対決では、勝利した早川は、周りにあった木をテニスボールでなぎ倒して、その隙に子供たちとともに逃げた際、陣太郎から「隠れるのも日本一か!」と言われた。
- ↑ 番組後半は夏季にかかるため多少の変化があるが、白いベストとズボンにテンガロンハットという基本的にほぼ同一のスタイル。しかし、最終話でのラストシーンの飛鳥の墓の前で「仇を取った」と語りかける時には、今までの白いベストとズボンが、黒いレザーのジャケットとパンツ姿になっていた。DVDの特典映像などで宮内洋が語ったところによれば、この変更は彼の「わがまま」によるものだそうである。
- ↑ 公式設定では、Z剣と書かれているものも存在するテンプレート:Full。
- ↑ 31話では「5分過ぎると鉛のように重くなる」という設定に変更されていた。
- ↑ 『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』コレクターズパック特典DVDの「データファイル」より。
- ↑ 脚本ではズバットアタックだったが、映像では異なる技になっていたため、急遽技名を変更したとのこと(『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』パンフレットより)。
- ↑ 田中公平はラジオ番組『青春ラジメニア』では「一竿三味線」であると述べていたが、作曲を手掛けた京自身は薩摩琵琶であると語っている(『快傑ズバット大全』182頁のインタビューより。『科学戦隊ダイナマン』でも琵琶の音が使われているが、こちらはシンセによるもの)。
- ↑ 『快傑ズバット大全』182頁のインタビューより。本作では他の楽器演奏と一緒に実際に薩摩琵琶奏者が演奏しているが、バチを腹板(ボディ)に叩きつける特殊な奏法ゆえに琵琶が傷つく恐れがあるため、琵琶奏者からは「何回もやりたくないから、やるのは3~4回まで」と念を押されたという。なお、この縁で後に京がアレンジを手がけた坂本冬美の「火の国の女」でも同じ琵琶奏者が演奏を務めている。
- ↑ 早川が演奏しているアレンジバージョンは、実際には2本のギターが使用されている。作者の京によれば、「宮内さんはギターが弾けないと聞いていたから、主人公がギターを弾くシーンはないと思っていた」ともともとギターソロ用に書かれていなかったことを明かしている。(『快傑ズバット大全』183頁のインタビューより)
- ↑ 13.0 13.1 テンプレート:Harvnb
- ↑ 14.0 14.1 14.2 テンプレート:Harvnb
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 宮内洋は自著『ヒーロー真髄』の中で、このことを美空ひばりに指摘されたと語っている。
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ 『メーキング・オブ・東映ヒーロー(1)』インタビューより。
- ↑ 長坂秀佳は『快傑ズバット大全』でのインタビューで「玩具が売れるような内容を要求されても聞かなかった」と発言。それに対してインタビュアーが「(確かに)当時観ていて、自分も玩具が欲しいと思わなかった」と言葉を返し、長坂を苦笑させた。
- ↑ テンプレート:Cite book