サンライズ号 (高速バス)
サンライズ号(サンライズごう)は、京都府・大阪府・兵庫県と熊本県を結ぶ夜行高速バスである。
当初は大阪 - 熊本間の路線として開業したが、熊本 - 京都間を運行していた「京都号」、熊本 - 神戸間を運行していた「トワイライト号」を事実上統合して現在の形となった。本項では京都号についても解説する。なお、トワイライト号についてはトワイライト神戸号を参照のこと。
また、この項においては2012年8月1日より運行開始したサンライズ号の格安便とも言える熊本 - 大阪・京都線「あそ☆くま号」についても併記する。
目次
[非表示]運行会社
サンライズ号・あそ☆くま号共通
- 九州産交バス
- 担当営業所:本社・熊本営業部高速バス営業所
- 近鉄バス
- 担当営業所:京都営業所
沿革
- 1988年7月8日 近畿日本鉄道(当時:現在の近鉄バス)と九州産業交通(同:現在の九州産交バス)の共同運行により「サンライズ号」開業(大阪 - 熊本)。当初は大阪のターミナルは上本町バスセンターのみであった。
- 1988年12月 「サンライズ号」、新たにあべの橋バスステーションに停車する事に。
- 1990年10月19日 京阪バスと九州産業交通の共同運行により「京都号」(京都・枚方 - 熊本)開業。
- 1997年4月 「サンライズ号」、新たに大阪なんば(OCATビル)に停車する事に。
- 1999年2月2日 京阪バスが「京都号」の運行から撤退(予約・発券業務はその後2002年5月31日まで継続)。「京都号」は九州産交1社による運行となる。
- 2001年4月 「サンライズ号」、新たにUSJに停車[1]。
- 2002年6月1日 既存の「サンライズ号」と「京都号」を統廃合する形で、近鉄バス・九州産交の共同運行により新たに京都・大阪 - 熊本線として新生「サンライズ号」開業。この際に、USJならびに上本町への乗り入れを廃止。また大阪 - 京都間は「京都号」の枚方経由から名神高速経由へと変更され、京阪による運行支援を終了。近鉄バスの担当はこれまでの八尾営業所から京都営業所に変更。さらに、この時期より近鉄便のみ36人乗り2階建て車両による運行を開始(原則1号車のみ)。
- 2003年9月1日 大阪市内で梅田に新たに停車。
- 2010年12月1日 トワイライト神戸号(尼崎・神戸 - 熊本・鹿児島)の運行休止に伴い、関西と熊本県南部間の利便性低下を防ぐため、サンライズ号となんぷう号(熊本交通センター - 新八代駅・人吉IC間のみ)との間で乗継割引を実施[2][3]。
- 2011年4月1日 三宮バスターミナル(ミント神戸)、熊本駅前、西部車庫へ乗り入れ開始。九州産交バスは、「熊本駅前」停車によりJRへの乗り継ぎがスムーズとなり、「西部車庫」停車によりパーク&バスライドが利用可能となり、また「三宮バスターミナル」停車により、かつての熊本 - 神戸間「トワイライト号」利用者に応えることが出来るとしている[4][5]。
- 2012年7月12日 サンライズ号の近鉄便に「座席仕切りカーテン」「コンセント」「プラズマクラスターエアコン」の設置された新型車両(ハイデッカー車)が導入
- 2012年8月1日 サンライズ号の低価格版として、九州産交バス・近鉄バスの共同運行で熊本 - 大阪・京都線「あそ☆くま号」を運行開始。
- 2013年4月21日 サンライズ号が停車していた名神高速上3停留所(名神大山崎・名神高槻・名神茨木インター)における乗降扱いを廃止。
サンライズ号
沿革にもあるように、サンライズ号は1988年7月の運行開始して以来、その間に系統統合・経路変更などを経つつも、2013年現在において開業から25年もの長い歴史を持つ。運行開始した当時において、関西と九州とを結ぶ路線としては西日本鉄道・阪急バス(当時:現在は阪急観光バス)が運行している大阪 - 北九州・福岡線「ムーンライト号」に次ぐ2路線目であり、熊本発着の本州向け夜行高速バスとしては第1号であると同時に、本路線が九州産交・近鉄の両社にとっても初の夜行高速バス路線でもあり、これを皮切りに両社とも路線を拡充していくことになる。
予約制のため、事前に予約する必要がある。以前は近鉄バス扱い席は発車オ〜ライネット、九州産交バス扱い席は楽バス(現:@バスで(ハイウェイバスドットコム))に収容されていたが、全席が発車オ〜ライネットでの扱いに統一された。なお、2013年3月25日より本路線ならびに後述の「あそ☆くま号」ともじゃらんnetでの予約も可能である。
運行経路・停車箇所
太字は停車停留所。近畿地区内のみおよび熊本県内のみの利用はできない。
- 京都駅八条口 - 京都南IC - (名神高速道路) - 豊中IC - (阪神高速道路) - あべの橋〈JR天王寺駅〉 - 近鉄なんば駅西口〈OCAT〉 - 大阪駅前〈地下鉄東梅田駅〉 - (阪神高速道路)- 神戸三宮〈ミント神戸〉 - (阪神高速道路・神戸淡路鳴門自動車道・山陽自動車道・関門橋・九州自動車道) - 植木IC - 武蔵ヶ丘 - 熊本IC - (国道57号熊本東バイパス) - 松の本 - 熊本県庁前 - 熊本交通センター - 熊本駅前 - 西部車庫
- 京都駅八条口の乗降場所は近鉄京都駅前近鉄高速バスのりばからの発着となる[6]。
- 神戸・大阪・京都行きは、熊本駅前は3番のりばから、熊本交通センターはAホーム5番のりばから発車する。
- 神戸・大阪・京都行きは九州道吉志PA、熊本行きは阪神高速道路中島PA[7]にてそれぞれ途中休憩する[8]。
- 九州産交便の熊本行きは、翌朝の九州道玉名PAでも開放休憩を行う。
使用車両
当初は近鉄便も同一の車種が使われ、かつ同一の塗装を纏っていた
- (九州産交バスにおいては1台のみスーパーハイデッカーも保有している)
1988年の運行開始時においては、両社とも共通の塗装を纏った日野ブルーリボン・グランデッカ(右横上写真参照)が使用され、共同運行による一体感を持たせていた。のちにこの塗装は九州産交バスにおいて他の路線にも流用され、現在においては同社の高速バス用標準塗装となっているが、全ては本路線がこのカラーリングの起源であり、通称「サンライズカラー」と呼ばれているのもその名残である。
その後は経年により会社別塗装のスーパーハイデッカー車に代替されるが、2002年に京都延伸した頃より近鉄便は原則1号車のみ38人乗りダブルデッカー車(三菱ふそう・エアロキング 右横下写真参照)において運行されるようになった[9]が、2012年7月12日をもって現在のハイデッカー車に代替された。
なお、近鉄便における専用車両都合時や続行便などにおいては原則として京都営業所の車両が使用されるが、同営業所には夜行用・昼行用ともに高速車の保有台数が最小限にとどまっているため、同営業所所有の車両が充当できない場合においては八尾営業所より車両を借用して運用される場合もある。
車内設備
- 3列独立シート
- トイレ
- おしぼり・飲み物[10]
- 毛布・スリッパ
- 座席コンセント
- 仕切りカーテン
- 花王ホットアイマスク・ネックピロー(先着10名限定)[11] ※九州産交便のみ
- 除菌装置(九州産交)[12]・プラズマクラスターエアコン(近鉄)
- Wi-Fi(無線LAN)
あそ☆くま号
沿革にも記したように、「あそ☆くま号」は、九州産交バスと近鉄バスとの2社共同運行で熊本 - 大阪・京都間を結ぶ。従来の「サンライズ号」と同様に2人乗務のツーマン運行ではあるが、「サンライズ号」は独立3列シート車で飲み物などの各種サービス付きであるのに対し、こちらはトイレ以外の車内設備・サービスがない通常の観光バスタイプの4列(横2+2列)シート車が使用され、運賃も「サンライズ号」より低廉に設定されている。ちなみに「あそ☆くま号」は熊本県内の停車箇所ならびに熊本市内の運行ルートも若干異なる。また、神戸三宮には停車しない。
愛称の由来は、熊本を代表する阿蘇山のあそと熊本のくまを名称に入れた親しみやすさをモットーとしている。
運行経路・停車箇所
太字は停車停留所。近畿地区内のみおよび熊本県内のみの相互利用は不可。
- 京都駅八条口 - 京都南IC - (名神高速道路) - 豊中IC - (阪神高速道路) - あべの橋〈JR天王寺駅〉 - 近鉄なんば駅西口〈OCAT〉 - 大阪駅前〈地下鉄東梅田駅〉 - (阪神高速道路) - 中国池田IC - (中国自動車道・山陽自動車道・関門橋・九州自動車道) - 植木IC - 西合志 - 武蔵ヶ丘 - 益城IC - (県道36号熊本益城大津線) - 益城インター口 - 自衛隊前 - 熊本県庁前 - 熊本交通センター - 熊本駅前 - 西部車庫
- 大阪・京都行きは九州道吉志PA、熊本行きは山陽道福石PA、九州道玉名PAにおいて途中休憩がある。
使用車両・車内設備
- ハイデッカー
- 産交 - 三菱ふそう・エアロエース(熊本のゆるキャラである「くまモン」のラッピング入り)
- 近鉄 - 日野・セレガ(同社貸切車と同一のカラー)
- 4列シート
- トイレ
- 座席コンセント
- Wi-Fi(無線LAN)
京都号・きょうと号(廃止)
1990年の高速バス開設ラッシュ時において、九州産業交通が京阪バスと共同運行において運行開始した。九州産業交通にとっては、大阪線(サンライズ号)・神戸線(トワイライト神戸号)・名古屋線(不知火号)に次ぐ4番目の路線となる。愛称は両社とも「きょうと号」であったが、九州産業交通はバス車体に「京都」と大きく楷書体において愛称が入れられていた(2代目車両からは愛称は入っていない)上、時刻表やパンフレットなどには全て漢字表記の「京都号」が用いられていた。一方で京阪バスは同社夜間高速バス共通の総称であるため、他路線(福岡線や東京線などすべて)と同様に「きょうと号」として扱われている。
運行開始当初はそこそこの利用率を誇ったものの、元々両都市間とのビジネス利用としてはあてにならず、むしろ観光目的での利用が多かったためであろう、さらにバブル崩壊により年々旅行者は減少しているためか利用率も減少傾向を見せ始める。このためか、多客時期などは別として通常期においては他の3路線と比較してもそんなに賑わいが見られなかった(2台以上で運行しているのは多客時期のみで、通常期は1台において半分近く空席が目立った)。
1999年2月には、京阪バスが運行を撤退。九州産業交通のみの単独運行として運行を継続した[13]が、2002年5月に大阪線(サンライズ号)と路線統合される事になり、この日を以って京阪陣営における運行業務を終了する事になった。
運行経路
京都駅八条口(ホテル京阪前のりば) - 京阪枚方市駅 - 植木IC - 武蔵ヶ丘 - 松の本 - 熊本県庁前 - 熊本交通センター
備考
- 京阪陣営での運行が終了した際に、アバンティ前乗り場においては「熊本線廃止」と書かれており、統合当初においては利用者もかなり混乱した模様である。このため、暫くは近鉄の係員がアバンティ前乗り場に出向いて乗り場変更を口頭により案内していたとのことである。
- また、サンライズ号は京都 - 大阪間で名神高速道路を経由するため京阪枚方市駅へは停車しない。
脚注
- 元の位置に戻る ↑ 上り便のみ(上りの上本町停車は廃止、下りは上本町停車を継続)
- 元の位置に戻る ↑ 【12月1日(水)~】 サンライズ号⇔なんぷう号(八代・人吉)乗継割引券発売開始のお知らせ (九州産交バス)
- 元の位置に戻る ↑ 2012年9月より「あそ☆くま号」でも乗継割引が適用されている。
- 元の位置に戻る ↑ 4/1出発便から熊本行き「サンライズ号」が三宮で乗降できるようになります! あわせて運行時刻を変更いたします。 近鉄バス2011年3月7日
- 元の位置に戻る ↑ テンプレート:PDFlink 九州産交バス2011年3月4日
- 元の位置に戻る ↑ 「京都号」(京阪バス陣営)が停車していたホテル京阪前乗り場からは発着しない
- 元の位置に戻る ↑ 神戸経由以前は、山陽道の淡河PAもしくは三木SAで開放休憩をしていた。
- 元の位置に戻る ↑ その他、2箇所ほどのSA・PAにて停車しているが、車両点検や乗務員交代のための停車であり、乗客は車外へは出られない
- 元の位置に戻る ↑ 車両都合ならびに2号車以降の続行便ではスーパーハイデッカー車またはハイデッカー車を使用
- 元の位置に戻る ↑ 近鉄便は冷蔵庫に紙パックの緑茶が、九州産交便はサービスコーナーに冷水ならびにお湯がありインスタントコーヒーとティーパックのお茶が用意されている(車両によっては設置されていないものもある)。
- 元の位置に戻る ↑ テンプレート:Cite web
- 元の位置に戻る ↑ 除菌装置とは車内におけるインフルエンザなどのウィルス蔓延を防止するもので、除菌水(弱酸性次亜塩素酸水)を機械によって車内に噴霧しマイナスイオンを発生させる事で空気中の細菌類を不活性化する作用がある。なお、続行車においては設置されていない車両が使用されることもある。
- 元の位置に戻る ↑ 京都からの予約・乗車券発行ならびに改札業務などは京阪バスも継続
競合他社など
阿蘇くまもと空港から大阪国際空港間を結ぶ航空便や、熊本駅から九州新幹線・山陽新幹線直通で新大阪駅間を結ぶさくら・みずほのほか、2013年8月1日からは「新高速乗合バス制度」によってこれまでのツアーバスから移行したロイヤルバスが熊本市のほか久留米市・福岡市を経由して本路線と同じ神戸三宮・大阪梅田・京都駅八条口を結ぶ高速路線バス「ロイヤルエクスプレス」を運行しており、競合関係にある。
関連項目
外部リンク
- 九州産交バス 熊本⇔神戸・大阪・京都行「サンライズ号」専用ウェブサイト
- 九州産交バス 熊本⇔大阪・京都行「あそ☆くま号」専用ウェブサイト
- 徹底比較 サンライズ号 & あそ☆くま号 <九州産交バス>
- 近鉄バス 熊本線(サンライズ号)案内
- 近鉄バス 熊本線(あそ☆くま号)案内