琿春市
琿春市(こんしゅん-し)は中国吉林省延辺朝鮮族自治州東端に位置する県級市。国境開放都市に指定されている。人口の40%以上を朝鮮族が占める。
地理
南は図們江を隔てて北朝鮮の羅先特別市と接し、東はロシア連邦の沿海地方と国境を接する。北は同じ自治州の汪清県、西は図們市である。日本海まで15キロで、ロシアのポシェット港と鉄道(現在は貨物線のみ)で結ばれる。
歴史
高句麗時代には柵城府が置かれ、東方支配の拠点となった。8世紀に渤海はこの地に東京竜原府(琿春市八連城)を設置し、日本海を越えて日本に向かう海上ルートの拠点とした。渤海は日本海を南海と呼び、渤海使など日本向けの船の多くはポシェット湾から出発した。文王大欣茂の時代には一時都が置かれたこともあった(784年-793年)。その後、上京竜泉府(黒竜江省牡丹江市寧安市渤海鎮)に遷都されている。渤海滅亡後は女真族の土地となった。
清朝時代には封禁令が発布された1644年(順治元年)以降、清朝により入植が厳しく制限されていた市域でには1714年(康熙53年)に琿春協領が設置され寧古塔副都統(1870年に吉林将軍の管轄とされる)の管轄とされた。1881年(光緒7年)、協領が廃止され新に琿春副都統(1889年に琿春府、1910年に琿春庁へ改編)を設置し入植を解禁、入植事業の進捗とともに人口が増加していった。
中華民国が成立すると1913年(民国2年)の庁制廃止と共に琿春県となる。1920年に琿春事件が起こる。1988年6月14日に県級市に昇格し琿春市と改称され現在に至っている。
行政区画
4街道弁事所、4鎮、3郷、2民族郷を管轄する。
行政
- 1991年 開放都市に指定。
- 1992年 国境開放都市に指定。
経済
1990年に中国が提唱し、国連開発計画の主導で進められている図們江(豆満江)地域開発の拠点都市であり、金大中元韓国大統領の太陽政策で韓国企業が多数進出した。
友好都市
関連項目
外部リンク
- 吉林省琿春市(写真)(日本語)
- A Survey of Hunchun(英語)
- 琿春へようこそ!(日本語)