ゲルググ
ゲルググは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』を初めとした、宇宙世紀を舞台とするガンダムシリーズ作品に登場する架空の兵器。
ジオン公国軍の人型機動兵器「モビルスーツ (MS)」の1つ。
本項目では、劇場アニメやOVA、ゲーム、雑誌などのメディアミックス企画で設定された各派生機の解説も記述する。
目次
機体解説
テンプレート:機動兵器 ザクシリーズの後継機種として、一年戦争末期に開発されたジオン公国軍の主力量産型MS。従来はモビルアーマー(MA)や一部の水陸両用MSにしか装備されていなかったビーム兵器を、汎用機として初めて標準装備したMSである。地球連邦軍のRXシリーズを参考にしており、特に携行武装にガンダムの影響が強く見られる。
次期主力MSの座をギャンと争って破り、主力MSとして採用された。この次期主力機をめぐる競作、という初出は「ガンダムセンチュリー」で、以後『モビルスーツバリエーション (MSV)』などプラモデルの解説にも使われている。今のところ、ゲームを除き映像作品では語られていない非公式設定である。
数値上の機体性能はガンダムと同等以上であり、一般量産機としては破格の高性能機である。この機体が量産されるのがあと1か月早ければ一年戦争の行く末が変わっていたかも知れないともいわれている[1]。
開発経緯
ジオン軍はザクIIF型に代わる次期主力MSの開発に着手、既に宇宙戦用にはツィマッド社の開発したリック・ドムの採用が決定しており、競合に敗れたジオニック社の高機動型ザクII 後期型 (MS-06R-2) のデータをベースに開発が進められた。ジオニック社はこの次期主力MSの開発にあたり、地球連邦軍のMSを意識したコンセプトに基づいて着手した。すなわちエネルギーCAPを搭載したビーム・ライフルと、近接用兵器としてのビーム・サーベルの採用である。
この次期主力MS(=ゲルググ)の開発プランは当初MS-11[2]として進められた。高機動型ザクII (MS-06R-2) の前にすでに高機動型ザクII ビーム兵器搭載型 (MS-06R-2P) が試作されていたが、この機体はビームライフルの小型化と高出力化という課題を克服することができなかった。また、俗に先行試作型ゲルググと呼ばれるMS-06R-3はMS-06R-2のうちの1機を改修した機体であり、ジェネレーター出力を向上しビーム・ライフルの開発が続けられた。なお、この機体ではビーム・サーベルではなくヒート・サーベルを採用している。エネルギーCAP関係の設定も「ガンダムセンチュリー」が初出で、かつ映像で語られたことがない非公式なものである。ビーム・ライフルの開発にはMIP社が参画して進められたが、その実用化には機体完成から3か月ほど(2か月近くという記述もあり)遅れた。開発の過程でMS-11という型式番号はアクト・ザクに譲ることとなり、ゲルググはMS-14へと改められた。
本機の基本設計はジオニック社、スラスターなどの推進部はツィマッド社、ビーム兵器の開発はMIP社が請け負い、公国軍が総力を挙げて開発した機体。また、「統合整備計画」による規格共有化が3社の技術提携を生み、その成果が本機に活かされている[3]。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話では、EMS-04 ヅダを巡るツィマッド社とジオニック社の確執を目撃したヨーツンヘイム艦長が、「これでは次期主力MS(ゲルググ)の開発が遅れるのも当然だ」と嘆息していた。
様々な苦難を乗り越えて完成したゲルググの性能は高く評価され、ツィマッド社から競合機として提出されていたギャンに圧倒的な大差をつけて次期主力MSとして制式採用された。しかし既に制式採用は決定しており、このコンペティションは形式的に行われたものであった。
量産化が決定したゲルググは10月にまず初期生産型 (YMS-14) 25機が生産された。このうち1機は赤く塗装されシャア・アズナブル大佐に届けられた。この機体はMS-14Sと呼ばれることも多い。残りの機体は増速用ブースターおよびビームキャノンパックといったオプション装備とともにエースパイロット部隊であるキマイラ隊へと配備され、実用テストを行った[4]。残りの24機全てが同隊に支給されたという説が有名だが、昨今はアナベル・ガトーなど他のエースパイロットの手にも渡っていたとする異説も存在。このオプション装備を施した機体はそれぞれ高機動型ゲルググ、ゲルググキャノンと呼ばれる。
量産型 (MS-14A) としての本生産はジオン公国本土、グラナダ、ア・バオア・クーなど各工廠で行われた。ゲルググ全体の生産数は資料によっては738機ともいわれる[5]。量産型ゲルググは初期生産型と外観上大きな差異は見られないが、緑の胴体にグレーの頭部と四肢という塗装が制式採用されている。しかし、ビームライフルの本格生産が11月だったため完全な配備が遅くなり、一年戦争の最終決戦となったア・バオア・クー戦に参加したのは67機だった[6]。ちなみに、初期生産型同様に増速用ブースター、ビーム・キャノンパックのオプションを装備することが可能である。
配備は一年戦争末期であり、既に多くのベテランパイロットが失われていたため、劇中では主に学徒兵が搭乗したが、訓練不足のため機体の性能を十分発揮できないまま撃破されることが多かった[6][7]。キシリア・ザビ少将はア・バオア・クーの戦いにおける学徒動員兵ゲルググ隊の働きを「もろすぎる」と評した。
各部解説
デザインは監督・富野喜幸のラフをもとに、大河原邦男がクリンナップ。ドム同様にボリュームのある外観となっており、脚部は同機のようにフレア状に広がったデザインである。
頭部は先行試作型 (MS-06R-3) とほぼ同様のユニット構成である。ザクIIの様な露出型の動力パイプは格闘戦時に破壊されることが多かったために本機では内装型とされ、後頭部には冷却フィンが設置されている。また、シャア大佐の搭乗機の様に、指揮官機には装飾を兼ねた通信アンテナを装備していた。なお、ラフではモノアイが上方に向くレールが描かれていたが、本編では用途不明の細いラインになっている[8]。
肩幅を狭く設計されているのも、富野の意に沿った本機の改良点である。火器などを両手で扱うにあたって、狭い肩幅の方が使い勝手がよく、障害物となるものもない。これについては富野が前述のラフの解説ですでに指摘していたことである。なお、書籍『機動戦士ガンダム記録全集』2巻「モビルスーツ・イメージスケッチ」で台形の肩を持つMSが描かれている。また1981年にホビージャパン誌の小田雅弘、川口克巳らによる作例で、ザクの模型の肩を力強く見えるように正面から見てハの字に改造する記事が掲載され、他の機種にもこれを行うのが流行した。
ビーム兵器への電力供給を可能にするため、新開発の高出力ジェネレーターを搭載。このジェネレーターのベースとなったのは水陸両用MSのものだが、冷却水を利用することはできないため、新たな冷却装置が開発されている。この機体は陸戦での運用も前提に開発されていたため、大気圏内では空冷方式を併用することができ、エアインテーク、アウトレットが胸部全周に渡り設置されている。
前腕部には大気圏内での機動性向上のため、ジェットエンジン補助推進システムが内蔵されている。ただ、宇宙での戦闘ではデッドウェイトとなったため、110ミリ速射砲などのユニットに換装される機種もあった。
スラスターは腰部スカート内、脚部フレア内に設けられている。熱核ジェットエンジンは大気圏内ではジェットエンジンとして機能し、その際腰部全周に設置されたエアインテークより吸気を行った。これらスラスターの開発にはツィマッド社の技術が投入されている。
本機の背部にメインの推進装置を置かないデザインは、宇宙世紀のMS全体を見渡してもかなり珍しいものである。本機のバリエーション機には背部に増加プロペラントや推進器を備えたアタッチメント式のバックパックを装備したものが多い。
武装
ジオン公国軍の量産型MSとしては初のビーム・ライフルの実用化に成功。開発にはMIP社や兵装メーカーALBERT社の協力により達成された。このビーム・ライフルは本体部分はコンパクトながらストックが固定装備されていたためかなり長大であり、連邦のそれに較べて取り回しが悪いのが欠点。また、機体本体に対し開発・配備が遅れたため、前線では他の兵器(ジャイアント・バズ、ロケットランチャーなど)を使用することもあった。
ドムのジャイアント・バズを携帯するのは、高機動型と呼ばれるB型の設定を創作した小田雅弘が、『HOW TO BUILD GUNDAM2』(ホビージャパン・1982)においてアクセントとして作例に装備させたものが初出で、当時は特段の理由は持たされていなかった。その後、『ガンダムウォーズ・プロジェクトゼータ』に掲載された高橋昌也の短編ノベライズでシャア・アズナブルの乗るゲルググが携帯したり、『機動戦士ガンダムZZ』で「青の部隊」のゲルググが使用したりといった例があるが、やはり装備理由について特に設定はない。
「ゲルググキャノン」と呼称されるC型機体群が有するビーム・キャノン付きランドセルは、『リアルタイプカタログ』(講談社)が初出であり、設定・解説はMSVと同じくやはり小田雅弘によるもの。この件につき小田が後に『HOW TO BUILD GUNDAM2』(ホビージャパン・1982)で語るところによれば、対空MSとしてのMS-06K ザクキャノンの「ゲルググ版」が着想の元であるという。また、(RX-77 ガンキャノンを含む)連邦軍RXシリーズの「ジオンに与えた影響は極めて大きく」、それゆえゲルググにも「ビーム・キャノンを装備したタイプがあってもよいのでは?」というのが興味が湧いた理由で、このときすでに「制式採用型ギャン」と共に「ゲルググキャノン」のプラモデル商品化企画はあったとのことである。
C型(ゲルググキャノン)のビーム・キャノンパックは、ビームライフルの開発の遅れに憂慮し提案された代替案テンプレート:要出典で、水陸両用MSのメガ粒子砲デバイスを流用し急造されたものである[9]。
また上記のようにビーム・ライフルは生産が追いつかないなどの理由で使用できないケースも少なくなかった。そのためドムのジャイアント・バズやザクのMMP80マシンガンその他など、下位互換性を完備し様々な武装を運用できる。メカニックデザイン企画『MSV-R』では、キマイラ隊で使用された武装として、改良型のビーム・ライフルや簡易型のミサイルランチャー、ザク・デザートタイプ用のラッツリバー3連装ミサイルポッドが新たに設定されている。
近接用兵装としてビーム・ナギナタを装備している。これはビーム・ソード[10]、ビーム剣[11]などとも呼ばれる装備である。通常のビームサーベルとは異なりツインエミッター式を採用しており、発振器本体の両端から薙刀状の刀身をS字のように形成。ただし、両端からビームを発振した状態での取り回しは、振り回した拍子に自機を切断しかねないことからエースパイロットでも難しく、その多くは片側からのみビーム刀身を発振して使用していた。なおテレビ版38話では発光も発熱もしない実体剣として描写されている。グリップ部に耐ビームコーティングが施されているのか、シャアはガンダムのビーム・サーベルをグリップでも受けていた。
刀身の色はテレビ版では水色だが、『めぐりあい宇宙編』のゲルググの新作画シーンでは、両刀状態も含めてビーム刀身の色がすべて黄色になっており、テレビ版の場面を流用した水色から、新作画の黄色への鮮やかな早変わりも見られる。『めぐりあい宇宙編』のテキサスコロニー内でのガンダムとの戦闘シーンでは、グリップが短く黄色い片刀の状態でフェンシング風の突きを披露している。これは、ガンダムに斬りかかるギャンのビーム・サーベルのみのカットをテレビ版から流用し、ゲルググの新作カットに繋げているためで、色もそれに合わせての変更だった。
ガンプラのシャア機には、MG、HGUC共に山吹色のクリアーパーツが採用されている(MG Ver.2.0では黄色)。『機動戦士ガンダム0083』に登場したガトー専用機の刀身の色も黄色である。『機動戦士Ζガンダム』に登場の打ち捨てられた量産型の刀身は、ヤザン・ゲーブルのギャプランに奪われて使用された際には水色の両刀状態を見せるが、刀身がS字でなく同方向に反っていた。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』での回想でもシャア機が水色のナギナタを振るっている。
防御兵装として先端の尖った楕円状(ゲンゴロウ型)の大型のシールドを装備しており、ビグ・ザムなどの技術流用による耐ビームコーティングによりある程度のビーム兵器を防ぐことができた。しかしシールドは手持ちで使用するよりも、背部のマウントラッチに固定することが多く、劇中あまり効果的に用いられなかった(後発作品では最初からシールドを装備していない機体が多い)。なお、標準のカラーリングは紫紺に山吹色の縁取りだが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』回想シーンではボディカラーと同じピンク一色になっていた。
劇中での活躍
- 機動戦士ガンダム(テレビアニメ)
- 第37話にてシャアが操縦する新型のMSとして初登場する。この機体はシャア専用の意味合いもあり赤メインのカラーリングだった。第38話ではテキサスコロニーにてガンダムと激しい戦いを演じるが、機体を損傷して後退している。その後、エルメスと共に数度出撃しており、第41話でシャアの機体は右腕を斬られ、エルメスも失って撤退を余儀なくされる。彼の機体はほとんど戦果を残せず、ガンダムにも敗退続きで終わっているが、これには戦いの中心がむしろ「ガンダム対エルメス」に移っていたこと、ガンダムがパイロットの急速なニュータイプ能力の成長やそれに対応したマグネット・コーティング処置により怪物的な反応速度を得ていたこと、さらには乱入してきた敵機を攻撃しようとしたが、実妹セイラ・マスが乗っていることに気付いたシャア自身が致命的な隙を晒したことなどが理由として挙げられる。
- また、一年戦争の最終決戦である、ア・バオア・クー攻略戦が始まる第42話では、グレーと緑のカラーリングで量産機が登場し、ゲルググはシャアが乗った機体だけではなく、複数生産されていることを印象付けている。
- 機動戦士Ζガンダム(テレビアニメ)
- 第26話にて、ダメージを受け放棄されていた旧ジオン公国軍の戦艦「グワジン」の中に、同様に放棄されていたMSとして、ジャイアント・バズを装備した機体が登場する。この機体にカツ・コバヤシが乗り込みヤザン・ゲーブルのギャプランに追いつめられていたカミーユ・ビダンのΖガンダムを救う。この時の機体は回収されてアーガマでネモのフレームや部品を移植して修理され、レコア・ロンドがジュピトリスに侵入する際に使用したり、メガ・バズーカ・ランチャーの追加エネルギージェネレーターになるなどして幾度か登場している。
- 機動戦士ガンダムΖΖ(テレビアニメ)
- 第18話「ハマーンの黒い影」でザクIIとともにアクシズに配置されているのが確認できる。
- アフリカの民族解放ゲリラである青の部隊で隊長ディドー・カルトハやエロ・メロエらがゲルググに搭乗。劇中の台詞によるとオリジナルではなくレプリカとされている[12]。青の部隊所属の他の機体同様に部隊色である青色に塗装されていた。
- 旧ジオン軍兵・タグが遺した赤いゲルググが登場する。彼の恋人だったマサイ・ンガバが、タグを冷遇した村の人間を見返すためタグのゲルググでジュドー・アーシタ達に戦いを挑む。わずか1機ながら地の利を生かした作戦でガンダム・チームを苦境に追い込むが、撃破されてしまう。機体は旧来のコクピットのままで、ビーム・サーベルは黄色の同方向に反っているタイプだった。
- GUNDAM WARS PROJECT Z(ムック)
- 収録されたショートストーリーに、エゥーゴの黎明期「ブレックス・フォーラ奪取作戦」が描かれ、シャア、アポリー、ロベルト、ブラウンの4人がゲルググに搭乗、部下のリック・ドム8機と共に、スティーブ・オハラハン中尉率いる地球連邦軍リックジム部隊「ブルーライトニング」と交戦している。
- ロイ戦争博物館に量産型が展示されていた。
- 1話冒頭のア・バオア・クーの戦闘でアナベル・ガトーが搭乗、勇戦した。この時の機体は専用機という位置付けで、青と緑を用いて塗装されていた。当初は量産型であるA型と言われており、事実、マスターグレードモデルやガンダムファクトファイルなどの表記はA型になっているが、昨今では複数の資料においてシャア・アズナブルの搭乗機と同じYMS-14型であるという設定も散見される。また、ガンダムのそれに似た通常型のビーム・サーベル(ギャンのものより刀身が細身)を装備している。
- 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 (OVA)
- 特別編『ラスト・リゾート』冒頭(劇中時間0079年12月24日)、フラナガン機関の被験者を移送するムサイ級軽巡洋艦の護衛として量産型ゲルググ3機が登場。地球軌道上で連邦軍と交戦し、全滅した。1機はコムサイの脱出を見届け、大気圏に突入して崩壊した。その後、地球へと脱出したコムサイに積まれていた機体も登場するが、損傷が激しく、まともに動かせる状態ではなくなっていた。コムサイに搭乗していた子供達により、ビーム・ナギナタの出力で雪を融かして湯を沸かすなど、生活道具として利用される。
- 第2話でグレーを基調とした配色の、ヘルベルト・フォン・カスペン大佐の乗機として登場する。量産型のA型と推測されるが、背部にはB型のものに似たバックパックを装備している。また、肩部分に「00」のマーキングが施されていた。第3話「雷鳴に魂は還る」では、ア・バオア・クー防衛戦中に2発の発砲で正確に2機のボールを撃破するなどの活躍を見せるが、自ら年少兵の乗ったオッゴの盾となり撃破される。第3話ではカスペン専用機の他にも、学徒兵が搭乗している量産型ゲルググも多数登場した。ア・バオア・クーの最終脱出組の中に、量産型1機の姿がオッゴやヅダと共に確認できる[13]。
- アニメ版と同様、テキサスコロニーにてシャア専用機が登場。肩、スカート上部にスラスターが追加されスカート内部のバーニアが4基に変更されるなど、より高機動仕様に強調されたデザインに変更されている。武装であるビーム・ライフルはゲルググJ携帯のビーム・マシンガンと同じ意匠となり、ビーム・ナギナタは柄の部分が延長されたほか、戦闘中柄を両断されても稼動し続け、そのまま2本のビームサーベルと化した。劇中ではシャアの卓越した操縦技術によりアムロ・レイの乗るガンダムを圧倒するなど、押され気味だったアニメ版と比べ本来の高性能ぶりを発揮している。また「ソロモン編」では量産型が登場し、アニメ版とは違い実戦配備された機体となっている。なおバックパックの装着・換装が可能なので、ソロモンから脱出する機体の中にキャノン砲を装備したバックパックを装着した機体が2機確認でき、シャア専用機もキャノン砲のないバックパックを装着して出撃している。
- 機動戦士ガンダムUC(OVA版)
- 一般用のA型がネオ・ジオン軍残党「袖付き」の所属機として登場[14]。両手首と胸部中央に「袖付き」所属を示す装飾が施されている[14]。U.C.0096年の時点では最も旧式化した機体の一つだが、資金や物資が乏しい「袖付き」においては貴重な戦力となっている[14]。
設定の変遷
全52話の予定で書かれていた監督の富野の当時のメモによると、当初の呼称はギャンだった。
テレビシリーズ、劇場版、またその後の映像作品においては、ゲルググの開発に関する公式設定は存在せず、ゲーム『ギレンの野望』でギャンとの競作が描かれるのみ。よって以下は全てムック「ガンダムセンチュリー」やプラモデルシリーズ「MSV」や後のプラモデルの説明書などで作られた非公式設定である。テレビシリーズの劇中ではマリガンのセリフで「ゲルググの装備は終わっているが、プロトタイプなので完全とは言えない」とシャア・アズナブルの搭乗機がプロトタイプであることが語られている。
高性能な機体だったゲルググが十分な実績を残せなかった理由について作中で、実戦配備は熟練パイロットの不足した戦争末期であり、多くが学徒動員の新兵によって操縦され、その真価を発揮することができなかったためと語られている[15]。また、「熟練パイロットも愛着があり扱い慣れているザクIIやリック・ドムを好んで搭乗し続けた者も多かった[16]」「ジオン製MSは統合整備計画の実施まで操縦系統が統一されていなかったため、機種転換時にそれが問題となった」など、後付設定を元にした推測記事は多いが、いずれもアニメの設定資料に記述はなく、また映像作品で描かれたこともない非公式なものである上に、逆にエースやエリートへ優先的に配備されたなどの設定・描写も複数存在するなど詳細な設定は現在もはっきりしていない。
高機動型ザクII(先行試作型ゲルググ)
先行量産型ゲルググ
25機が製造された。(型式番号YMS-14 (MS-14S))『MSV』当時は、そのうちの1機はシャア大佐に渡され、それ以外の24機はキマイラ隊に全て配備されたと設定されていたが、昨今の記述では、残りの24機全てがキマイラだけでなく、少なくともアナベル・ガトーなど他のパイロットにも支給されていたという説が挙がっている[17]。
- キマイラ隊配備機 - 各地で名を馳せたエースパイロットを招集し編成された部隊。ジョニー・ライデン、ジェラルド・サカイ、トーマス・クルツらの元に送られ、ついで支給されたB型およびC型バックパックを装備し実戦投入されている。
- シャア・アズナブル専用機 - 『機動戦士ガンダム』劇中でシャア・アズナブルが搭乗した機体。B型およびC型バックパックを装備していない基本仕様であるため、「MS-14S 指揮官用ゲルググ」とされて区別されている[18]。一部資料では本機を「YMS-14A」としたものもある[19]。カラーリングはこれまでのシャア専用機とほぼ同じ。なお、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の回想においてゲルグクと表記されている。
- ロバート・ギリアム専用機 - ビジュアルとして正式に設定されたのはゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』からである。
- アナベル・ガトー専用機 - 複数の資料において、ガトー機をYMS-14として紹介しているものがある[20]。
ゲルググ(量産型)
- アナベル・ガトー専用機 - 『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。本機には、上記のYMS-14説や後述のH型とした資料などの異説がある。
- バーニア増設仕様 - A型をベースにスカート後部をF型と同様のものに換装した機体。武装はJG型と同じ大型ビーム・マシンガンを装備している。プラモデル『マスターグレード MS-14A 量産型ゲルググ』がこの仕様で発売されたのが初出。『機動戦士ガンダム0083カードビルダー 両雄激突』のプロモーションカードとしても登場。『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校』では、ジオン残党で宇宙海賊のリーダー、マリー・アルベルティアの乗機として登場。左肩がザクのスパイクアーマーに換装されているのが特徴。
- エリク・ブランケ機 - 『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』に登場。ア・バオア・クー戦に参加した際の機体。カラーリングは紫色で、指揮官機用のブレードアンテナが装着されている。
高機動型ゲルググ
テンプレート:機動兵器 『MSV』のコンテンツに含まれる量産型宇宙戦用MS。
元々は『リアルタイプカタログ』(講談社)において、「オプションバーニア」を装備したゲルググとして設定が創作されたものである。その後、『ホビージャパン別冊 HOW TO BUILD GUNDAM 2』(1982)に小田雅弘によるB型・C型コンビの模型作品が発表され、ドイツ空軍のノヴォトニー部隊を思わせるエリート部隊に配備されたとの設定がついたことで、B型およびC型の性格付けが明確なものとなった。故にこの当時は「戦闘機型」と称されており、プラモデル商品化に際して「高機動型」と改名、21世紀現在知られているMSVの一環となった。
先行量産型のYMS-14やMS-14Aの背面パネルを高機動バックパックに換装した機体。出力を推力に回すため、ビーム・ライフルの代わりにロケットランチャーを装備している機体もあった。主にエース・パイロットやベテラン兵が愛用した。著名な機体としてはキマイラ隊所属のジョニー・ライデン少佐機があり、キマイラ隊にはこれ以外に11機分のB型バックパックが支給され、C型バックパックと併用して使用された。
宇宙戦用MSとはあるが、『機動戦士ガンダム 戦場の絆』などのゲーム作品では地上でも使用可能となっていることが多い。
- カスタム機
- ジョニー・ライデン専用機 - 先行量産型YMS-14にB型パックを装備したもので、ゲルググB型仕様の第1号機にあたる[21]。一部資料では本機を「YMS-14B」としたものもある[19][21]。漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に後述のユーマ・ライトニング中尉機や連邦軍「ウェイライン」隊との交戦で両腕を損失した本機がジル・ブロッケン・フーパーの手によりFSSに秘匿されている[22]。また同作ではユーマ・ライトニングが属する組織の依頼によりアナハイム・エレクトロニクス社がU.C.0090年時の技術によって建造した機体も登場している。操縦系もアームレイカー式の最新鋭のものとなっている。ユーマのこだわりから何度もリテイクが出された模様。シートにカバーのかかったままの状態で搬入され(コクピット内各部に「ジョニー以外は触るな」「ジョニー以外が座ったら蹴り飛ばす」等のユーマによる注意書きがある)、ユーマがジョニー・ライデンと確信しているレッド・ウェイラインへ譲渡された。
- ヘルベルト・フォン・カスペン専用機 - 『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』に登場。厳密にはその他のB型と若干仕様が異なり、中央ユニット、両側サブスラスターなどの一部が簡略されたタイプのバックパックを装備。同作にはカスペン機の他にも同型が数機登場している。これら簡易B型ともいえる機体は、ほとんどの公式資料で「MS-14」と紹介されており、詳細に関しては不明。
- シン・マツナガ専用機 - ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ』『機動戦士ガンダム戦記』などに登場。しかし、マツナガがB型に搭乗した設定はなく、ほぼゲームオリジナルの架空機の扱いとなっている。
- エリク・ブランケ専用機 - ゲーム『機動戦士ガンダム戦記』に登場。デラーズ・フリートがインビジブル・ナイツに提供した機体。カラーリングは紫色で、接近戦重視にカスタマイズされている。
- MS-14BR キマイラ艦隊所属 ア・バオア・クー戦仕様 - メカニックデザイン企画『MSV-R』で設定された機体。キマイラ隊で使用されたタイプで、脚部の装甲を取り外し大型のバーニアを装備した機動性能強化型。機動性の向上と引き換えに稼働時間が短縮されているが使用者がエースパイロットのみであったため、プロペラント不足は問題とならなかった。その姿が高機動型ザクに似ていることからゲルググRと呼ばれるときもある。ツィマッド社工場で2機が改装されて予備パーツと共に納入され、さらにキマイラ艦隊でB型1機がこの仕様に改修された。デビット・チェイスマン少佐機、ジーメンス・ウィルヘッド大尉機、エメ・ディプロム中尉機が確認されており、エメ中尉機は戦後連邦軍に接収され性能テストに用いられた[23]。また、『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』においてキマイラ艦隊で改修されたか、3名の機体を回されたかは不明だが、ジョニー・ライデン少佐により1機がマルコシアス隊に送られており専用カラーを施した上でヴィンセント・グライスナー曹長の乗機となっている。
- MS-14B 高機動型ゲルググ(ユーマ・ライトニング中尉機) - 漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』に登場し、メカニックデザイン企画『MSV-R』で設定された機体。後述のMS-14C-1Aと高機動ランドセルと脚部の増設コンフォーマルタンクは同型で、頭部が異なる(「MS-11」時点の部品の流用か、FDE(全機能開発試験機)の部品の使用もしくはレトロフィットと推定)。訓練時には左腕部にザク・デザートタイプのラッツリバー3連装ミサイルポッドを装備している。カラーリングから当初はロバート・ギリアムの機体と誤認されていた。U.C.0090年時点では連邦軍の技術・資材によって改修されている。
- MS-14B 黒い三連星専用機 - 『ギレンの野望』シリーズに初登場した、ゲームオリジナルの架空機。黒い三連星専用のゲルググで、黒と紫色の塗装が施されている。
ゲルググキャノン
テンプレート:機動兵器 MS-14Cゲルググキャノンは、『リアルタイプカタログ』(講談社)において小田雅弘によりその設定が初めて創作され語られた機体である。追ってさらに小田が『HOW TO BUILD GUNDAM2』(ホビージャパン・1982)で語るところでは、本機は対空MS「MS-06K ザクキャノン」の「ゲルググ版」が着想の元であり、かつ、連邦軍のRX-77ガンキャノンの影響をジオン軍が受け、ゲルググのビーム・キャノン装備型が出現した、とのこと。MS-14C ゲルググキャノンは高機動型であるMS-14Bとのペアで運用されるようイメージされており、またそのイメージソースは第二次世界大戦末期のドイツ空軍でメッサーシュミットMe262を駆った「ノボトニー部隊」であるとのことである。従ってこの時点でのゲルググキャノンのビーム・キャノンパックは、後述のビーム・ライフル開発遅延の埋め合わせ、というものではなかった。その後『MSV』として設定が固められると共にプラモデル商品化され、ビーム・キャノンを装備した砲撃戦用MS「ゲルググキャノン」として背景設定が具体化されるに至る。
背部にアタッチメント式のビームキャノンパックを装備し、頭部も専用の照準器を追加した新設計の物に換装されている。
21世紀に入り発売されたプラモデル『1/100マスターグレードモデル ゲルググキャノン』の付属解説書では、『MSV』における上記既存の設定からややそれる形で新設定が創作されている。即ち、ゲルググキャノンのバックパックはもともと支援などを目的とした計画ではなく、開発が難航した携帯用ビーム・ライフルに変わる案として、水陸両用MSのメガ粒子砲デバイスを組み込んだプランとして提案されたものが基となっている、というものである。このRA-2型ビーム・キャノンの威力は高かったが、それにより出力を推力に回せなくなってしまったため、機動力が若干低下している。終戦までに生産、配備された数は15機にとどまったとされているが、それとは別に122機分のパーツが用意されていたとする資料もある[5]。
なお、アーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』では、左腕のバックラーシールドの代わりに3連装ミサイルランチャーを装備している。そのため、右腕にはジェットエンジン補助推進システムがそのまま残っているという、珍しい構造になっている。
- カスタム機
- トーマス・クルツ専用機
- ジェラルド・サカイ専用機
- ジョニー・ライデン専用機(B型とは塗装パターンの違う機体の図像が存在している)
- 他にA型やB型がバックパックのみをキャノン仕様に換装して使用された例がある。頭部はノーマルのゲルググのままである事が純粋なC型との外観上の違いである。ア・バオア・クー戦におけるキマイラ隊のメンバーも、B型で出撃し一時帰艦後にC型に換装し再出撃した者がいたと伝えられている。また、漫画『プラモ狂四郎』では、サッキーファイブのメンバー数名はこのタイプのゲルググキャノンを使用している。
- MS-14C-2 ゲルググ中距離支援型 - PCゲーム『リターン・オブ・ジオン』に登場。ゲルググキャノンとは違い、ゲルググを中距離支援用に改造したもの。現場での便宜上の型番で正式なものではない模様。
- MS-14C-2 上記とは別に漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』第1話冒頭のシミュレーションに登場した機体。型式番号はモニター表示で確認できる。外見の違いは判別できない。
- MS-14C-1A キマイラ艦隊所属 ア・バオア・クー戦仕様 - メカニックデザイン企画『MSV-R』で設定された機体。キマイラ隊で使用されたタイプで、脚部に稼働時間延長のためのコンフォーマルタンクを増設している。オプション装備としてB型のものに似た高機動ランドセルがあり、ビーム・キャノンパックから短時間で換装することが可能。武装はジャイアント・バズを装備している。U.C.0090年時点では元キマイラ隊々員で民間軍事会社「テミス」社長ジャコビアス・ノードの専用機として登場する。MS-06E-3 ザクフリッパーに使用された3連式多目的カメラモジュールを外付けし、ジム・スナイパーのロングレンジ・ビーム・ライフルを装備している。
- 劇中の活躍
- OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』にビーム・ナギナタと通常の大型楕円型シールドを装備した本機が登場した。ア・バオア・クー攻防戦において、地球連邦軍のジム・コマンド宇宙戦仕様(ユーグ・クーロ機)と交戦、格闘戦の末に撃破されている。
陸戦型ゲルググ
テンプレート:機動兵器 ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』及び『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』に登場した量産型陸戦用MS。
ゲルググの大部分はソロモン、ア・バオア・クー、グラナダなど宇宙へ投入されたが、一部地上へ配備されスラスターの調整や防塵処理などを行われた物が主にG型と称される。
『コロニーの落ちた地で…』に登場したヴィッシュ・ドナヒュー中尉機は、腕部のグレネードランチャーとアームガトリング、マーキング以外は通常の量産型ゲルググと同じ装備である。なお、小説版のイラストでは、ゲルググJのビーム・マシンガンを構えている。
『Lost War Chronicles』に登場した本機は、背部にバックパックを装着し、大型のビーム・ライフルと小型シールドを装備している(MMP-80マシンガンも装備)。漫画版ではジオン公国軍MS特務遊撃隊(外人部隊)のケン・ビーダーシュタット[24]が搭乗した。小説版ではジオン軍特殊部隊「屍食鬼隊(グール隊)」のクロード隊長が搭乗し、外人部隊副官のジェーン・コンティが操縦するハイゴッグに撃破された。
現在確認されているのは前述の2機のみである。
ゲルググ(EXAM搭載型)
テンプレート:機動兵器 『ガンダムネットワークオペレーション』に登場。ニムバス・シュターゼンがクルスト博士の逮捕に成功し、その後ゲルググの量産が決定すると生産可能となる。
ゲルググG
テンプレート:機動兵器 メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場するジオン公国軍のMS。
MS-14G 陸戦型ゲルググの砂漠仕様機。MS-06D ザク・デザートタイプと同型のランドセルを装備[25]。開発地のキャリフォルニア・ベースの生産性や部品供給能力が戦況悪化により低下したため、設計の一部変更による脚部スラスターの除去がなされ、ホバー機能がオミットされている。脚部スラスターの除去による軽量化により、機動性能は向上したため、シールドは小型のものを装備している。ビーム・ライフルは砂漠で使用するため、冷却システムを銃身に追加した専用のものを装備している。本機はキャリフォルニア・ベースからの撤退により、8機の生産にとどまっている。
デザート・ゲルググ
テンプレート:機動兵器 『ΖΖ-MSV』において設定された砂漠戦用MS。「ディザートゲルググ」とも表記される。OVA『機動戦士ガンダムUC』に登場。
ゲルググのバリエーションのひとつであり、砂漠・熱帯地帯での運用を主眼に開発された。砂中に潜行することを考慮してスコープが取り付けられているのが特徴で、ゲリラ戦・隠密行動を得意とする。アフリカ戦線に極少数が投入されたが、その実働数は極めて少ないものだったという。
元は『ΖΖ』のデザインコンペで提出されて没案となったMSの1つ。OVA『機動戦士ガンダムUC』登場にあたってリファインされ、左腕のアームド・バスターが実体弾仕様の折り畳み式キャノン砲と設定された。
- 劇中での活躍
- OVA『機動戦士ガンダムUC』では、トリントン基地を襲撃したジオン残党軍に1機登場。バックパックに後期量産型ザクII用のロケットブースターを追加している。トリントン湾岸基地所属のバイアラン・カスタムへ空中戦を挑むも、ビーム・サーベルによって撃破される。
ゲルググM
テンプレート:機動兵器 OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するデラーズ・フリートの量産型汎用MS。デザイナーは明貴美加。
M=マリーネ(ドイツ語)の名の通り、海兵隊仕様のゲルググ。小説版『0083』によれば星の屑作戦開始時点のシーマ艦隊において少なくとも30機以上が稼動状態にあったという。肩アーマーがスリムで頭部のトサカ部分が薄く大きいのが特徴。
劇中ではこれを所有するシーマ艦隊が隠遁する中で補給もなくビーム・ライフルの多くを失っているらしく、他の機体と共通の90ミリマシンガンを携行する[26]。一方で、腕への着脱が可能なスパイクシールド、下腕部に内蔵された110mm速射砲という独自の武装も装備している。110mm速射砲は連邦新鋭機であるジム・カスタムのシールドを粉砕し、装甲を貫通する威力があった[27]。このうちスパイクシールドはザクIIのものを流用しており、盾としてだけではなく、スパイク部分で殴りつける格闘武器としても使用できる[28]。ビーム・ナギナタではなく、片側出力式のビーム・サーベルを両腰に1本ずつ装備しているが、その形状は後のリック・ディアスやネモなどが装備しているものに酷似している。また下腕部の内蔵武装などゲルググJとの共通点が多い(詳しくはゲルググJの項参照)。防御面はほかのジオン軍MSと同等であり、劇中、ジム・カスタムのジム・ライフル(90ミリマシンガン)でたやすく撃破される。
- 劇中での活躍
- 第5話から登場。デラーズ・フリート参加の手土産として、宇宙に上がったアルビオンへ戦闘を仕掛けた。本機5機が、ジム・カスタムとジム・キャノンIIそれぞれ2機ずつで編制された敵MS隊と交戦。当初は苦戦していたが、シーマ中佐自らの戦闘加入後は互角以上に戦った。この戦闘でマリーネ2機が失われた。
- 第8話の戦闘では、バニング大尉搭乗のジム・カスタムによって2機が撃墜される。その後もコロニージャックなど星の屑作戦へ貢献した。物語終盤では、シーマ艦隊の裏切りに伴って連邦軍と共同作戦を行い、先刻まで味方だったデラーズ・フリートと交戦する。また、最終話では、連邦軍所属機としてオークリー基地にてサンドカラーのゲルググMが登場する。小説版では、シーマ艦隊から押収した機体としている。
ゲルググM(指揮官用:シーマ・ガラハウ専用機)
テンプレート:機動兵器 OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場したMS。MS-14Fの指揮官仕様。
シーマ艦隊を率いる、シーマ・ガラハウ中佐の機体。隊長機の証ブレードアンテナを備える。「マリーネ・ライター」という愛称で呼ばれていた[29]。カラーリングは紫の胴体とカーキの四肢(スネ部が胴体と同色、という珍しい配色である)。専用武装として貴重な大型ビームライフルを装備し、頭部にはバルカン砲を内蔵している。大型ビーム・ライフルは、単射モードと速射モードに切り換えが可能である[30]。防御装備としては、覗き穴つきの大型シールドを携行。大型シールドは第5話でジム・キャノンIIが発射したビームキャノンの直撃で消失し、以後は補充されない。また、バックパックや胸部・スカートの形状がゲルググJに近い形状となっている。機動性の改善としてスラスターの追加、稼働時間の確保にプロペラントタンクを一般機の倍の4基装備している。
なお、Fs型は劇中登場したシーマ機以外には確認されていないため、上記の特徴がFs型全般に見られるものなのか、シーマ機用に独自に改修したものかは不明。そもそもFs型自体がシーマ機1機のみのワンオフ機体であった可能性もある[31]。
- 劇中での活躍
- 第5話および第8話に登場。ジム・カスタム(モンシア中尉機)を翻弄し、サラミス級巡洋艦「ナッシュビル」を一撃で撃沈。「陸戦装備のまま宇宙戦に出る」というコウ・ウラキの愚行に乗じたとはいえ、GP01を圧倒、半壊に追い込んだ。もっとも、ビーム・ライフルが何発命中しても爆発しないGP01の装甲に手を焼かされ、シーマ中佐は焦りを見せる。この後、バニング大尉の参戦と僚機の喪失により撤退する。
- 第8話では、GP01Fbと交戦。その後バニング大尉のジム・カスタムと交戦し、大型ビームライフルを失う。一方、発射した110㎜速射砲弾がジム・カスタムの腹部に命中。ジム・カスタムは帰還途中に爆発し、バニング大尉は死亡する。この戦闘を最後にシーマがガーベラ・テトラに乗り換えたため、映像内からは退場する。小説版ではガーベラ・テトラは登場せず、最後までこの機体に乗り続ける。第8話で失ったビーム・ライフルも補充される。
ゲルググ(試作型ビームライフル装備)
ことぶきつかさの漫画『ソロモンの悪夢』(単行本『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』に収録)に登場(型式番号:MS-14H)。
ソロモン攻略戦で搭乗機のリック・ドムが戦闘不能になったアナベル・ガトーが、ソロモン撤退戦において本機に搭乗し、撤退する友軍の殿を務めた。なお、ア・バオア・クーでの搭乗機と違い、ブレードアンテナが付いている。連載時はモノクロ漫画だったためにカラーリングは不明だったが、2003年5月発売の雑誌『少年エース』付録イラストでは、従来のものと同色で描かれている。
装備しているビーム・ライフルは試作品ゆえにゲルググ本体の全高の2倍に及ぶ巨大なものであり、弾数も少ない。限られた弾で可能な限り大きなダメージを与えるべく、敵艦隊のみを狙って出撃した。そのため、狙撃可能な位置までの進撃中は遭遇した敵MSには一切目をくれず、間近を抜かれていったガンキャノン108号機のカイ・シデンや本機の進撃ぶりを目撃したガンダムのアムロ・レイを驚かせている。その結果、敵艦体の狙撃については十分な成功を収めたが、機体自体はオーバーヒートを起こして稼働を停止してしまい、後でガトー共々僚機に救出されることとなる。
なお、プラモデル「マスターグレード MS-14A ガトー専用ゲルググ」にはこの試作型ビーム・ライフルが付属しているが、テンプレート:要出典範囲。しかし、プラモデル解説書には「あまりにも巨大で艦内に収めることが出来ず、外に係留された」と漫画の描写がそのまま引用されている。また、この形状に似たビーム・ライフルが「ガンダム0083カードビルダー」で“強化型ビーム・ライフル”としてカード化されており、設定も「ビーム兵器実用化後に少数試作されエースパイロット機体に配備」など異なっている。
ゲルググJ
テンプレート:機動兵器 OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場した機体。デザイナーは出渕裕。もともとはテレビシリーズのデザインをリファインしたゲルググそのものだったが、プラモデル化にあわせ新型機に設定変更された。
ゲルググを統合整備計画によって再設計した性能向上機。空間戦闘におけるアドバンテージの向上と高い整備性、機能性を得るために基本設計から見直された機体であり、一部パーツ及びコックピットなどは統合整備計画内において計画されたザクII改及びリック・ドムIIとの規格化が図られている。また既存の装甲も大幅に変更され、よりシャープなデザインとなっている。このデザインは統合整備計画以前に開発されていたマリーネの物を基調としており、背部の大型スラスターおよびプロペラントタンク、全身に追加された姿勢制御用のアポジモーターの配置などからもそれが窺える。
機動性確保のためシールドは装備していないが、装甲の変更により防御力はほとんど低下していない。各システムはハード、ソフト共にザクによって得られたデータをフィードバックした非常に完成度の高い物が採用されている。またそれに加えて長射程、高出力の大型狙撃用ビーム・マシンガンを装備しており、前述の安定した射撃システムと相まってジオン軍でも屈指の射撃精度を誇り、ゆえに狙撃型とも呼ばれる。ちなみに「イェーガー」とはドイツ語で「狩人」を意味し、本機が精密射撃任務にも対応し得る高い射撃精度を持つことから名付けられたものである[32]。なお、副次的な武装として腕部ビーム・スポットガン、頭部バルカン砲がある。 格闘戦用装備に関して特に記述がなく、ゲームや媒体によってビーム・サーベルを装備していたりいなかったり[33]と設定に混乱が見られる。
また、背部に大型スラスターユニットを追加したことで、原型機の3倍、高機動型と呼ばれたB型の2倍近い圧倒的なスラスター総推力を誇っている。この機体の特徴として、原型機であるA型がMSの直立した状態で下方に噴射する形でスラスターを配置しているのに対し、この機体は背面に対して垂直にスラスターが装備されていることが挙げられる。これは重力下戦闘を考慮しておらず、空間戦闘に特化した場合にこのような配置の方が安定した機動戦闘を行えるためである。簡単に言うならば高速で直進運動をした場合、一般的な機体は下方に噴射するため頭部を突き出す格好で進む事になるが、JG型は背後に噴射するため正面を向いた状態のまま進む事ができる。加えて全身に24基も装備された姿勢制御用スラスターによって非常に安定した姿勢制御も可能としている。
一年戦争中に開発されたゲルググ系、さらには両軍MSの中で最も高性能な機体の一つとされる。ゆえに指揮官クラスの優秀なパイロットへの配備が想定されており、背部ランドセルにはレーザー通信用のユニットとアンテナが装備され、頭部のブレードアンテナも標準装備である[32]。なお、下記の記述のようにブレードアンテナを装備しない例も見られる。
劇中に登場したのはたった1機で、時期的に見ても生産機数は極めて少なかったようだ。その高性能ゆえに一部エースパイロットにも支給されたとする説もあり、後述する書籍などでは「白狼」の異名を持つシン・マツナガが当機を搭乗機としていたと言われている。
- 劇中での活躍
- 第2話に登場。ルビコン計画の第一段階として、バーナード・ワイズマン(バーニィ)がケンプファーをサイド6・リボーコロニーへ輸送する際の戦闘に参加した。連邦軍のジム・コマンド宇宙戦仕様を圧倒した。この機体の左胸には白地で522(設定画では523)とマーキングされており、赤系統の塗装が施されていた。
- 書籍『機動戦士ガンダム戦略戦術大図鑑 一年戦争全記録』では、シン・マツナガがパーソナルカラーである白に塗装した専用機に搭乗したとされている。なお、ビジュアルが設定されたのはゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』からである。同ゲームではあくまでifシナリオとして、マツナガが本来はジオン本国で受領する予定だった機体として登場し、ア・バオ・ア・クーでの戦闘で使用している。
- 書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』では、中隊長機マークのない一般機カラーの機体が確認されている[34]。
- OVA『機動戦士SDガンダム MARK-IV』第1話「夢のマロン社・宇宙の旅」では、マロン社の宇宙船ガブスレイ(SD体型)が迷いこんだ一年戦争の戦場にて、ブレードアンテナつきの一般機カラーの機体(通常の頭身)が登場している。
- 漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ファビアン・フリシュクネヒトがティターンズの襲撃を受けているクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)らを救援するため、当機に搭乗している。プロペラントタンクは排除されており、指揮官用ゲルググMのシールドを装備した仕様となっていた。
- OVA『機動戦士ガンダムUC』では、本機自体は登場しないが、第5話でミネバ・ザビが軟禁されているガルダをスベロア・ジンネマンらのガランシェール隊が襲撃した際、ギラ・ズールの使用した多種多様な武器の中にゲルググJ用の大型ビーム・マシンガンがあるのが確認できる。このマシンガンは第4話で合流したジオン残党軍から譲り受けたもの[35]。
ゲルググ(外宇宙用)
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場(型式番号:MS-14U)。デザイナーは石垣純哉。
シャア・アズナブル専用ゲルググを外宇宙戦用に改修した機体。ア・バオア・クー戦後、110mm速射砲を内蔵したF型右腕やB型バックパックなどほかのMS-14系統のパーツで補って使用されたが、戦闘中にバーニアの不具合がおきたためアクシズにて全面的に改修・再調整された。流線的なフォルムになっており、新たに頭部にバルカン砲が内装された。また、ジェネレーターを内蔵した試作品の大型ビーム・ライフルを装備することもあった。
なお、アクシズに配備されたゲルググもまた外宇宙用に改修されており、シャア機とのパーツの共有性をがはかられていた。
デザイナーの石垣によると、既存の機体とのデザインの違いはあくまでも『C.D.A.』作内での表現によるもので、映像化された場合は既存の物と同じデザインである、としている[36]。
ゲルググ[シュトゥッツァー]
雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。(型式番号:MS-14)
頭頂高は19.2m[37]。ジオン残党軍に所属する機体で、カザック・ラーソンが搭乗する。ゲルググM系の改修機で、上半身を中心に主に推力と火力を増強している。また、背部にはこの部隊特有の装備である通称「ウインチユニット」と呼ばれる有線誘導式の遠隔操作アームが2基設置されている。ほかはビーム・ライフル、ワイヤーカッター、シールドなどの武装を持つ。
リゲルグ
テンプレート:機動兵器 『機動戦士ガンダムΖΖ』、および『機動戦士ガンダムUC』(OVA版)に登場。
アクシズに逃げ延びた公国軍残党(ネオ・ジオン軍)が、残存したゲルググをベースに近代化改修を施した機体。「リゲルグ」とは「リファインド・ゲルググ」の略。
当初はアクシズの居住区拡張作業に従事していたゲルググだが、ガザシリーズの登場以降は一線を退いていた。しかし、ネオ・ジオンの地球圏帰還作戦が本格化しはじめた段階で、一年戦争当時の旧式MSも再び前線に駆り出されることとなった。元々リゲルグは新兵用の訓練機として開発されたが、その性能の高さからやがて実戦にも使用されるようになった。
最大の特徴は、改修前よりも2倍以上に延長された巨大なショルダーアーマー「ウイングバインダー」である。同じアクシズ製のキュベレイのフレキシブルバインダーを参考に設計されており、内部には3基ずつのバーニアスラスターを内蔵している。プロペラントタンクの増設により、強力な推進力を発揮するとともに一撃離脱などの高速戦闘を可能とした。装甲材質は、超硬スチール合金からチタニウム・コンポジットに変更されている。コクピットモジュールには当時普及していた全天周囲モニター・リニアシート方式の球形ポッドを採用し、インターフェイスも第2世代MSに準じた改修が行われた。なお、ノーマルのゲルググとは異なり、コクピットハッチの開閉ヒンジは上方に設けられている。生産性はガザシリーズに劣るものの、性能は同時期の新規設計機となんら遜色はなく、ゲルググのフレームとフォルムを持った新鋭機とも評された。
アクシズ育ちのパイロットは皆必ず本機で訓練を積み、MSの操縦を学んだという(プラモデルの機体解説には「新兵訓練機」、パッケージの解説には「指揮官専用機」と書かれている)。
ゲルググの全高は19.2メートルと21メートルで2通りの設定が流通しているが、リゲルグは21メートルの設定を採用している。この設定は、1979年から1981年にかけて発行された書籍[38]に一様に掲載された設定数値である。一方、19.2メートルという設定は『ガンダムセンチュリー』およびそれの記述を一部踏襲した『ENTERTAINMENT BIBLE.1機動戦士ガンダムMS大図鑑』(バンダイ・1989年)に掲載されたもので、その場合に頭部装飾を含めた全高は19.6メートルと設定されている。
- 武装
- 増設されたバックパックにはビーム・サーベルを2基装備する。これはゲルググ系特有のビーム・ナギナタではなく、通常のビーム刀身を形成する。2本を接続し、両端からビームを形成させての使用も可能であった(ゲームなどでは、ビーム・ナギナタ装備としている作品もある)。同じくバックパックにはミサイルポッドを有する。内蔵された8基のミサイル (AMS-11S) はレーザーと赤外線で敵機を追尾できる。ゲルググではジェットエンジン補助推進システムが設置されていた前腕部にはグレネードランチャーを装備されており、もう片方の手を添えることで反動を抑えて発射する。ショルダー内には円盤形の宇宙機雷を片側6基装備することも可能。ビーム・ライフルは、ゲルググ用をベースに下部にグレネードランチャーを増設した改良型であり、照準センサーの改修によって遠距離狙撃にも対応している。前線で使用される場合は主にこの新型を携帯し、訓練機として使用される場合は従来型のゲルググ用を携帯した(『MS大全集』などの資料では、新型を指揮官用、従来型を一般用と位置づけて紹介している)。
- 劇中での活躍
- 『機動戦士ガンダムΖΖ』の第41話に登場。マシュマー・セロの副官イリア・パゾムがマシュマーの監視を兼ねて搭乗し、その高い機動性でΖΖガンダムをはじめとするエゥーゴの主力MSと対等に渡り合うが、マシュマーの戦死後はイリアとともにその後については描かれないまま、物語から退場する。
- 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』の番外編『審判のメイス』にはゲルググJをベース機とした機体が登場し、ネオ・ジオン軍残党のオーラフ・デールが搭乗する[39]。
- OVA『機動戦士ガンダムUC』episode7では、ネオ・ジオン軍残党「袖付き」の所属機としてほかの残存機体とともに登場[14]。青紫系のカラーに塗装され、両手首には「袖付き」共通の特徴である装飾が施されている[14]。
- プラモデルについて
- バンダイより発売された1/144スケールのプラモデルのボックスアートは、宇宙世紀0088年10月にエゥーゴ艦隊が小惑星アクシズを攻めた際にマシュマーが搭乗し、アイリッシュ級戦艦を撃沈するシーンである。この攻略作戦についてはテレビ放映当時に近代映画社が刊行していたアニメ雑誌「ジ・アニメ」連載の『「ガンダムZZ」ここまで書いたらヤバイかな!?』にて設定が公開されていたが、2007年発表の漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』において初めて詳細に描かれることとなり、新兵時代のマシュマーが本機で腕を慣らしたことが語られている。
RFゲルググ
テンプレート:機動兵器 ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。
宇宙世紀0120年代にオールズモビル(火星独立ジオン軍)が旧ジオンの機体に外見を似せて開発した機体。機動性に優れており、同軍のMSの中では最高クラスの性能であるがコストが高いために、上級指揮官かエースパイロットのみが使用している。
シャルル専用ゲルググ
テンプレート:機動兵器 ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。
オールズモビル軍のエース、シャルル・ロウチェスターの専用機。極秘裏に接触したクロスボーン・バンガードの技術も使われている。そのためか、ビームシールドの装備や全体的な性能の向上などこれまでのRFゲルググとは比べ物にならない性能を持っている。ただし、外観はゲルググや在来のジオン系とはかけ離れたデザインになっている。
脚注
- ↑ プラモデル『1/100マスターグレードMS-14Sゲルググ』(ver.1.0)付属解説書(バンダイ)の記述による。またこの記述の元となっているのは、『ガンダムセンチュリー』(みのり書房・1981)の「(ゲルググの)配備があと1か月早ければ連邦の勝利は無かっただろうともいわれる」である。
- ↑ プラモデル「1/100リアルタイプ ゲルググ」(バンダイ)のパッケージにて表記。
- ↑ バンダイより発売されたプラモデル「1/100マスターグレード 量産型ゲルググVer.2.0」の機体解説による。
- ↑ いわゆる試作機を作らず、最初から量産型を作り、それによりテストを行う方式は、現実の兵器開発でも行われることがあり「クック・クレイギー計画」と呼ばれる。テスト結果が順調であれば本格的量産までスムーズに進むのが長所だが、テスト時に重大な問題が発覚すると生産計画がかえって混乱するのが短所である。
- ↑ 5.0 5.1 総生産数、およびゲルググキャノンの未生産分の数はプラモデル 1/144「ゲルググキャノン」の解説書などに見られる。ただし、後年のHGUC「量産型ゲルググ」やMG「量産型ゲルググ Ver2.0」では参考数値として扱われており、正確な数値かは断定を避けている。
- ↑ 6.0 6.1 プラモデル『1/144 リゲルグ』(バンダイ)付属解説書による。
- ↑ 劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』等では、キシリアに対しトワニング准将が、ゲルググやリック・ドムに学徒兵が搭乗していると報告している。
- ↑ 書籍「Ζガンダムを10倍楽しむ本」などの、ガルバルディとの対比図などを参照。
- ↑ これはプラモデルの付属解説書などによる後付け設定である。元々ゲルググキャノンはMSV設定の産みの親である小田雅弘がホビージャパン別冊『HOW TO BUILD GUNDAM 2』(1980)誌上で創作したオリジナル模型作例であり、ガンキャノンの対抗馬という設定であった。
- ↑ 講談社『モビルスーツバリエーション2』100頁、『機動戦士ガンダムMS大全集』1988(バンダイ版・45頁)〜2006(アスキー・メディアワークス版・141頁)など。
- ↑ ロマンアルバム35「機動戦士ガンダム」140頁。
- ↑ ただし、作品世界で用いられるレプリカという単語は、本来の「模造品」という意味の他に、他機種のパーツを一部流用した「修復品」(レストア)も含まれるようである
- ↑ 『MS IGLOO -黙示録0079-』第3話。ヨーツンヘイム副長が、同艦左舷を追い越すチベ級巡洋艦を「脱出する最後の艦」と報告。直後にオッゴ隊が帰還した。
- ↑ 14.0 14.1 14.2 14.3 14.4 テンプレート:Cite web
- ↑ テレビシリーズ『機動戦士ガンダム』および映画『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』のキシリア・ザビとトワニングの会話による。
- ↑ 漫画『機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー』では、学徒兵の中でも、機種転換が間に合わなかった古参パイロットと隊列が組める操縦技量を有する者はザクIIやリック・ドムに搭乗し、数合わせの学徒兵がゲルググを受領した、とされている。
- ↑ 書籍『GUNDAM WEAPONS マスターグレードモデル"ゲルググ"編』11頁。
- ↑ プラモデル『マスターグレード シャア専用ゲルググ Ver.2.0』取扱解説書より。
- ↑ 19.0 19.1 講談社『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』24頁。
- ↑ 書籍『GUNDAM WEAPONS マスターグレードモデル"ゲルググ"編』60頁。
- ↑ 21.0 21.1 講談社『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』101頁。
- ↑ 『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』5巻、185頁。
- ↑ 「機動戦士ガンダム MSV-R ジオン軍編」 ISBN 978-4-04-121018-5
- ↑ ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』では、「ケン・ビーダーシュタット専用ゲルググ」という名称になっており、宇宙でも使用可能な他、グレネードランチャーがなくなっている。
- ↑ 『ガンダムエース2013年3月号』682頁の記載より。
- ↑ 小説版『0083』などで言及。
- ↑ 『0083』第8話、シーマ専用機とジム・カスタム(バニング大尉搭乗)の戦闘より。
- ↑ 『0083』第12話「強襲、阻止限界点」で使用。
- ↑ CDドラマ『宇宙の蜉蝣』におけるシーマの台詞から。
- ↑ 『0083』第8話、GP01Fbとの交戦より。
- ↑ 『GUNDAM FACT FILE』より。
- ↑ 32.0 32.1 プラモデル『HGUC 1/144 MS-14JG ゲルググJ』取扱解説書より。
- ↑ 『Gジェネレーション』シリーズではビーム・サーベルを装備していることが多く、逆に『ギレンの野望』シリーズでは装備していない。
- ↑ 書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』バンダイ、110頁。
- ↑ 書籍『Great Mechanics DX 21』より。発言者はメカニックデザイナーの玄馬宣彦。
- ↑ 『ガンダムエース』2010年12月号付録「ガンダムエース0号」77頁。
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「ms09
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 講談社『ロボット大全集 機動戦士ガンダム』など。
- ↑ 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼 ビジュアルブック コンプリートファイル』96、108頁。