クセニッツ
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クセニッツ(kutsenits)は、オーストリアに本社を持つバス車体メーカーである。主にノンステップバスの製造を手がける。
概要
日本では、金沢市で市中心部のコミュニティバスを導入する際に、地元のグリーンベル・モーター(後に「クセニッツジャパン」)が輸入代理店となり販売していた。その後、競合車種の台頭などもあって台数は伸び悩み、2005年にディーラーは輸入から撤退した。このこともあり導入した自治体の中には、メンテナンス面などから国産車への置き換えを決めたところもある。また故障も多く、前橋市「マイバス」は修繕費が6年間で6700万円かかっており、委託する側の自治体にとって、この費用は重荷になっていた。(国産車に切り替えたところ、初年度の修繕費用は530万円程度になる見込みだという)[1]。龍ケ崎市「龍・ゆうバス」は、2台あるバスの稼働率が56~61%と極めて悪く、修繕費も5年間で1890万円かかっていたことから、クセニッツの廃車を決めた。[2]
車種
フォルクスワーゲン・T4のフロントエンジン(FF・エアサス)シャーシに、自社製ボディを架装して完成させる。全長や車体幅、燃料の仕様などユーザーの要望に応じてきめ細かくカスタマイズが可能である。2004年にモデルチェンジでT5ベースとなり、デザインを一新した。国産の大型・中型の路線バス同様の大型行先表示機を前面に搭載できるのも大きな特徴である。なお、バスのほか、同じシャーシをベースとした貨物仕様の製造も行っている。貨物仕様は「CARGO-」と呼ばれる。
- CITY-I L
- CITY-I L CNG(CITY-I LのCNGタイプ)
- 全長6m未満のタイプで、特に需要の小さいまたは狭隘な路線で使われる。東京都小平市「にじバス」が代表例。
- CITY-II ハンディキャップ
- 全長6m級のタイプ。後面に車椅子乗車用の扉を設け、エアサスによりほぼ地面と同じ高さまで車体を下げることが可能である。
- CITY-IV
- CITY-IV CNG(CITY-IVのCNGタイプ)
- モデルチェンジ前はCITY-IIIと称した。全長7m級で後輪が2軸となっているのが特徴。後面に扉を設けて車椅子の乗降が可能な仕様もある。
日本での導入
コミュニティバスでの納入実績
- 「toco東循環」 CITY-III(運行は国際興業バス)三菱ふそう・エアロミディMEに車両置換のため除籍
- 埼玉県蕨市
- 東京都小平市
- 「龍・ゆうバス」 CITY-III CNG車(運行は関東鉄道、平成観光)
- 茨城県つくば市
- 「つくバス」 CITY-I CNG車(運行は関東鉄道)。
- 「カモンバス」→「射水市コミュニティバス」 CITY-I、IV
- 上記の西東京市「はなバス」の内、関東バスの CITY-III 2台が2007年8月に会津乗合自動車へ譲渡され、1台がまちなか周遊バス「あかべぇ」に、もう1台は「社会実験バス」→「病院循環バス ひまわりくん」となった。それぞれ2010年7月、2011年5月に廃車されている。
その他
- 「ふれあいバス」 CITY-III 2007年使用終了
介護施設が購入した例もある。また、CARGO-IIIは「Q-car」(実車版チョロQ)の輸送に使われた。