札幌市交通局240形電車
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札幌市交通局240形電車(さっぽろしこうつうきょく240がたでんしゃ)とは、札幌市交通局が1960年に導入した札幌市電の路面電車車両である。
概要
1960年(昭和35年)に登場した。241~248号の8両。210形・220形・230形と同一の札幌スタイルと呼ばれる丸みの多い、正面1枚窓のデザインが採用された道産電車である。
車両番号 | 製造年月 | 種車 | 製造元 |
---|---|---|---|
241号 | 1960年4月 | 151号 | 泰和車輌 |
242号 | 152号 | ||
243号 | 予備品 | ||
244号 | 1960年2月 | 154号 | 藤屋鉄工 |
245号 | 1960年4月 | 155号 | |
246号 | 予備品 | ||
247号 | 157号 | 苗穂工業 | |
248号 | 156号 | ||
245号は1970年9月廃車、721号に機器供出 |
札幌綜合鉄工共同組合で、廃車となった単車、150形の主要機器を流用し、不足分は予備品を集め、製造された。主制御器は間接非自動式となった。台車は豊平製鋼が製造した。
243号車のみ、バンパー下部がD1010形と同様に切り欠かれている。気動車はこの部分にラジエーターを保護するきちんとしたグリルがあるが、243号は550形 - 580形の排障器に似た帯材組みの格子が取り付けられていた。
245号が事故により1970年(昭和45年)9月に廃車され、電装品と台車は気動車改造の720形に流用された。
残る7両は引き続き使用されており、現在の札幌市電の形式中では最多両数となっている。
改造
- 収納座席化
- ラッシュ時の混雑緩和のため、運転席付近の4名分を除き、座面を背ずり側に折りたためる座席構造に改造した。この改造により座席定員は4名となった。243・245・246・248号の4両に施工された。
- 集電装置
- 製造当初はビューゲルであったが、Z形パンタグラフに変更された。
- ワンマン化
- 1969年(昭和44年)11月 - 12月に全車ワンマン化され、識別のため、車体の白帯が蛍光色の赤帯に変更された。
- 車体更新
- 1978年(昭和53年) - 1980年(昭和55年)にかけて車体更新が実施された。車体形状に変化は無いが、側面の赤帯は白帯に変更され、裾部のステンレス製飾り帯は撤去された。243号の正面下部形状も他車と揃えられた。
- 車体更新 (2)
- 1991年(平成3年)12月に242号、1994年(平成6年)8月に248号、11月に243号、1995年(平成7年)8月に244号、11月に247号、1996年(平成8年)8月に246号、11月に241号が再び車体更新を受けた。更新工事は札幌交通機械が施工した。
- 運転席用の換気口と方向幕が一体化され、前照灯は腰部に2灯並べられたため、外観が大きく変化した。塗色は242号は8500形と同様に、241号・243号・244号・246号 - 248号は3300形と同様のSTカラーに変更された。
- 台車枠更新
- 244号、247号、248号は2007年(平成19年)、243号、246号は2008年(平成20年)に台車枠を道産台車から川崎重工業KW-181への更新が行われている。併せて屋根上のベンチデータ撤去、天井への配線ダクト新設、3300形同様のLED表示による車内案内装置の新設が行われている。241号、242号は当分未更新のまま使用される見込みである。
全面広告車両
2008年2月現在、242号がコカ・コーラ、243号がQoo、248号がKitaraの全面広告車両となっている。また、244号は不二家ミルキーの全面広告車両となっていたが、2007年1月に同社の不祥事による広告自粛に伴い、一時期ロゴやイラスト等を剥がした全面赤塗装のみで運転されたのち通常塗装に戻った。 テンプレート:-
主要諸元
- 全長:12,500mm
- 全幅:2,230mm
- 全高:3,675mm
- 自重:14.4t
- 定員:100人
- 出力・駆動方式:37.3kW×2・吊り掛け式
- 台車型式:札幌綜合鉄工共同組合コロ軸受け式
参考文献
- 『鉄道ピクトリアル No.852 2011年8月臨時増刊号<特集>路面電車』、電気車研究会、2011年