札幌市交通局220形電車

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札幌市交通局220形電車(さっぽろしこうつうきょく220がたでんしゃ)とは、札幌市交通局1959年に導入した札幌市電路面電車車両である。

概要

1959年(昭和34年)に登場した。221~228号の8両。210形などと同一の、「札幌スタイル」と呼ばれる丸みの多い、正面1枚窓のデザインが採用された道産電車である。210形と同形であるが、製造年度の違いから別形式となった。

車両番号 製造年月 種車 製造元 廃車年月
221号 1959年2月 121号 泰和車輌 現用
222号 122号
223号 1959年4月 123号 1974年5月
224号 124号 運輸工業
225号 125号 藤屋鉄工
226号 126号 運輸工業
227号 127号 藤屋鉄工
228号 130号 苗穂工業

札幌綜合鉄工共同組合で、廃車となった単車120形130形の主要機器を流用して製造された。台車は同系統の200形210形と同じメタル軸受の物で、茶臼山鉄工所が製造した。

223 - 228号が鉄北線廃止に伴い1974年(昭和49年)5月に廃車されたが、残る2両は以降も使用されている。

改造

立ち席スペース設置
混雑緩和のため、運転席右後ろの座席を一部撤去し、立ち席スペースとした。
集電装置
製造当初はビューゲルであったが、全車Z形パンタグラフに交換された。
ワンマン化
1971年(昭和46年)に全車ワンマン化され、識別のため、車体に蛍光色の赤帯が入れられた。
制御器
221号と222号はワンマン化と同時に600形東京都電8000形廃車発生品の制御器を流用して直接制御から間接非自動制御に改造された。
車体更新
1978年(昭和53年) - 1980年(昭和55年)にかけて車体更新が実施された。車体形状に変化は無いが、側面の赤帯は白帯に変更され、裾部のステンレス製飾り帯は撤去された。
車体更新 (2)
1990年(平成2年)8月に222号が、11月に221号が再び車体更新を受けた。運転席用の換気口と方向幕が前面上部に一体化され、前照灯は腰部に2灯並べられたため、外観が大きく変化した。塗色は222号は210形更新車同様でやや明るいものに、221号は8500形と同様のものに変更された。
台車枠更新
2011年(平成23年)台車枠を道産台車から川崎重工業KW-181への更新が行われた。併せて屋根上のベンチレータ(換気口)撤去、天井への配線ダクト新設、3300形と同様のLED表示による車内案内装置の新設が行われている。

保存車

225号がおびひろ動物園に保存されていたが、現在は解体されている。

全面広告車両

222号が2006年秋までは北海道赤十字血液センター献血推進キャンペーン)の、それ以降は朝日新聞の全面広告車両となっている。(2008年1月現在) テンプレート:-

主要諸元

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  • 全長:12,500mm
  • 全幅:2,230mm
  • 全高:3,675mm
  • 自重:14.4t
  • 定員:100人
  • 出力・駆動方式:37.3kW×2・吊り掛け式
  • 台車型式:札幌綜合鉄工協同組合メタル軸受け式

参考文献

  • 『鉄道ピクトリアル No.852 2011年8月臨時増刊号<特集>路面電車』、電気車研究会、2011年

テンプレート:札幌市交通局の車両