角煮
角煮(かくに)とは、豚肉のばら肉(三枚肉)を使った料理である。肉を1口大に切り、調味料や香味野菜を加えて柔らかく煮て調理する。
概要
地域や調理する人によって、使用される香辛料や調味料が異なる。
臭みがあるので、茹でる際や食べる時にネギ・ショウガなどの香味野菜を使う事があり、煮込みは、みりん、醤油、日本酒・焼酎・泡盛、砂糖・黒糖などを加えて、甘辛い味付けになることが多い。
九州の郷土料理でもあり、薩摩料理を代表する肉料理として知られている。長崎県では卓袱料理の「東坡煮(とうばに)」が存在している。角煮の事を鹿児島県内では「とんこつ」と呼ぶ事が一般的である。沖縄県では「ラフテー」の郷土料理として広く知られている。
調理は、肉を煮る他に揚げる・蒸すの工程を加える場合もある。 醤油は、日本製の濃口醤油や甘い醤油を使用する。場合によっては、香辛料を加える。 大根など他の材料を加えて同時に調理することがある。
東坡煮
長崎県の代表的な卓袱料理である。豚肉をたれに漬け込んで煮込む前に、一度水煮することで余分な脂が取り除かれている [1][2]。
ラフテー
テンプレート:Main 沖縄県の郷土料理[3]。元々は琉球王朝の宮廷料理であった。皮付きの三枚肉を用いる[3]。皮つきで豚毛が残っていた場合は毛を剃った後、残った毛を直火で焼く。かたまりのまま下茹した後、5cm角程度に切り分ける。これを泡盛、醤油、鰹や昆布の出汁、砂糖などをあわせた煮汁の中に入れて弱火で数時間煮る。
その後、冷まして煮汁の表面に固まったラードを取り除いた上で煮返す。盛りつけの時にショウガを添えることもある。
東坡肉
テンプレート:Main 中国杭州には浙江料理の「東坡肉」が存在する。
- 東坡肉は通常八角や五香粉などの香辛料を加えて調理する。
- 本格的な東坡肉には甘く濃厚な中国醤油(老抽)が使用される。
- 東坡肉では肉を煮る他に揚げる・蒸す作業を加えることが多い。
- 東坡肉が(皮付きの)三枚肉だけを調理する。
東坡肉との呼び方は、中国北宋代の詩人蘇東坡(蘇軾)の名による。これは政争に巻き込まれて左遷された蘇東坡が、流刑先の黄州で安価な豚肉をたらふく食らい、悠々自適の生活を送る詩を吟じたことに由来するという。
豚肉以外の角煮
角煮の料理法は広がりを見せ、他の食材でも使用されている。
- マグロの角煮
- 牛肉の角煮
脚注
テンプレート:Sisterテンプレート:Food-stub- ↑ 古場久代『卓袱料理のすすめ 長崎食文化の奥義』(長崎文献社, 2007年6月)、p.74
- ↑ 長崎 料亭旅館 坂本屋 東坡煮(とうばに) 角煮めし
- ↑ 3.0 3.1 テンプレート:Citation