陸別駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
陸別駅(りくべつえき)は、かつて北海道足寄郡陸別町字陸別原野基線69番地1にあった北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅(廃駅)である。電報略号はリク。
目次
駅名の由来
アイヌ語の「リク・ウン・ペツ」(高いところにある川)より。
駅構造
廃止時は相対式ホーム2面2線を持つ地上駅であった。ホーム間は跨線橋で結ばれていて、銀河線の駅の中で唯一列車の停泊が行われる駅でもあった。
- のりば
- 1番線…ふるさと銀河線上り足寄・本別・池田方面
- 2番線…ふるさと銀河線下り置戸・訓子府・北見方面
- 廃止まで社員配置駅で、末期には嘱託の駅員が1名配置されていた。末期には窓口は平日9時00分から17時25分まで営業していたが、廃止前1ヶ月程度の期間は土日祝も営業していた。駅員が嘱託であったため足寄駅長が陸別駅長を兼務していた。嘱託の駅員が休みの時は、足寄もしくは置戸からの助勤で対応していた。
- 他の有人駅と異なり、指定券を発行できず、池田駅からの取り寄せ販売であった。JRきっぷを販売していたが指定券を同時発券できなかった。
- 池北線時代、急行「池北」の停車駅であった。民営化後も廃止時まで、快速「銀河」の停車駅だった。
廃止後の状況
- 駅事務室跡には十勝バス陸別案内所が入居し、帯広方面行の乗車券類取り扱っている。
- 2008年(平成20年)4月より旧駅構内は、陸別町商工会の主導で鉄道保存展示施設である「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」として気動車の運転体験、乗車体験等ができるようになっている。期間は4月下旬 - 10月下旬の第二・四土日。
- 陸別駅駅名板.jpg
廃止後もそのままの姿で駅名板が存在
- 十勝バス陸別.jpg
十勝バス案内所となった窓口(2006年10月)
駅跡地・周辺
- 道の駅オーロラタウン93りくべつ
- 北海道道502号斗満陸別停車場線
- 国道242号
- 北海道道51号津別陸別線
- 陸別町役場
- 本別警察署陸別駐在所
- 陸別郵便局
- 帯広信用金庫陸別支店
- 陸別町農業協同組合(JA陸別町)
- 利別川
- 十勝バス・北海道北見バス「陸別」、陸別町営バス「駅前」停留所
歴史
- 1910年(明治43年)9月22日 - 国有鉄道の淕別駅(りくんべつえき)として開業する(一般駅)。
- 1911年(明治44年)9月24日 - 池田機関庫淕別分庫設置[1]。
- 1913年(大正2年) - 駅舎を焼失する。
- 1914年(大正3年)4月7日 - 駅舎を焼失する。
- 1915年(大正4年)- 駅舎が新築落成する。
- 1919年(大正8年)5月3日 - 池田機関庫淕別分庫が野付牛(現 北見)機関庫の分庫となる[1]。
- 1924年(大正13年)10月1日 - 野付牛機関庫淕別分庫が廃止される[2]。
- 1949年(昭和24年)
- 10月 - 駅舎を改築する。
- 11月20日 - 名称を陸別駅(りくべつえき)に変更する。
- 1953年(昭和28年)12月12日 - 跨線橋を設置する。
- 1971年(昭和46年)7月1日 - 当駅発着の帯広までの急行「池北」1往復が廃止となる。
- 1980年(昭和55年)10月1日 - 北見 - 帯広間の急行「池北」1往復が廃止され、当駅発着は普通列車のみとなる。
- 1982年(昭和57年)9月10日 - 貨物取扱いを廃止する。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 荷物取扱いを廃止する。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に継承される。
- 1989年(平成元年)6月4日 - 特定地方交通線に選定されていた池北線の転換に伴い北海道ちほく高原鉄道に継承される。
- 2006年(平成18年)4月21日 - ふるさと銀河線の廃線に伴い駅が廃止される。駅事務室は十勝バス陸別案内所となる。
- 2008年(平成20年)4月20日 - 「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」開館。体験施設として2年ぶりの復活となる。
陸別(淕別)および斗満森林鉄道
歴史
- 1922年(大正11年) - 両幹線敷設工事着工。
- 1924年(大正13年) - 淕別貯木場(駅土場)12.43ha設置。ただし淕別森林鉄道側は、当時の町内からの「市街通過は甚だ危険」との申し入れで蒸気機関車の市街地乗り入れができず、土場から2kmの地点に機関庫設置。そこより土場まで馬力運行となる。後に町内の同意を得て土場まで機関車運行。
- 1925年(大正14年)
- - 淕別森林鉄道幹線18.905km敷設。5t蒸気機関車運行。
- - 斗満森林鉄道幹線18.085km敷設。10t蒸気機関車運行。
- 1939年(昭和14年) - 斗満森林鉄道クンネベツ支線10.458km敷設。10t蒸気機関車運行。
- 1940年(昭和15年) - 淕別森林鉄道幹線20.112kmに延長。
- 戦時中のデータ不明(一部鉄材供給のため撤去か?)
- 1945年(昭和20年)1月27日 - 機関車修理工場から出火、機関車2両焼失。
- 1946年(昭和21年)7月21日 - 貯木場大火。
- 1947年(昭和22年) - 淕別森林鉄道土井沢支線2.2km敷設。
- 1949年(昭和24年) - 淕別森林鉄道二股支線2km敷設。斗満森林鉄道幹線延長開始。
- 1950年(昭和25年) - 陸別森林鉄道一の沢支線2km敷設。
- 1953年(昭和28年) - 陸別森林鉄道廃止。トラック輸送に切り替え。
- 1954年(昭和29年) - 斗満森林鉄道ニオトマム支線12.700km敷設。
- 1956年(昭和31年) - 斗満森林鉄道幹線23.928kmに延長。運用機関車をすべてディーゼルに転換。B5t加藤製3台、B7t酒井製1台・加藤製2台。
- 1965年(昭和40年) - 斗満森林鉄道廃止。トラック輸送に切り替え。
保有機関車
1948年(昭和23年)における保有機関車は淕別、斗満合わせて以下の通り[3]。
隣の駅
脚注
参考文献
- 陸別町史 通史編 平成6年発行
- 陸別町郷土叢書第4巻「叢樹にいどむ」 陸別町 平成5年発行
- 東北海道の林業 帯広営林局 昭和44年発行
関連項目
- 特定地方交通線
- 日本の鉄道駅一覧
- 幸福の黄色いハンカチ - 国鉄時代の当駅が登場する。