ドリームワークス

ドリームワークスSKG（DreamWorks SKG）は、アメリカの映画会社、製作会社である。

概要

1994年、ディズニーの製作部門のトップであったジェフリー・カッツェンバーグが、会長であったマイケル・アイズナーに対して事故死したフランク・ウェルズ社長の後任へ自薦したのを断られたのをきっかけに退社。映画監督のスティーヴン・スピルバーグ、レコード会社経営者のデヴィッド・ゲフィンを誘って設立。SKGは3人の設立者、Spielberg、Katzenberg、Geffenの頭文字をとったものである。ちなみに『アミスタッド』以降すべてのスピルバーグ監督作品を制作していた(一部は他の会社との合作にあたる)が、2008年の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以降のスピルバーグはアンブリン・エンターテインメントやルーカスフィルムで制作を行うこともある。

来歴

ヒット作は出るものの、現代の映画会社の経営が過去の作品の映像ソフト化やテレビ放映権収入に多くを依存しているのに対して、同社は過去のストックが少ないために経営状態は苦しく、財務体質の改善を目的として、2003年には音楽部門であるドリームワークス・レコードをユニバーサルミュージックに売却。翌2004年にはアニメ部門をドリームワークス・アニメーションSKGとして分社化し、ニューヨーク証券取引所に株式上場した（これにより、共同創設者だったジェフリー・カッツェンバーグも退社、ドリームワークス・アニメーションSKGのCEOに就任した）。

さらに、2005年12月には、バイアコム傘下のパラマウント映画が16億ドルでドリームワークス自体の買収を発表（2006年2月に正式合意）。

ところが、2007年にはバイアコムのフィリップ・ドーマンCEOが「スピルバーグ監督は不要」と発言、両者の関係は険悪化。

2008年9月、スピルバーグはインドのコングロマリットであるリライアンス・ADA・グループと、JPモルガン・チェース証券がメインとした複数の銀行からの出資を受け、元・パラマウント映画社長ステイシー・スナイダーと共にパラマウント映画から独立。スナイダーがCEOに就任した。しかし、この分離・独立の時期がリーマン・ショックと重なったため、当初はリライアンス・ADA・グループから5億5000万ドル、銀行から7億5000万ドルの計13億ドルを調達するはずだった計画が、リライアンスからの出資3億2500万ドル、銀行からも同額の3億2500万ドルの計6億5000万ドルの出資となってしまった^[1]。

2009年2月にはディズニーとの配給契約を締結し、2011年公開の『アイ・アム・ナンバー4』から実写作品の配給が開始された。ただし、アニメーション作品はこの契約には含まれず、2012年までパラマウントとの契約を継続する他、実写作品についてもパラマウントとの共同製作および配給されるものもある。

先述のリーマン・ショックの影響のため2012年の年明けには資金が底をつき、新作の企画開発を遅れていたが2012年4月11日にインドのリライアンス・エンタテインメントから新たな出資契約を取りつけたと報じた。詳細な契約内容は明らかにされていないが、ドリームワークスは今後も年間3～5本を製作する予定^[2]。

日本での配給会社の変遷

設立当初、日本における配給はUIPを通して上映され、ビデオ・DVDはCIC・ビクタービデオ株式会社（現パラマウントジャパン）、2001年からはユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン株式会社（現ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン）により発売されていた。

2004年に角川ホールディングスが同社との提携を発表、その結果ドリームワークス関連事業を角川グループが独占できるようになった。映画配給はアスミック・エースエンタテインメントが、DVD販売は角川エンタテインメントがそれぞれ担当している（角川エンタテインメントが販売する作品はアスミックなどが発売する方式をとっているが、ドリームワークス作品のみ一社発売、販売体制をとっている。ドリームワークス設立当初に製作された作品に関しても、徐々にユニバーサルから角川に発売・販売権が移行された）。その後は実写映画を角川映画が、アニメをアスミックがそれぞれ配給する役割分担が行われ、角川エンタテインメントとの共同配給での公開となった。

バイアコムの買収により、日本でも2008年11月以降の作品はパラマウント・ピクチャーズ・ジャパン（パラマウントジャパンの配給部門）配給で公開されており、DVDの発売・販売権も2009年4月10日発売分からパラマウントジャパンへと移行した。しかし、実写作品はディズニーとの提携により、2010年以降ウォルトディズニースタジオモーションピクチャーズジャパン配給に変更される。

映画作品

テンプレート:See also ※アメリカ本国を基準に記載

※ドリームワークスアニメーションズが製作した作品はAと表示

2000年

「あの頃ペニー・レインと」''Almost Famous （コロムビア映画）
「キャスト・アウェイ」 Cast Away （共同製作：20世紀フォックス）
「チキン・ラン」 Chicken Run （アードマン・アニメーションズ）
「ザ・コンテンダー」The Contender
「ピース・ピープル」An Everlasting Piece （コロムビア映画）
「グラディエーター」 Gladiator （ユニバーサル・スタジオ）
「ヨセフ物語夢の力」Joseph: King of Dreams （Direct to Video）
「バガー・ヴァンスの伝説」The Legend of Bagger Vance （20世紀フォックス）
「ミート・ザ・ペアレンツ」Meet the Parents （共同製作：ユニバーサル・スタジオ）
「エル・ドラド黄金の都」The Road to El Dorado
「ロード・トリップ」Road Trip
「おいしい生活」Small Time Crooks
Walk the Talk （Direct to Video）
「ホワット・ライズ・ビニース」What Lies Beneath （ユニバーサル・スタジオ）

2001年

「ラスト・キャッスル」The Last Castle
「A.I.」A.I.: Artificial Intelligence （共同製作：ワーナー・ブラザーズ）
「ビューティフル・マインド」A Beautiful Mind （共同製作：ユニバーサル・スタジオ）
「スコルピオンの恋まじない」The Curse of the Jade Scorpion
「エボリューション」Evolution （コロムビア映画）
「ザ・メキシカン」The Mexican （共同製作：ニューマーケット・フィルムズ）
「シュレック」Shrek

2002年

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」Catch Me If You Can
「さよなら、さよならハリウッド」Hollywood Ending
「マイノリティ・リポート」Minority Report （共同製作：20世紀フォックス）
「ザ・リング」The Ring
「ロード・トゥ・パーディション」Road to Perdition （20世紀フォックス）
「きれいな涙　スピリット(スピリット:スタリオン・オブ・ザ・シマロン)」Spirit: Stallion of the Cimarron
「タイムマシン」The Time Machine （ワーナー・ブラザーズ）
「タキシード」The Tuxedo

2003年

「僕のニューヨークライフ」Anything Else
「バイカーボーイズ」Biker Boyz
「ハットしてキャット」The Cat in the Hat （共同製作：ユニバーサル・スタジオ）
「ヒップホップ・プレジデント」Head of State
「砂と霧の家」House of Sand and Fog
「千年女優」Millennium Actress （日本アニメ製作：マッドハウス、米国配給：ゴー・フィッシュ・ピクチャーズ）
「アダルト♂スクール」Old School
「ペイチェック消された記憶」Paycheck （共同製作：パラマウント映画）
「シービスケット」Seabiscuit （共同製作：ユニバーサル・スタジオ、スパイグラス・エンターテインメント）
「シンドバッド 7つの海の伝説」Sinbad: Legend of the Seven Seas

2004年

「俺たちニュースキャスター」Anchorman: The Legend of Ron Burgundy
「コラテラル」Collateral （パラマウント映画）
「隣のリッチマン」Envy' （コロムビア映画）
「ユーロトリップ」Eurotrip
「イノセンス」Innocence: Ghost in the Shell 2 （日本アニメ製作：Production I.G、米国配給:ゴー・フィッシュ・ピクチャーズ）
「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events （共同製作：パラマウント映画、ニコロデオン・ムーヴィーズ）
「ミート・ザ・ペアレンツ2」Meet the Fockers （共同製作：ユニバーサル・スタジオ）
「シャーク・テイル」Shark Tale （配給のみ）
「シュレック2」Shrek 2 （配給のみ）A
「ステップフォード・ワイフ」The Stepford Wives （1975年の映画をリメイク、共同製作：パラマウント映画）
「恋のクリスマス大作戦」Surviving Christmas
「ターミナル」The Terminal
「アイドルとデートする方法」Win a Date with Tad Hamilton!

2005年

「夢駆ける馬ドリーマー」Dreamer
「アイランド」The Island （ワーナー・ブラザーズ）
「恋人はゴースト」Just like Heaven
「マダガスカル」Madagascar （配給のみ）A
「マッチポイント」Match Point
「SAYURI」Memoirs of a Geisha （共同製作：コロムビア映画、スパイグラス・エンタテインメント）
「ミュンヘン」Munich （共同製作：ユニバーサル・スタジオ）
The Prize Winner of Defiance, Ohio
「パニック・フライト」Red Eye
「ザ・リング2」The Ring Two
「ウォレスとグルミット野菜畑で大ピンチ!」Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit （配給のみ、共同製作：ドリームワークス・アニメーション、アードマン・アニメーションズ）
「宇宙戦争」War of the Worlds （共同製作：パラマウント映画、アンブリン・エンターテインメント）

2006年

「ドリームガールズ」Dreamgirls （パラマウント映画）
「父親たちの星条旗」Flags of Our Fathers （ワーナー・ブラザーズ）
「マウス・タウンロディとリタの大冒険」Flushed Away （パラマウント映画を通しての配給のみ、共同製作：ドリームワークス・アニメーション, アードマン・アニメーションズ）
「ラストキス」The Last Kiss （配給のみ、レイクショア・エンタテインメント）
「森のリトル・ギャング」Over the Hedge （パラマウント映画を通しての配給のみ）A
「パフュームある人殺しの物語」Perfume: The Story of a Murderer （配給のみ）
「アメリカン・ピーチパイ」She's the Man （レイクショア・エンタテインメント）

2007年

「ビー・ムービー」Bee Movie （パラマウント映画を通しての配給のみ）A
「俺たちフィギュアスケーター」Blades of Glory （MTVフィルムズ）
「ディスタービア」Disturbia
「硫黄島からの手紙」Letters from Iwo Jima （ワーナー・ブラザーズ）
「マッド・ファット・ワイフ」Norbit S
「シュレック3」Shrek the Third （パラマウント映画を通しての配給のみ）A
「スウィーニー・トッドフリート街の悪魔の理髪師」Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street （ワーナー・ブラザーズ）
「悲しみが乾くまで」Things We Lost in the Fire
「トランスフォーマー」Transformers （パラマウント映画）

2008年

「マダガスカル2」Madagascar 2: The Lost Island A
「カンフー・パンダ」Kung Fu Panda A

2009年

「トランスフォーマー: リベンジ」Transformers: Revenge of the Fallen （パラマウント映画）
「モンスターVSエイリアン」Monsters vs. Aliens （パラマウント映画）
「ラブリーボーン」The Lovely Bones （パラマウント映画）

2010年

「ヒックとドラゴン」How to Train Your Dragon（パラマウント映画）
「シュレックフォーエバー」Shrek Forever After（パラマウント映画）

2011年

「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」Transformers: Dark Of The Moon （パラマウント映画）
「カンフー・パンダ2」Kung Fu Panda2（パラマウント映画）
「メガマインド」Megamind（パラマウント映画）
「長ぐつをはいたネコ」Puss in Boots（パラマウント映画）

2012年

「マダガスカル3」Madagascar 3（パラマウント映画）
「リンカーン」Lincoln

発表

When Worlds Collide （パラマウント映画）
The Hands of Shang-Chi
Fatal Frame
The Ring Three
Ghost in the Shell

製作

Splinter Cell: The Movie （2010年、パラマウント映画）

出典

外部リンク

公式サイト

テンプレート:スティーヴン・スピルバーグ監督作品

[1] ドリームワークス、深刻な資金難　出資各社と再交渉へ

[2] ドリームワークス、リライアンスから新たに資金調達

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[2]