マレノストルム
マレノストルム(MareNostrum)は、米IBMとスペイン科学教育省が構築したスーパーコンピュータ(HPC)。スペイン・バルセロナにある国立スーパーコンピュータセンター(バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター)に設置されている。
「マレ・ノストルム」は、ラテン語で「われらの海」を意味し、ローマ時代に地中海を指した言葉である。
機能
マレノストルムは、2560個のブレードサーバ BladeCenter JS21 から構成されている。各ノードは、IBMのデュアルコア・プロセッサ PowerPC 970MPを2つ使用しており、マレノストルム全体は 2.3 GHz のCPU 10,240 コアで構成されていることになる。ノード間はMyrinetとギガビット・イーサネットで接続されている[1]。
OSはSUSE Linux Enterprise Server 9。Linpackベンチマーク値は、最大実効性能 62.63TFLOPS、理論ピーク性能 94.21TFLOPSを記録している。2009年12月時点で、ヨーロッパで25番目(世界で77番目)に強力なコンピュータである[2]。
大きさは 120 m2 で、バスケットボールコート半分の大きさよりも小さい。総重量は 40,000 kg。古い教会堂を利用したバルセロナ・スーパーコンピューティング・センターに設置されている。
スペインのスーパーコンピュータネットワークテンプレート:Enlinkを構成する7台のHPCのうちのひとつであり、遺伝解析などに使用されている。
沿革
2004年3月、IBMとスペイン政府は、世界最速級のスーパーコンピュータの建造に関する協定を結んだ[1]。マレノストルムは当初、マドリード郊外の街サンフェルナンド・デ・ヘナレステンプレート:Enlinkにおいて、IBMとスペイン科学教育省が共同で2ヶ月をかけて構築した。その後、バルセロナの現在地に移転した。
当初は、IBMの汎用CPU(PowerPC 970FX)を使用したブレードサーバ BladeCenter JS20を使用しており CPU 3564コア、20.53TFLOPSの性能を持った。2004年11月時点で世界4位[3]を記録している。その後もプロセッサを加えるなどのアップグレードを行っており、現在の10240コアへの改修を行い62.63TFLOPSを実現した後の2006年11月時点では、世界5位の速さを持つスーパーコンピュータであった[4]。