Yak-3 (航空機)

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Yak-3(Jak-3;ヤク3;ロシア語:Як-3ヤーク・トリー)は、Yak-9の主翼を小型化したソ連の低高度用戦闘機A・S・ヤコヴレフ記念試作設計局で開発された。

概要

開発

当初は1941年頃より小型の主翼を装備する低・中高度用の格闘戦闘機として開発されていたが一旦中止、1943年からオレーク・コンスターンチノヴィチ・アントーノフ(アントーノフ設計局の創始者)により計画が復活された。新しい機体は当初の機体と異なる水滴型風防装備のYak-1Mを基礎として開発された。主翼はYak-9のものが使用された開発機もあったが、最終的には当初の機体のような小型のものが採用された。エンジンは新型のクリーモフVK-107が装備されるはずであったが結局間に合わず、VK-105PF2が搭載された。実戦においては最も優れたソ連戦闘機とも言われたほどの働きを残した。武装は12.7 mm UBS機銃1~2挺と20mm ShVAK機関砲1門であった。生産は、ロシアウクライナで行われた。

派生型

ファイル:Jakowlew Jak-3M green r.jpg
Yak-3M(オリジナル機とはエンジン周りや風防、降着装置が異なる)
ファイル:Jak3 ILA2006.jpg
Yak-3M(オリジナル機とはエンジン回りや降着装置が異なる)

Yak-9T同様に37 mmのN-37機関砲と20 mm機関砲各1門を搭載するYak-3T(Як-3Т)も開発されたが、エンジンのオーバーヒートの問題が解決されなかったことなどから量産はされなかった。また、当初の計画通りにVK-107Aエンジンを搭載した機体も開発されたが、結局このエンジンはYak-3の機体には適さないとされ、少数が生産・配備されたに留まった。この機体は制式名称も与えられず、単に「VK-107A付きYak-3(Як-3 с ВК-107А)」と呼ばれた。その結果、戦後初期のソ連の主力機は同じVK-107A装備のYak-9Pとなった。一方、複座のYak-3UTI(Як-3УТИ)は生産もされ、のちエンジンを換装したYak-11へと発展した。また、Yak-3にRD-10(ドイツのユモ004の複製)を搭載するジェット戦闘機も戦後開発され、Yak-15として1946年4月24日に初飛行を行った。その他、Yak-3U(Як-3У)、Yak-3K(Як-3К)、Yak-3P(Як-3П)、Yak-3PD(Як-3ПД)、Yak-3RD(Як-3РД)、VK-108付きYak-3(Як-3 с ВК-108)など多くの派生型が開発されたが、いずれも本格的な生産はなされていない。一方、1992年に初飛行を行ったYak-3の復元再生産機Yak-3M(Як-3М)は、Yak-9UMに生産が移行するまでの間、少数が量産された。なお、Yak-3Mはアメリカ合衆国製のアリソンV-1710レシプロエンジンを搭載している。

スペック(Yak-3)

  • 初飛行:1943年
  • 翼幅:9.20 m
  • 全長:8.50 m
  • 全高:2.42 m
  • 翼面積:14.85 m2
  • 空虚重量:2123 kg
  • 通常離陸重量:2692 kg
  • 発動機:クリーモフ VK-105PF-2 液冷式レシプロエンジン ×1
  • 出力:1240 馬力
  • 最高速度(地表高度):567 km/h
  • 最高速度:646 km/h
  • 実用航続距離:648 km
  • 上昇力:1111 m/min
  • 実用飛行上限高度:10400 m
  • 乗員:1 名
  • 武装:20 mm ShVAK機関砲 ×1、12.7 m UBS機銃 ×2

使用国

ファイル:Yu Yak-3.jpg
ユーゴスラヴィア空軍及び防空軍のYak-3

関連項目

姉妹機

テンプレート:第二次世界大戦期のソビエト連邦の航空機