Intel 80287
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Intel 80287は、80286のために用意されていたNDP(数値演算コプロセッサの、インテルによる呼称)。
8086同様80286は整数計算の命令しか備えていないため、80286だけで浮動小数点演算を行うには独自にライブラリを用意する必要があった。80287を80286の搭載されたコンピュータにセットすると、浮動小数点計算の命令を使うことができるようになる。また、互換性のため、アプリケーションからはNDPがあるように見せかけて、実際は割り込みルーチン内に浮動小数点演算ライブラリを組み込む手段も用意されていた。しかし、この方法は非常に遅いため、あまり使われる事は無かった。この手段を使わず、浮動小数点演算命令をエミュレーションライブラリにより実行していた場合は、NDPを利用するためにはアプリケーションソフトそのものも、再コンパイルが必要であった。
CPUとの接続形態
80287は、当初、協調して動作する80286と同一クロック周波数で同期して動作する見込みが立たなかったため、厳密な意味でのコプロセッサではなく、単なる入出力プロセッサとして設計された。このため、逆に、より高速なクロックで動作させる事もできた。
また、このことにより、あまり意味はないがソフトウェア及び外部回路の工夫により、1つの80286に複数の80287を接続したり、他の種類のCPU、例えば386や、Vシリーズなどに80287を接続する事もできた。逆に、80286に、他の種類のNDPを接続する事も可能であった。 NECのPC-9801VXなど、80286を搭載したコンピュータには、80287を刺すことができるソケットが用意されていた。
製品一覧
- 80287-8
- 80287XL(IEEE 754への対応度を上げた)
互換品
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD) Am80C287、Am80EC287
- サイリックス 80C287
- Intersil 80C287
- IIT 2C87