FDTD法
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FDTD法(Finite-difference time-domain method; FDTD method)は、電磁場解析の一手法である。日本語では時間領域差分法、有限差分時間領域法などと訳されるが、もっぱらFDTD法と呼ばれる。
概要
マクスウェルの方程式を直接、空間・時間領域での差分方程式に展開して逐次計算をすることで、電場・磁場を決定する。ここで言うマクスウェルの方程式(ファラデーの電磁誘導の法則とアンペールの法則)とは
- <math>\nabla \times \overrightarrow{E} = -\frac{\partial \overrightarrow{B}}{\partial t}</math>・・・(1)
- <math>\nabla \times \overrightarrow{H}=\frac{\partial \overrightarrow{D}}{\partial t}-\overrightarrow{j}</math>・・・(2)
の2式である。ここに電束密度と電場、磁束密度と磁場の間の関係式
- <math>\overrightarrow{D}= \epsilon\overrightarrow{E}</math>・・・(3)
- <math>\overrightarrow{B}=\mu\overrightarrow{H}</math>・・・(4)
と、オームの法則
- <math>\overrightarrow{j}=\sigma\overrightarrow{E}</math>・・・(5)
を用いると式(1)、(2)は
- <math>\nabla \times \overrightarrow{E}=-\mu\frac{\partial \overrightarrow{H}}{\partial t}</math>・・・(6)
- <math>\nabla \times \overrightarrow{H}=\epsilon\frac{\partial \overrightarrow{E}}{\partial t}-\sigma\overrightarrow{E}</math>・・・(7)
となる[1]。これをYee格子を用いて差分化する。
- 吸収境界条件
- FDTD法を用いて電磁場解析をする際、計算領域境界に到達した電磁波が反射するために境界あるいは境界付近に導入される条件。代表的なものに、Murの吸収境界条件やBerenger のPML吸収境界条件などがある。