C反応性蛋白
C反応性蛋白(-はんのうせいたんぱく、テンプレート:Lang-en-short)は、体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるタンパク質。肺炎球菌のC多糖体と結合するためこの名がある。CRPと略称される。C反応性蛋白は細菌の凝集に関与し、補体の古典的経路を活性化する作用を有する。
診断的意義
C反応性蛋白の産生量は炎症反応の強さに相関するため、血清中のC反応性蛋白を定量して炎症反応の指標とすることができる。すなわち炎症が強いほど血清CRP値は高くなる。日本においては血液検査においてごく一般的に計測される。細菌感染では上昇しやすく、ウイルス感染ではアデノウイルスなど一部のウイルス以外ではインフルエンザウイルスのように強い発熱を発症するものでも上昇は軽微である。つまり、通常の感冒では上昇しないことが多い。また、マイコプラズマ感染では、成人では上昇しやすいが、小児ではしにくいといった特徴も認める。
同様の疾患で同程度の重症度の場合でも、CRPの上昇の程度には大きな個人差がある。そのため、CRPを標準値や他の患者の値と比較することはあまり有意義ではなく、一人の患者の経過を観察するために有用な指標といえる。
また、細菌性感染の炎症開始から6時間程度は上昇せず、反応が遅い。炎症早期の指標としては白血球の左方移動、白血球数増加が有用となる。また、日本以外では炎症の指標として一般的に用いられること自体が少なく、英語論文における指標はもっぱら白血球に依存している。
基準値
0.3 mg/dl 軽い炎症などが検討される範囲 0.4~0.9 中程度の炎症などが検討される範囲 1.0~2.0 中程度以上の炎症などが検討される範囲 2.0~15.0 重体な疾患の発症の可能性が検討される範囲 15.0~20.0
高値を示す疾患
炎症反応の指標としては他に、赤血球沈降速度なども用いられる。