釜揚げうどん
釜揚げうどん(かまあげうどん)は、茹でたうどんの麺を熱いつゆにつけて食べる料理。宮崎県や徳島県を中心とした四国地方などで多く食されている。
概要
麺を茹でた釜からすくい上げたものをすぐに食べるため、「釜揚げ」という。うどんを入れた容器と、つゆをいれた容器に分けて供される。うどんを入れた容器には茹で湯をいれるため、少し白く濁っている。うどんを水で締めることなく、茹で湯とともに、釜から容器に移されるので、食べる時には、ふんわりと小麦粉の香りがただよい、心地よく嗅覚を刺激する。うどんを水で締めていないため、”こし”はあまりないが、水で締めていないうどん特有のもちもちとした歯ごたえが特徴である。
釜揚げうどんと湯だめうどんの違い
湯だめうどんは釜からあげた麺を水で締め、すのこの上に一玉ずつストックしておき、注文があればその麺を再度湯に通し、あたため、うどんとお湯を入れた容器と、つゆをいれた容器に分けて供される。外見上は、釜揚げうどんと同じであるが、麺を水で締めてから注文があるまでのタイムラグにより、麺の鮮度が落ちているため、小麦粉の香りはすでにない。ストックしている玉を使う湯だめうどんと、注文後に、麺を茹で、釜からあげて出す釜揚げうどんには、値段に差をつけている店も多い。その場合は、当然、手間と時間がかかる釜揚げうどんのほうが、高く設定されている。
湯だめうどんは茹でたてであれば強い"こし"を楽しめるため、釜揚げよりも当たり外れが大きいと言える。また茹で湯を使用しないため湯が濁らず麺の味が澄んでいる。回転の速い時間帯なら作りおきの麺でも茹でたてに当たりやすいため、釜揚げとどちらがよいかは客の好み次第となる。
讃岐うどん
讃岐うどんのスタイルをとっているうどん屋では、大量の麺を一度に茹で、茹であがった麺をすぐに水で締めてしまうことが多い。そのため、釜揚げうどんは麺が茹であがったときに麺を別に分け、注文の分だけをまとめて作るようになっている。このため、注文時に配膳まで比較的時間がかかる旨を告知されることもある(注文を聞いてから茹でるので、相応の時間を要する)。