郷土玩具
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郷土玩具(きょうどがんぐ)は、古来日本各地で作られてきた玩具。地域の伝統工芸品でもある。地域の産物を用い、信仰に結びついた物や地域の動物などをモデルにした物が多い。
定義
稲垣武雄は、行事や祭礼で授与、販売される玩具であり、観賞に耐えうるもので、方尺を逸しない大きさのものを郷土玩具と定義した。山田徳兵衛は、地方で考案、生産された、その地方の特色を持つ玩具を郷土玩具と定義した。梅田之は、古くから作られてきた伝統的な玩具と、新たに作られた玩具があり、後者は創生玩具と呼ばれることもある。しかし、基本的に郷土玩具と呼ばれるものは、古い伝統を持つことを条件とされることが多いと指摘する。
主な郷土玩具
- ニポポ(北海道)
- 鷲の爪輪(北海道)
- 鳩笛(青森県)
- ずぐり独楽(青森県)
- なまはげ人形(秋田県)
- 八橋人形(秋田県)
- チャグチャグ馬コ(岩手県)
- 南部の馬玩具(岩手県)
- お鷹ポッポ(山形県)
- いづめこ人形(山形県)
- 御殿まり
- 仙台張子(宮城県)
- 鳴子こけし(宮城県)
- 赤べこ(福島県)
- 起き上がり小法師(福島県)
- 三春駒(福島県)
- きぶな(栃木県)
- すすきみみずく(東京都)
- 犬張子(東京都)
- 江戸奴凧(東京都)
- 飛んだり跳ねたり(東京都)
- 金魚台輪(新潟県)
- 三角だるま(新潟県)
- 加賀人形(石川県)
- あけび鳩車(長野県)
- 蘇民将来(長野県)
- 布引馬(長野県)
- 手まり(長野県)
- かなかんぶつ(または「おかぶと」、山梨県)
- さるぼぼ(岐阜県)
- 多度の弾き猿(三重県)
- 神農の虎(大阪府)
- 吉野雛(奈良県)
- 米搗き車(和歌山県・徳島県)
- 姫だるま(愛媛県)
- 孫次凧(福岡県)
- むくりこくり(長崎県)
- 佐世保独楽(長崎県)
- 鶉車(宮崎県)
- おばけの金太(熊本県)
- 肥後こま(熊本県)
- きじ馬(熊本県)
- 肥後まり(熊本県)
- 肥後てまり(熊本県)
- 南蛮てまり(熊本県)
- 木葉猿(熊本県)
関連項目
参考文献
- 『郷土玩具辞典』 斎藤良輔 (東京堂出版 1997年 ISBN 978-4490104783)
関連図書
- 『郷土玩具の新解釈 無意識の“郷愁”はなぜ生まれたか』 加藤幸治・著、社会評論社刊(2011年12月)、ISBN978-4-7845-1508-0 C0030
- 『達磨からだるま ものしり大辞典』中村浩訳・著、社会評論社刊(2011年7月)、ISBN 978-4-7845-1903-3 C0076
- 『おもちゃ博士・清水晴風 〜郷土玩具の美を発見した男の生涯』林直輝、近松義昭、中村浩訳・共著、社会評論社刊(2010年6月)、ISBN 978-4-7845-0949-2 C0030
- 『和のおもちゃ絵・川崎巨泉』森田俊雄・著、社会評論社刊(2010年5月)、ISBN 978-4-7845-0948-5 C0030
- 『浮世絵のなかの江戸玩具 消えたみみずく、だるまが笑う』藤岡摩里子・著、社会評論社刊(2008年2月)、ISBN 978-4-7845-0936-2 C0071