踏み鋤
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踏み鋤(踏鋤)とは、土を掘り返すための刃先を、柄と同じ方向に取り付けた農具である。
概要
元来、掘り棒から発達してきたといわれている。
一般の鋤が柄と直角に刃先が交わるのに対して、踏み鋤は、体重を柄にかけて、斜め方向から地面に差し込むようにして利用し、梃子の原理で土を掘り起こす農具である。そのため、刃先は柄の先端に水平方向に取り付けられ、足を掛ける部分が柄に直角に取り付けられることが多い。踏み鋤は、前進しながら用いるものと、後退しながら用いるものとあり、種子を撒く人や土を砕く人などと組んで利用されることが多い。
日本や東アジアはもとより、東南アジア、南米、アフリカなど世界各地に分布している。
アンデス地域の踏み鋤は有名で、現在でもペルーやボリヴィアの山間部で、斜面を耕作するのに利用されている。アンデスでは、踏み鋤をケチュア語でチャキタクリャ、アイマラ語でウイスあるいはイウソという。