情報機関
テンプレート:出典の明記 情報機関(じょうほうきかん、Intelligence agency)とは、国内外の情報を収集・分析し、政府に報告することで政策立案に資する国家機関である。情報収集の一環として合法・非合法の諜報活動を行う機関の総称であるが、国によってその任務や組織はさまざまである。国内の情報収集、スパイ予防を任務とするものは防諜機関、国外の情報収集を主とするものを諜報機関(ちょうほうきかん)と分ける場合がある。またそれ以外にも、スパイ機関(すぱいきかん)、特殊機関(とくしゅきかん)、あるいは、特務機関(とくむきかん)とも呼ばれることもある。
情報機関の意義
政府の政策立案、軍隊の軍事戦略策定、警察の対テロリズム捜査などにおいて情報の優劣は効率的な戦略立案や活動計画にとって非常に重大な要素であり、特に政治や軍事の局面に大きく影響する。その情報面における優劣をめぐる競争、いわゆる情報戦に対応することが情報機関の大きな意義である。特に敵対、友好関係に限らず他国の情勢など対外組織の内部事情に関する情報などは基本的に入手が極めて難しく、専門的な手段が必要となる。他省庁との関係は国によって若干異なるが、おおむね情報機関は中央政府にこういった入手が難しい情報を収集する。そしてその情報を顧客(政府、軍隊など)のニーズを考慮して分析し、報告書として提供するために存在している。この任務に加え、入手した情報を流出させないための防諜を行う。
国によっては情報操作や印象操作を行い、また情報源となる人物を買収し、時には秘密裏に特定の組織に資金援助、軍事支援などを行う。ただしすべての情報機関がこういった活動を行っているわけではない(日本の機関はこの分野が特に手薄な事で知られる)。
情報機関として有名なものは、アメリカのCIA、同じくNSA、イギリスのMI5、同じくSIS、現ロシアSVR、ソ連のKGB、フランスのDGSE、イスラエルのモサッド、日本の公安調査庁などがある。
情報収集の手段
- ヒューミント(HUMINT:Human―):人間による情報収集。“協力者”の獲得・運用を含む。一般に、“協力者”は、浸透される組織(国家)からは(スパイ)と呼ばれるが、浸透する側からはエージェントと呼ばれる。
- ハニートラップ:異性の工作員を使用した特定人物の情報収集。
- フォトミント:写真撮影による情報収集。
- イミント(IMINT:Imagery―):偵察衛星や偵察機による写真偵察。イマジント(IMAGINT)とも。
- シギント(SIGINT:Signals―):電波や電子信号を傍受する事による情報収集
- マジント(MASINT:Measurement and Signatures―):対象の特徴を決定付ける情報。IMINTやSIGINTの処理を含む。
- テキント(TECHINT:Technical―):技術的な情報収集を総称してテキントという。テクニカル・インテリジェンスと略さない場合は、特に、外国軍の装備等を入手して調査することから得られる情報の収集のことを指す。
- オープン・ソース・インテリジェンス(オシント、OSINT:Open sourse-):一般的なメディアが公開している出版物や活字情報、放送内容の分析
- コリント(COLLINT:Collective―):利害関係を同じくするインテリジェンス機関が相互に協力すること[1]。
- 防諜(CI:Counterintelligence):外国の諜報活動への対抗策。外国の諜報機関の情報収集
文献
- Brian Freemantle(著)、新庄哲夫(訳)、『KGB』、新潮社、1983年
- Dennis Eisenberg(著)、佐藤紀久夫(訳)、『ザ・モサド 世界最強の秘密情報機関』、時事通信社、1993年
関連項目
- 情報機関の一覧
- 架空の情報機関一覧
- 秘密警察
- 特務機関 - 軍事組織に於ける諜報機関について解説している。
- インテリジェンス・コミュニティー