語義の曖昧性解消
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
語義の曖昧性解消(ごぎのあいまいせいかいしょう、テンプレート:Lang-en)とは自然言語処理において、文中のある単語に出会ったとき、その単語がどの語義をあらわしているのかを判断する過程のこと。語義識別、語義判別、語義確定などともいう。
自然言語の単語には複数の語義が存在する場合がある。たとえば動詞「やる」には以下のような異なった語義が存在する:
- 彼はその仕事をやった。 (ある動作をする)
- その日はジャズをやった。 (演奏/上映する)
- プレゼントとして時計をやった。 (譲渡する)
- 机の上の本を向こうへやった。 (どかす)
- 心配なので人をやった。 (遣いを出す)
- 目を向こうへやった。 (視線を投げる)
語義の曖昧性解消は機械翻訳などのアプリケーションで非常に重要である。たとえば日本語の「やる」という動詞のもつそれぞれの語義は、ほかの言語では別々の動詞(英語では play, give, remove など)によって表されているためである。現在の自然言語処理では、語義の曖昧性解消には単語の共起関係を使う手法が一般的である。