訪問学級
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訪問学級(ほうもんがっきゅう)とは、重度の障害や病気のために特別支援学校に通うことが困難な児童・生徒のために、特別支援学校の教師が週に数回、子供のいる家庭もしくは病院で行う教育的な援助のことをいう。訪問教育・訪問指導という語を利用する場合もある。
概要
院内学級とは一見似ているが、その目的も援助も若干異なっている。院内学級は(それぞれの子どものニーズに合わせてではあるものの)複数の子どもを教育する学級という概念があるのに対し、訪問学級は1人の子どもを対象としている。
事例
秋田県立ゆり養護学校道川分教室では、併設元である国立病院機構あきた病院に入院している重症心身障害児を対象とした訪問学級制による指導(秋田県では、「訪問教育」と呼称)を行っており、週14時間(食事指導が必要な場合は16時間)の教育(自立活動)を確保する体制を取っている。このため、同分教室は通学できる児童生徒を受け入れておらず、本校も知的障害を教育領域とする特別支援学校[1]であるため、2004年3月の秋田県立本荘養護学校の閉校から2010年の秋田県立秋田きらり支援学校が開校するまでの間、通学ができる児童生徒に対する病弱を教育領域とする特別支援学校が、事実上空白の状況となっていたことがある[2]。
なお、岩手県・宮城県でも「訪問教育」という用語を公式に使用している。
注釈
- ↑ ただし、秋田県立秋田きらり支援学校が開校する以前の道川分教室は、肢体不自由を教育領域とし、2010年3月に閉校となった秋田県立秋田養護学校の分教室となっていた。
- ↑ ただし、秋田県立秋田きらり支援学校自体は、本来は肢体不自由が教育領域となっていることから、病弱の学校としては限定的な対応となっているため、現状でも空白とみられる場合もある。