航空保安大学校
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航空保安大学校(こうくうほあんだいがっこう、Aeronautical Safety College, ASC)は大阪府泉佐野市りんくうタウンにある国土交通省の施設等機関である。修業年限は2年である。大学ではないため卒業しても学位の取得はできない。
元は航空管制官、航空管制技術官、航空管制運航情報官と言った航空保安職員の教育訓練を目的に開設されたが、航空管制官を養成していた航空管制科は2010年に廃止され、現在は、航空情報科・航空電子科の2学科から構成される。
概要
本科学生及び航空管制官基礎研修課程の研修生は国土交通省職員として扱われ、給与と諸手当が支給される。
修了後は国土交通省の航空保安職員として、日本各地の空港や航空交通管制部などの航空官署に配属され、それぞれの配属先や航空保安大学校岩沼研修センターでさらに研鑽を重ねてスペシャリストとしての道を歩むことになる。
本科(航空情報科・航空電子科)は全寮制となっており、敷地内に14階建ての寮を併設している。
校舎学生寮等の老朽化、学校用地が東京国際空港の拡張整備に伴う再整理地区となっていることから、2008年4月に東京都大田区羽田空港から関西国際空港の対岸であるりんくうタウンに移転し、研修環境が大幅に改善された。
航空管制科の学生採用試験は平成20年度を最後に終了、平成21年度をもって本科航空管制科を廃止し航空管制官基礎研修課程に一元化して研修を行うこととされたため、平成21年度以降の航空管制官への進路は、航空管制官採用試験(大卒程度)のみとなっている。[1][2]
沿革
- 1959年 主として航空管制官の研修を目的として研修室を東京国際空港内に開設し、航空職員訓練所設置
- 1965年 運輸省航空局技術部に航空保安職員訓練センター設置
- 1967年 航空保安職員訓練センターを航空保安職員研修所に改める
- 1969年 本科(航空管制科2年制,航空通信科1年制,航空電子科1年制)の研修を新庁舎において開始
- 1970年 航空電子科を2年制とする。
- 1971年 航空通信科を2年制とする。航空保安職員研修所を航空保安大学校に改める。
- 1974年 航空保安大学校岩沼分校設置。
- 1986年 航空通信科を航空情報科に改める。
- 1997年 研修調整官を設置。
- 1998年 航空管制科・航空情報科・航空電子科に科長を配置。
- 2002年 航空保安大学校岩沼分校を航空保安大学校岩沼研修センターに改める。
- 2008年 大阪府泉佐野市りんくう往来南に移転。
- 2009年 航空管制科を募集停止。
- 2010年 航空管制科が閉科。