航空

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航空(こうくう、aviation)とは、飛行のための装置(航空機)の、設計開発製造・運用・利用などを広く指すための概念・用語である[注 1][1]

概説

航空という概念・用語は、飛行するための装置(航空機)の設計開発製造や運用(運航)や利用などを、広く含んでいる。

個人的な活動も組織的な活動も、空を飛ぶための装置にまつわる活動であれば全て指しうる。航空機の設計・開発・製造を含むので、航空機製造会社(航空機産業)の諸活動を含むことになり、運用も含むので航空会社などによる諸活動[注 2]も含み、また行政的なこと(航空交通管制航空法 等々)も含む。

航空の歴史を航空史と言う。 (→#歴史

航空が関連する事故を航空事故と言う。(→#航空事故

航空は様々に分類しうるが、近年ではひとつには「民間航空」「一般航空」「軍事航空」の3つに分けて把握する方法もある。 (→#一般航空・民間航空・軍事航空という分類

歴史

aviation(航空)の歴史を、「aviation history 航空史」と言う。

概略を言うと、おおむね中世の滑空器の実験の歴史から始まり、熱気球飛行船の開発・運航などの歴史を経て、その後の飛行機他の多種多様な航空機にまつわる膨大な量の諸活動がそこに含まれる。航空機産業航空会社の歴史や航空行政の歴史もここには含まれる。広くは、日本語で「航空宇宙産業」などと呼ばれる領域の歴史も含み、その場合スペースシャトルなどの設計・開発・運用等の歴史もここには含まれる[2]

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軍・民の分類

民間航空

民間航空(英: civil aviation)とは、軍事航空以外の全ての航空の総称であり、一般航空と航空運送事業に分けられる。日本の航空法は英訳でCivil Aeronautics Act[3]となっている通り、民間航空に対する法律である。

航空運送事業

民間企業によって営まれている航空の中でも、特に旅客機貨物機を使用する旅客貨物輸送事業を指している。主役は航空会社(エアライン)である。

日本の航空法で航空運送事業は、「他人の需要に応じ、航空機を使用して有償で旅客又は貨物を運送する事業」と定義され、国際航空運送事業と国内定期航空運送事業等の区別がある。かつて日本の航空法は航空運送事業を定期航空運送事業と不定期航空運送事業・利用航空運送事業に分けていたが、現在その区別はなくなっている。

一般航空

テンプレート:Main ジェネラルアビエーション(英: general aviation, 一般航空)とは、民間航空のうち航空運送事業を除いた、あらゆる航空活動を指す概念・用語である。日本では「ジェネアビ」と略されることもある。

ジェネラルアビエーションは以下の4つに大きく分けられる。

日本では自家用機の数が少ないなどの事情があるため、「ジェネアビ」と言いながら専ら「産業航空」を指していることがある。

軍事航空

テンプレート:Main 軍事航空とは、軍事に用いる航空機(軍用機)の設計・開発・製造・運用・利用を指している。

結果として、航空機を利用した、直接的な戦闘行動(空中戦・爆撃など)や、地上・海上の軍事行動の支援(偵察・輸送・連絡など)といった軍の活動を指す。空軍のそれが大きな割合を占めるが、海軍陸軍その他の軍も航空機を利用しておりそれらの活動も指す。

航空事故

テンプレート:Main 航空が関連する事故、特に航空機の運航中の事故を航空事故と言う。主なものでは、墜落、不時着、オーバーラン、衝突、火災などがある。

単位系・計量制度への影響

航空においては、ヤード・ポンド法由来の単位であるフィートマイル(航空においては海里を指す)、ノット水銀柱インチが標準的に使用されている。フィート、マイル、ノットは飛行機の降下において極めて重要かつ簡便な計算式を与える[4]。水銀柱インチは高度計規正値の単位に用いると高度計の表示変化がわかりやすくなる。[5]この為、国際単位系や各国の計量制度・法令において目的を限定した上で使用が認められている。

脚注

  1. 基本的には英語のaviationという用語の翻訳用語としてあてられているものである。
  2. 会社の設立、クルー(=乗組員。パイロット機関士客室乗務員 等)の確保・訓練・スケジューリング、航空機の調達・整備給油にまつわる諸業務、ケータリング、機内清掃、広報宣伝 等々等々 の諸活動
  1. dictionary.com
  2. 例えば、Anne Marie Millbrooke, Aviation History, Jeppesen Sanderson, 1999, ISBN 0884872351などが含んでいる
  3. 法務省・日本法令外国語訳データベース
  4. 飛行機は通常3度の降下角で降下するように設計されている。これを満足するには「1000フィートの降下に3マイルの飛行が必要」「ノット単位の対地速度に6を乗じて単位をフィート毎分に変えると適切な降下率になる」を用いて計算するとよいことが知られている。
  5. フィート単位の高度計において高度計規正値を0.1インチ変えると、高度計の表示は100フィート変化する。


関連項目

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公共機関関係

業務関係

航空機関連

関連書

  • Anne Marie Millbrooke, Aviation History, Jeppesen Sanderson, 1999, ISBN 0884872351
  • 東京大学航空イノベーション研究会、鈴木真二、 岡野まさ子『現代航空論: 技術から産業・政策まで』東京大学出版会 2012 ISBN 413072150X

外部リンク

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