背負落
概要
背負投または一本背負投の形から片膝、または両膝を畳について、引き落とすように投げる。自身の釣り手側の足(右組であれば右手)が相手の両足の間に入るのが基本的な形であるが、体落のように相手の足を引っ掛けるようになる場合もある。 なお、中学生以下は安全のため、または基本に忠実な技を身につけるために両膝をついて技をかけることは反則になっている[1]。一本背負いの形からの背負落は、内巻込とよく似ているが、引き落とすか首に巻きつけて投げるかの違いがある。
歴史
講道館の柔道家、南摩紀麿が編み出した「南摩落」がその起源といわれている[1]。この技は釣り手を一本背負投のように相手の腕をかかえ、引き手は相手の前帯を持って、膝をついて投げるというものであった。昭和初期頃まで背負落といえばこの技法であったが、いつしか、背負投から膝をついたものが背負落と認識されていった。
さらに近年では少年柔道において、不十分な背負投から体落のように足を引っ掛けるといった技を背負落と呼ぶことあるが、これは誤用である。あくまでも背負投から膝をついて引き落として投げるという理合が背負落であるので、上記の技は「背負投からの体落しの連絡技」とみるか、中途半端な背負投・体落とみるほかない。
逆背負落(回転背負落)
この技は2007年頃から国際大会などでよく見かけるようになった技で、主にケンカ四つの体勢で相手の右襟を左釣手で掴んだ状態から、右引き手も相手の右襟を掴んで自らの体を右回りに一回転させながら(あるいは大きく反転しながら膝を付いて前かがみになった勢いで)、相手を左肩越しに投げ落とす技で、全柔連はこの技を背負落と分類している。
誰が最初に使い出したかは定かでないが、2003年頃に崔敏浩が使い出したとも言われている[2])、2008年の北京オリンピック60kg級で優勝した前出の崔敏浩や、2009年の90kg級世界チャンピオンである李奎遠などが盛んに使っていたことから、この技が注目を集めるようになったと思われる[3]。崔や李など韓国の選手が使っていたことから俗称で韓国背負いとも呼ばれている[4]、2010年からは軽量級や中量級の日本選手が頻繁に使い出すようになった。2012年あたりからはそれまで日本や韓国の選手によって使われてきたこの技が、フランスのロイク・ピエトリを始めとしたヨーロッパの選手の間でも使われるようになった[5]。
この技で一本が決まった主な試合
- 2008年北京オリンピック2回戦崔敏浩(KOR)VSミゲル・アルバラシン(ARG)
- 2008年北京オリンピック3回戦崔敏浩(KOR)VSマスード・アクホドザデフ(IRI)
- 2009年ロッテルダム世界選手権90kg級決勝 李奎遠(KOR)VSキリル・デニソフ(RUS)
- 2010年グランプリ・デュッセルドルフ60kg級準決勝 平岡拓晃(JPN)VSダバードルジ・ツムルクレグ(MGL)
- 2010年グランプリ・ロッテルダム90kg級準決勝 吉田優也(JPN)VSミラン・ランドル(SVK)
- 2010年アジア大会70kg級初戦 薛京(PRK)VS渡邉美奈(JPN)
- 2011年グランプリ・デュッセルドルフ52kg級準決勝 西田優香(JPN)VSアナ・カラスコサ(ESP)
脚注
外部リンク
テンプレート:Judo-stub- ↑ 1.0 1.1 醍醐敏郎 『写真解説 講道館柔道投技 上』本の友社 1999年 ISBN 4-89439-188-0
- ↑ Lee Kyu-Won’s Reverse Seoi
- ↑ Choi Min-Ho - The original reverse seoi-nage man
- ↑ 格闘技 技の大百科 WAZAPEDIA 2011 ベースボール・マガジン社
- ↑ Pietri's Reverse Seoi