絹織物
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絹織物(きぬおりもの)は、絹で織った織物。しなやかで強く美しい光沢があるため、繊維の中でも最も珍重されてきた。
注意点
- 光沢はセリシン(絹の項目参照)によるため、セリシンを完全に落として着色した際の光沢は化学染料のもつ発色性による。現在の絹織物のほとんどはこれである。セリシンが石油系の溶剤と相性が悪く、通常の精練はセリシンを完全に落とす。逆にセリシンと親和性が高いのが、植物から抽出した色素である。
- 蚕の種類によって、吐く糸の太さ細さやなめらかさ、吐き出す糸の太さの連続性は異なるので、蚕の品種によって、上記の特性値は大きく異なる。
- 細い糸で織られた織物ほど軽く、艶も出るので珍重される。ただし、織る際に切れやすいという製造技術上の問題を持つ。
- 麻、木綿、化学繊維に比して、染めた際の発色性は、染料の種類を問わず最も高い。
主な絹織物
- あしぎぬ
- お召
- 鹿の子編み
- 黄八丈
- 桐生織
- 西陣織
- シフォン
- シャンタン
- 紗
- ジョーゼット
- 紬
- ちりめん
- 緞子
- 博多織
- 羽二重
- ブロード(ポプリン)
- ベルベット
- 本しゅす(サテン)
- めいせん(秩父銘仙、足利銘仙等)
- 羅
- 絽
- 綸子