笹子隧道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

エラー: 画像が無効、または存在しません。

笹子隧道(ささごずいどう)では、山梨県大月市と同県甲州市の間にある山梨県道のトンネルと国道20号トンネルについて記述する。国道のトンネルの正式名称は新笹子隧道(しんささごずいどう)である。

山梨県道212号日影笹子線 笹子隧道

テンプレート:Ja Pref Route Sign テンプレート:Infobox tunnel 笹子隧道(ささごずいどう)は、山梨県大月市と甲州市の間にある山梨県道212号日影笹子線のトンネル。

概要

1936年昭和11年)に着工[1][2]1938年(昭和13年)に開通した甲州街道のトンネルで [3]、全長 239メートル、幅3.0メートル、高さ3.3メートル。笹子峠標高 1,096メートル)の直下を通っている。鉄筋コンクリート造で[3]建設費として28万6,700円(現在の金額換算で約4億4,000万円)が費やされたが[4]、昭和初頭には笹子峠の南に位置する御坂峠を経由する道路が整備されたことに加えて[5]、笹子峠がヘアピンカーブの続く狭隘な未舗装路であったこともあって、戦後の1952年(昭和27年)にこの道が国道20号となり、甲府盆地果実野菜などの生産量が回復したのちも首都圏への主要な流通経路とはならず[6]、新笹子隧道が無料開放されると国道から県道へ移管された。

1997年平成9年)12月12日、「県内交通の近代化の様子を示す施設」として登録有形文化財に登録された[3]。坑門上部の持送状装飾に加えて大月市側の坑門両脇に2本並びの柱形装飾が施されるなど特徴的な意匠を持つ[3]

平成22年度道路交通センサスによれば24時間交通量は291台[7]。なお、県道のトンネル付近は冬季になると数ヶ月に渡って閉鎖される[8]

沿革(山梨県道)

国道20号 新笹子隧道

テンプレート:Infobox tunnel テンプレート:Ja Route Sign テンプレート:Infobox road 新笹子隧道(しんささごずいどう)は山梨県大月市と甲州市の間にある国道20号のトンネル。

全長2,953メートル、片側1車線。完成当時、道路トンネルとしては日本第2位であった。平成22年度道路交通センサスによれば24時間交通量は上下線合わせて9,433台[11]

概要

テンプレート:要出典範囲

戦後の1952年(昭和27年)制定の新道路法では再び笹子峠越えの区間が一級国道20号に指定され、難所のトンネル貫通が求められていた。戦後山梨県初の県人知事として1951年(昭和26年)に当選し、「富める山梨」を掲げ総合開発計画を実施していた天野久時代には野呂川総合開発と並ぶ事業として計画され、当初は県債財源の有料トンネル案で、1953年(昭和28年)には峠の標高700メートル付近で現地調査が開始された[12]

県財政の悪化より事業は危ぶまれるが、天野知事の運動もあって翌1954年(昭和29年)には建設省(現:国土交通省)の国営直轄事業に編入され[12]日本道路公団の設立に伴い1956年(昭和31年)に公団へと事業移管された[12]。国道20号改築工事として1956年(昭和31年)12月11日に工事を開始し[13]、総工費は12億8500万円[14]。事業には37戸の移転と工事中に7人の犠牲者が発生したものの、1957年(昭和32年)12月に完成し、1958年(昭和33年)11月23日に工事が完了[15]。同年12月8日に日本道路公団が管理する一般有料道路笹子トンネル」として供用を開始[16]

当初、初年度の通行量として450台/日を見込んでいたが実際には540台/日を数え[17]、3年後の昭和36年度には1,365台/日[17]、昭和43年度には7,806台/日へと通行量は急増[18]。料金収入も増加し、償還予定期間の20年間を待たず、1971年(昭和46年)4月24日に償還完了により無料開放された[19]

従来、果物や野菜などを東京の市場へ出荷する際には中央本線による貨物輸送が主であったが、トンネルの開通や国道20号の舗装整備によりほとんどがこのルートのトラック輸送に転換された。従来も一部で利用されていたトラック輸送では御坂峠を経由するルートが使われていたが、トンネル開通によって距離にして約30キロメートル、時間にして1時間40分が短縮されたという[6]。時間の大幅な短縮と、青果の荷傷みの減少による販売価格の改善などもあって[20]、首都圏への果実や野菜・花卉の出荷量が増加し[21]、果樹栽培面積も急増した[21]。また、八ヶ岳周辺で生産される生乳が首都圏で販売される牛乳の流通に組み込まれるなど、畜産物の首都圏への出荷量も増加[21]観光産業の振興にも繋がるなどトンネル開通はこの地域に多大な経済効果を及ぼした。

開通から50年以上が経過しており老朽化対策のため、国土交通省は新笹子トンネル改修として平成26年度に事業化している。当トンネルは交通量が多く改修中の交通安全などを考慮するため、既存のトンネル西側に並行して全長3,300メートルの新たなトンネルの掘削を計画中である[22][23]

テンプレート:-

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

テンプレート:国道20号

テンプレート:Asbox
  1. 1.0 1.1 1.2 『本邦道路隧道輯覧』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  2. テンプレート:Citeweb
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「chdb」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  4. テンプレート:Citeweb
  5. テンプレート:Citeweb
  6. 6.0 6.1 山梨県史、pp.388
  7. 道路交通センサス、pp.19
  8. テンプレート:Citeweb
  9. 1998年(平成10年)1月8日文部省告示第7号「文化財を登録有形文化財に登録する件」
  10. 国指定文化財等データベース 笹子隧道 2012年6月20日閲覧。
  11. 道路交通センサス、pp.1
  12. 12.0 12.1 12.2 山梨県史、pp.491-492
  13. 1956年(昭和31年)12月8日道路公団公告第10号「笹子トンネル工事開始公告」
  14. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「nenpou」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  15. 1958年(昭和33年)11月22日道路公団公告第33号「笹子トンネル工事完了公告」
  16. 1958年(昭和33年)12月1日道路公団公告第34号「笹子トンネル料金徴収公告」
  17. 17.0 17.1 山梨県史、pp.383
  18. 山梨県史、pp.492
  19. 1971年(昭和46年)4月23日日本道路公団公告第19号「有料道路「笹子トンネル」の料金の徴収期間の変更公告」
  20. 山梨県史、pp.389
  21. 21.0 21.1 21.2 山梨県史、pp.391
  22. 開通55年で老朽化「新笹子トンネル」掘り替え 読売新聞
  23. 平成26年度関東地方整備局関係予算の概要について 国土交通省関東地方整備局